第2話 いいえここは地球じゃないです。
老人「そうかそうか・・・・わしも死ぬ前に巡り合えたと言うことじゃな・・・・。」
老人「よし決めたぞ、この刀はわしの一族が千年にも渡って先祖代々鍛え上げて来た宝刀じゃ、そして、この刀を鍛えるのも、わしが最後じゃ。」
??「なに意味わからねえこと言ってんだ? 確かに刀は古い日本の武器だけど、そこまで大げさにならなくてもいいだろう?」
老人「そうかそうか、お主もご先祖様と同じか、いいかよく聞け、ここはお主が知っているニホンという世界ではない。 この世界はGATE Skill という古の力を持ったものが支配する世界じゃ、スキルマスターと呼ばれる者によって、この世界は秩序を保っておる。」
??「え・・・・えぇ!? 意味わかんねーよ、じゃあここは地球じゃねえってことか? 全く違う世界に飛ばされたってのか!? 布団から!」
老人「まぁ、細かいことを除けばそういうことじゃろう、お主がここへ来たのもなにかの巡り合わせ、定めを受け入れると良い。 ここへ来たからには平民として生きるか、元の世界へ帰るための方法を探すしか無いんじゃないかの?」
正直頭は混乱していたが、それと同時にワクワクしている事にも気付いた。
??「そーか、なら仕方ねえな! 来てしまったもん仕方ない! じゃあ今日からは学校もないし、帰る方法でも探しながらぶらぶらしてみることにする!」
その淡々とした性格に老人は少し戸惑った、普通ならもう少しパニックになってもおかしくはない。
老人「お主はなぜそんなに前向きなんじゃ? もう少し悩んだりするもんではないかの?」
??「だって、悩んでたって仕方ないだろ? ここに今いる俺は、今を生きるしかないんだしさ。」
そう言って少年はにこりと笑う。
??「それに、GATE Skill?だっけ、それも気になるしな!」
老人はその少年の姿を見て少し安心した。
特にこれといった理由はないが、彼ならこの世界でもなんとかやっていけるだろうと思えた。
老人「そうか、それならこの刀を持ってゆけ、さっきも何かに追われてたんだろう?」
??「え? いいのか? 大切な刀じゃないのか? あれ、そういえばさっきの狼みたいなバケモノ小屋まで襲ってこねえなぁ・・・・。」
老人「そりゃあそうじゃ、この刀はものすごい力を秘めた刀じゃ、そんじょそこらの魔物は気配だけで小屋にすら近づこうとはせんわい!」
そういって老人は笑う。
老人「さて、わしがこの残り少ない人生の間にご先祖様が住んでいた世界の人間が現れるなど本当の奇跡じゃ、この刀を持っていけ、この刀があればきっとお主を元の世界へ導いてくれると思う。」
??「そうか・・・・わかった、じいさんのご先祖様に変わって、俺がこの刀と一緒に元の世界に必ず帰ることにする。 ありがとな、じいさん、色々教えてくれて。」
老人「構わんよ、とりあえず今日は泊まっていけ、かなり走ったんじゃろう?」
??「いいのか? ならお言葉に甘えて今晩はここに泊めてもらうことにする、あ、そうだ! まだ自己紹介してなかったな、俺の名前は秋水だ!」
老人「秋水か・・・・いい名じゃな。 では飯にでもするかの。」
秋水「おおー! 飯か! いいなじいさん! 手伝える事があったらいってくれ!」
そしてその日は老人と過ごした。
翌朝、早く起きた秋水は枕元に綺麗に磨かれた鞘におさめられた刀を置いてあるのを見つけた。
礼を言ってから出ようと思い老人を起こそうとしたが、老人は自分の仕事をやり終えたあとの満足気な顔で静かに息を引き取っていた。
秋水は老人からもらった刀を手に小屋を後にした。
長くなったので2話に分けました(計画通り(☆∀☆)
今年もGATEを本当によろしくです!
ちなみに3話連続更新はクリスマスプレゼントとお年玉におまけつけたと思ってくれても・・・・いいんだからねっ!!!
遅れて申し訳ないです、待っていてくれてありがとうm(__)m