第11話 大拳聖の『拳』
7人は目の前の修道女から放たれる先ほどとは比べ物にならない覇気に圧倒されていた。
修道女が付けていた十字架を引きちぎった瞬間、闇の拘束は消え、修道女を狙っていた聖なる槍も消えた。
まるで修道女の周りにおける全ての特殊な力を無に帰すかのような光景で、7人は少しの間、その状況がつかめなかった。
尚矢「くそっ、なんや! 眩しすぎてなんも見えん!」
討魔「どっちにしてもやばそうだっ・・・・!!」
剣徒「一旦退きますか!?」
オプス「もう遅せえ!! お前らよけろ!!!」
オプスの叫び声が聞こえる、直後、7人は全員打ち倒されていた。
修道女「この程度ですか・・・・もう少し期待はしていたのですがね・・・・。 まぁ、急所は外しています、次に我々の邪魔をするなら容赦はしませんが・・・・今度はもう少し楽しませて欲しいものです・・・・。」
修道女は気を失っている7人に小さく言い、その場を離れようとした。
次の瞬間、夕闇にはっきりとした声が響く。
??「待ちな。」
修道女「!?!?」
修道女は自分の後ろに突如現れた凄まじい気を放つ人物に圧倒されていた。
リミッターである十字架を外している自分がこれほど気圧される人物とはこの世界に何人いるかとも考えていた。
??「いやぁ、村の近くでいきなりドンパチやる気配がしたもんで来てみりゃあ、『掟の修道女』さんとこんなとこで会うなんて奇遇なもんだ。」
修道女「ほぉ、ジンか、先日はトロヴァドゥロスが迷惑をかけましたわね。」
冷静な声で話掛けてくるジンに隙は無い、自分は平静を装うのが精一杯であった。
ジン「んなこたぁどうでもいい、こいつらは俺のお気に入りなんだよ、トロヴァドゥロスは人形だったが、あんたは本気で潰しに来たってとこかい?」
修道女「フン、組織を抜けたものに答える必要はありませんわ、私はここで失礼させてもらいましょうか。」
ジン「何言ってんだよ、俺のお気に入りのダチをこんなにしてくれてみすみす逃がすとでも思ってるのかい? 修道女さんよ。」
ジンの声に殺気が宿る。
修道女は咄嗟に身構えた、一番初めに逃走を考える、間に合わない、次に取ったのは人質である。
修道女はバベルを倒れている真癒の喉元に突きつける。
ジン「なんだ、人質か・・・・。 それで有利になったつもりか?」
ジンが動いた、と、思ったときには気の篭った拳が腹にめり込んでいた。
ジン「甘いな。」
修道女は派手に吹っ飛ぶ、先にある木にぶつかりその場にずるずると倒れ込む。
ジン「幹部でこれだからあんなクズ組織は辞めたくなるんだよ。」
ジンは気の力で7人を治癒し、街道の石畳よりいくらかマシな草原へ運び寝かせ、村へ戻っていった。
~翌朝~
街道で気を失っていた7人は朝の肌寒さに目を覚ました。
尚矢「あれ・・・・わいらここでずっと気を失ってたんか・・・・。」
討魔「急所は外したようだな・・・・。」
剣徒「それにしてもあの時受けた衝撃は並みじゃなかったはずです、普通ならまだ痛むはずですが・・・・。」
オプス「そりゃあ、あっちで伸びてる修道女さんになんか理由がありそうだぜ。」
守武「どっち?」
オプスが守武の首をそのまま木の方へ向ける。
守武に宿るオプスは守武の体を自分の意思で動かすことなど造作もない、無論、守武がそれを許している場合に限る。
そこには昨日、自分達を襲った修道女が木に寄りかかって気を失っていた。
真癒「これはなにかありそうね・・・・。」
夜雲「・・・・強力な何者かが修道女を。」
優菜「ふぁぁあ・・・・朝ですかー・・・・。」
とりあえず気を失っている修道女はまだ目を覚ます様子は無い、下手に動かして起こしたりしたら手に負えないので放置して7人はGSMGに戻ることにした。
~7人がその場を去ってからさらに数時間後~
修道女「・・・・っ!! もう昼ですか・・・・。」
修道女「あの総師範がスキルマスターの見方をするとは・・・・まぁ彼は元々、善の気を使う大拳聖・・・・必然ですわね。」
修道女「しかし・・・・まずいことになりましたわ・・・・。 総師範が敵に回った事を正式に報告しにいきますかね・・・・。」
そう言って修道女もその場を後にした。
どうも、かなぁぁあありお久しぶりです><
読者の皆様大変長らくお待たせしました。
なんとか11話を仕上げる事ができました><
リアルが忙しすぎてほんとに小説に向き合う時間が少ない中、久々に見たらこの小説はしばらく更新してないよ的な立て札がΣ(゜д゜lll)
頑張って仕上げましたよw
だからもうあんなの消える・・・はずw
まぁこれからもゆっくりいきます!