第7話 闇夜の演奏会
8人の前に道化師の格好をした人形が現れた、数は10、その威圧感からただの人形ではないことが分かる。
『ヒャッハハハハァァァァ! さぁ! 僕の人形と踊り狂ってくれよ! 君たちの奏でるSkillでねぇ!』
10体の人形はそれぞれ弓矢や剣、槍や戟などの獲物を構えている。
尚矢「なんや? 自分は出てけえへんのかいな! 意地汚いやっちゃなぁ!」
『てめぇらグズ相手には僕の人形だけで十分なんだよおおぉぉ!!!』
『ヒャッハハハハァァァァ!!! 行くぜええぇぇぇ!!!』
『いざ放て狂気の矢を!!! 情熱的に!!!』
10体の人形が一斉に動き出す、弓矢を持っていた人形5体が一斉に矢を放つ。
【エア・フィールド】討魔はすでに風の盾を8人の前に張り巡らしていた。
しかし敵の放った矢は風の盾を破り目にも止まらぬ速さで8人に襲いかかる。
討魔「なっ!!!」
ジンが動いた、7人の目にはそれはほんの一瞬動いたようにしか見えなかった、しかし次の瞬間には7人の目の前に折れた矢が散らばっていた。
ジン「ちんたらしてんじゃねえ! さっさとスキル撃ちまくりやがれ!」
『はははっ! そんな軽く敗れるような風の壁で僕の人形の活発な協奏曲には着いて来れないぜぇ!?』
尚矢「いちいちめんどくさい言い回しするなぁ・・・・さっさと黙らせよか!」
まずは守武が出る、飛び交う弓矢が守武を直撃するが、当たった場所が煙のようになり守武をすり抜ける。
ジン「!? まさか『精霊着装』か!?」
真癒「『精霊着装』?」
剣徒「なにやら興味深い名前ですね・・・・。」
ジン「話は後だ! なんで兄ちゃんがあんな技使えるようになったのか知らねえがとりあえず敵を撃退するのが第一目的だ! 俺が突破口を開く! 畳み掛けろ!」
守武をすり抜け飛び交う矢をジンが全て撃ち落とす。
その瞬間に敵の剣、槍、戟を持った5体が突進してくる。
突進してくる5体の間を守武はすり抜け、後ろに構える弓矢部隊と交差する。
刹那、弓矢を構えていた5体は崩れ落ち、動かなくなる。
守武「ヒャッホ~! 楽勝だなぁ!」
その一連の流れをみたトロヴァドゥロスは(おかしい)と心の中で思っていた。
これまでに精霊と契約しているスキルマスターとは何度か戦ったことはある、しかし自分の人形はただの攻撃では絶対に倒れない。
それに矢を貫通してなお、全く外傷の無いあの状態も気がかりであった・・・・。
そもそも人形の素材自体にポエミングライトの【リヴィング・ソング】というスキルが掛かっている。
簡単に言えば不死の命を与えるスキルだ。
そんなことを考えている間にも戦闘は進んでいく。
戟と槍を持った人形は真癒と優菜を狙って突進していた。
ジンがその辺に生えている草木に流れる気を操る。
真癒と優菜を狙って突進していた2体の人形に草木の枝や弦が絡みつき、動きを止める。
すぐさま剣徒が両手に持った剣で二体の人形の首を跳ねる。
しかし人形は首を失ってもなお抵抗を続け、手に持っていた槍と戟で絡みついた草木を解き放つ。
その瞬間、一陣の風が二体の人形の間を通り抜け、人形は倒れ、動かなくなる。
『あれま、これは想定外だねぇ・・・・。』
(このままじゃ盟主殿に怒られちゃうし今日のところは一旦引くか・・・・。)
残りの三体を尚矢が締め上げ、守武が無力化しようとした瞬間人形は姿を消した。
尚矢「なんや? 大口叩いて最後は撤退かいな!」
『君たちがそんな『技』を使えるなんて聞いていなかったものでね! 今日のところは出直すとしよう! さらば若きスキルマスター達よ!』
その台詞と共に、イーストベルタ村の夜に静かな静寂が舞い戻った・・・・。
50部を書き終わった後にそのノリで書きました♪
楽しく書いてますw
今回は言葉の回し方がちょっとめんどうだったけどw
予約掲載しておやすみなさい☆GOODNIGHT☆(>ω<)