第8話 異世界で鍛えられし業物
ネブラ「どうした? 早く剣を抜けよ小僧。」
秋水「あんたなんかに俺の全力を出す必要はないね、というか、元々こういうスタイルなだけだけど。」
ネブラ「ほう? そういうスタイルもあるのか、そりゃあ楽しませてくれそうだ! いくぜ!」
ネブラは騎士の姿のまま両手剣を秋水めがけて振り下ろしてくる、かなりの威力だが秋水も一瞬で刀で剣を弾き、瞬時に鞘に戻す。
ネブラ「ほう! 中々の手並みだ、どうやらただ闇雲に構えるだけではなく、その妙な形の剣の威力を最大限に生かす戦法だな、もっと見せてくれよぉ!」
そういってネブラが恐ろしいスピードで同時に何度も斬撃をかます。
秋水はそれを全て弾いた。
秋水「ふん、どうやら本気を出すまでも無さそうだね、ネブラさん、精霊ってこんなもん?」
ネブラ「ほざくな小僧、なら俺に一撃でも当ててみたらどうだ?」
ネブラがそう言った瞬間ネブラの鎧ごと上半身と下半身が真っ二つに切り裂かれた。
秋水「ほらねー? 隙だらけなんだよね。」
ネブラは秋水が剣を少し動かしたようにした見えなかった、しかし、気づけば自分の胴は二つに両断されていた。
ネブラ「おっほおおぉぉ! やるじゃねえかぁ! でもな、俺は霧の精霊。 仮初の姿の俺を切ったって意味ないんだぜ?」
そう言ってネブラの姿がふと消える。
秋水「なっ! そんなの反則だろう!? 大体、こうなったらもはや剣の決闘じゃねえじゃねえか!」
するとどこからともなくネブラの声が響く。
ネブラ「誰が剣の決闘っていったんだ? 俺が剣を使うのは言わば小手調べよ、ここからが本番だぜ! 安心しろ、剣は使ってやる。」
ネブラの声が聞こえたと思った矢先、どこからともなく斬撃が秋水を襲う。
風を切る音で見切り、間一髪弾くが、その後も連続で四方八方から斬撃が飛ぶ。
ネブラ「ほらほらどうしたぁ!? さっきまでの威勢はどこへ行ったんだぁ!?」
闇の中に響く声と共に、さらに斬撃が舞う。
肩や背中にすれすれの斬撃を受けながら、弾いていたがそれも限界に達してきた。
秋水「ちっ、これじゃ拉致があかねぇ!!! どうしろってんだ!!!」
ネブラ「はんっ! 所詮、ただの剣士じゃぁこの霧の精霊様は倒せねえんだよ!!!」
ネブラ「くたばりやがれぇ!!!」
そう言った瞬間、秋水の周りに一気に氷の刃が現れ、四方八方から秋水めがけて刃が飛ぶ。
秋水が蜂の巣にされると思った直後、秋水の刀から暗闇の中で目を覆うほどの光を放ちながら、灼熱の炎が舞った。
その炎で秋水の周りに現れた氷の刃は瞬時に溶ける。
ネブラ「あぁ~ん? んだぁ? その変な刀はよぉ!」
秋水も刀から炎が出たのには少し驚いたが、驚いたような格好をしているとここで舐められるのであえて高圧的な態度を取ることにした。
秋水「へっ! でもほめといてやるよ、本気を出すまでもないって言ったけど、俺に本気を出させるなんてな!」
ネブラ「ちっ、小僧が舐めやがって、ならこれならどうだぁ!!!」
そういうとさらに大量の、ほんとに何千もあるかと言うほどの氷の刃が秋水の周りに現れる。
秋水は炎が出た時になんとなくこの刀の使い方を理解していた。
次は攻撃される前に攻めに転じる。
相手は霧、氷は空気中の水滴を一気に冷やして作っているのだろう。
その主に水を中心とする相手へ効果的な攻撃は稲妻である。
そう、秋水は初めにこの刀を見たとき、水、火、稲妻、風が舞っているのを見ているのであった。
秋水は刀に稲妻のイメージを集中させ、渾身の力を込めて刀を一瞬だけ抜いた・・・・。
どーもお久しぶりです剣狐です。
私はどれだけ時がかかろうとも、死ぬまでにこの小説を完成させます。
一人でも更新を待つ人がいる限り、あなたたちのためにこの小説は完結させます。
では、おやすみなさい!