第10話 掟の修道女
イーストベルタ村から王都は歩いて20分ほどかかる。
村を出てまだ5分ほど歩いただけだ、行きはテンションが高く外を平和に歩くのは久々だったので話に花も咲き気付けばついていたが・・・・。
帰りはまだ今朝の疲れが残っていて7人の足取りは重い。
辺りも暗くなり、日は完全に沈んでいた。
王都への道は一本の街道で繋がっているので道に迷うことはなかった。
7人がしばらく街道を歩いていくと前方から一人の修道女らしき人物が歩いてきた。
その修道女は深くフードを被り顔も見えず全身もローブに覆われていた、胸に下げた十字架が修道女だと7人に感じさせた。
尚矢「こんな時間に修道女・・・・? 変やな、もう辺は真っ暗やで。」
剣徒「確かに・・・・怪しいですね・・・・。」
オプス「でも変な気は感じねえけどなぁ。」
だんだんとその女性が近づいてきた。
しかし次の瞬間、目の前にいた修道女は消えていた。
討魔「なっ!!!」
7人が辺りを見回す。
後ろを振り向いた討魔がローブを脱いだ修道女が立っていることに気付く。
討魔「後ろだ! 身構えろ!!!」
尚矢「身構えろ?」
そう言って振り向いた6人はその姿に一瞬気圧される。
修道女はその場にフードを脱ぎ捨て、漆黒の鎧に身を包まれそこに立っていた。
いや、立っていると形容するよりかは君臨していたというほうが正しいのかもしれない。
それほどにただ立っているだけで凄まじい迫力をかもし出していた。
そしてその片手にどこから出したとツッコミたくなるような巨大な戦槍を構えていた。
尚矢「うっわー、この人絶対戦ったらあかん雰囲気ぷんぷん出てますやん。」
剣徒「確かに、でも逃がしてくれる気はなさそうですよ。」
すると討魔が修道女に話しかける。
討魔「お前もアルモニア=プロドティスの手の者か?」
修道女「ええ、そうですわよ。 先日はうちの変態吟遊詩人がご迷惑をおかけしましわ。」
落ち着いた、しっとりした声だった。
その声に7人はとてもじゃないが闘争心のかけら感じることは出来なかった。
尚矢「ああ、あの変態はんにはえらい目に合わされたで・・・・。」
オプス「俺がいなきゃお前ら終わってたもんな。」
そこでまた修道女が口を開く。
修道女「そうですわね・・・・その埋め合わせにと、我々の活動の邪魔をするあなたたちと遊びに来ましたの。」
修道女「御相手お願いできますか? 若き紳士淑女よ・・・・。」
声はしっとりとしていたが、修道女の周りは7人がいままでに感じたことのない『殺気』が渦巻いていた。
真癒「これは・・・・ただじゃいかないわね・・・・。」
剣徒「ちょっと覚悟を決める必要がありそうですね。」
尚矢「相当やばいなぁ!」
討魔「どんな敵だろうとやることは一つだろう。」
優菜「こわいですねぇ・・・・。」
夜雲「・・・・強い。」
オプス「闘争を楽しもうじゃねええぇぇかああぁぁ!!!」
修道女が動いた。
動いた、と思ったその瞬間には尚矢まであと数メートルのところまで迫っていた、勢いは止まらない。
しかし7人もそれなりに実戦を積み、成長していた。
その勢いのまま放たれた戦槍を剣徒が同じみの双剣で受け止める。
剣徒は槍を重ねた双剣の中心で受け止め、右に薙ぎ払う。
槍が払われ一瞬右に飛んだ修道女は闇に体を瞬時に拘束される。
そして目の前には無数の聖なる槍が自分めがけて飛んできていた・・・・。
修道女「小賢しいですわね・・・・。 少し、侮っていました、いいでしょう。」
修道女が胸に下げていた十字架を引きちぎる。
その瞬間なにかの制限を解いたかのように修道女の周りからあらゆる力が掻き消えてゆく。
修道女「ここからが本番ですわよ・・・・。 私の愛槍の真の姿、お見せしましょう。」
そう言って槍に手をかざす。
槍が光り輝き、漆黒の槍に白い光の螺旋状の線を纏う美しい槍に変化する。
修道女「葬って上げましょう・・・・私のこのバベルで・・・・。」
お久しぶりです!
高校を卒業し晴れてニーt、フリーターになった剣狐です!
久々更新でガッツリ戦闘いきますよ!
次話はいつかわかりませんw
でも早めに上げます!