第4話 【大拳聖】
7人の反応は早かった、「【アルモニア・プロドティス】」この言葉を聞いた瞬間7人は臨戦体制に入った。
一触即発の空気の中、ジンは冷静に話を続けた。
ジン「あのなぁ、いまいったろ? もともとある組織のっつったんだよ! 耳ついてんのか?」
その言葉で若干緊張していた空気が緩む。
剣徒「ジンさん、いま組織で幹部をしていたといいましたね、僕たちはいままでに2人その組織の幹部に会っています。 ジンさんの地位はどれくらいのものだったんですか?」
ジン「ほう、柱師の連中に会ったのか。 誰に会ったんだ?」
尚矢「フェルネウスとかいうナルシストとトロヴァドゥロスとかいうナルシストや。」
ジン「六柱と八柱か、しかし珍しいな、あのナルシストコンビが人前に現れるなど滅多に無いことだ。」
真癒「組織でもナルシストで通ってるんだ・・・・。」
ジン「まぁな! でも麒麟をさらったのと重月の夜ってのはちょいと気がかりだな・・・・。」
討魔「幹部であったお前がなにも知らないのか?」
ジン「俺は幹部つってもあいつらの使っている軍隊、まぁ気術軍っていうんだが、俺の肩書きは・・・・。」
ジン「アルモニア・プロドティス ~気術軍総師範~、ってとこだ。 だから実務を行う柱師の連中とは違う。」
ジン「もともと俺がやっていた気を使う拳が組織の奴らに気に入られて入っただけだからなぁ・・・・あんときはギャンブルで大負けして金に困ってたしな!!!」
そういってハッハッハ!!!などと笑っている。
剣徒「つまり・・・・借金で困ってる時に高額の給料で軍を鍛えるの誘われたから美味しいと思って入りましたってことですか・・・・。」
ジン「まぁそういうことだな!!!」
尚矢「こりゃあ大事な情報は得られそうにないなぁ・・・・。」
討魔「ところでジン、お前の拳は結局なんなんだ?」
その言葉でジンを含むあとの7人がああ、そういえば、という風である。
ジン「あの能力はスキルを使えるものも、使えないものも、鍛錬すれば誰でも扱えるようになる。」
ジンいわく気の力とはこういうことだった。
気は誰でも使える。
気にはスキルと同じように大まかに6つの属性がある。
属性ごとに使えるようになるには専門の修行が必要である。
つまり、水を使いたければ、滝行ということである。
尚矢「つまりわいらでも修行さえすれば使えるってことやな!」
ジン「そうだ、ただかなり過酷な修行だからやるやつは中々いないがな。」
それを7人の後ろで聞いていた守武の頭の中にオプスキュリアが話しかける。
『おい! 守武!』
守武は契約しているので、思うだけで頭の中で意思疎通が可能である。
守武『ん? どうした? オプス。』
『なんでいきなりニックネームっぽく呼んでんだよ。』
守武『だっていちいちオプスキュリアなんて呼ぶのめんどくさいもん、キュリちゃんでもいいよ?』
『消すぞ。』
守武「あっはは! 冗談じゃん!」
守武『あっ、ミスって声だしちゃった。』
その声に優菜が反応する。
優菜「ん? 守武さんどうかしたんですかぁ?」
守武「いやね、キュリちゃんが話したいって言うもんだから!」
キュリちゃん「せめてオプスにしてくれ!!! 頼む!!!」
守武「仕方ないなぁ、じゃあオプスで。 なんか用?」
ジン「お、そういやお前らがこの村に来てから感じてた禍々しい気はお前か? なにかと契約してるのか?」
オプス「ああ! 俺だよ! 闇の精霊オプスキュリアだ!」
ジン「ほお、6精霊の一柱か・・・・兄ちゃんやるなぁ!」
オプス「ああん? 俺をよく知ってるみてえだな・・・・っておおい!? オメエ【大拳聖】じゃねえか!!!」
ジン「おいおい恥ずかしい呼び方しないでくれよ!」
剣徒「【大剣聖】?」
オプス「ちげぇちげぇ、こいつは拳聖とかいて【大拳聖】だ。 こりゃまたえらい大物が出やがったぜ!!!」
尚矢「つまり、どういうこっちゃ?」
オプス「この世界で気の力を極めた者はその極めた属性によって【拳聖】って呼ばれてんだ。」
オプス「火属性を極めたらな【火の拳聖】、水を極めたらな【水の拳聖】ってとこだな。」
剣徒「で? 【大拳聖】はどうなん?」
オプス「俺もよくは知らねえが、そのそれぞれの属性合わせて6人いる【拳聖】の頂点、つまりすべての属性を極めた伝説の【大拳聖】が、そこに突っ立ってるジン村長ってことだよ!」
「「「「「「「「えええぇぇぇ!!!」」」」」」」」
オプス「その驚きかた久しぶりだな・・・・。」
ジン「そんな大層なもんじゃねえぜ!!! 勝手に言われてるだけで、俺はただ全部使えたらいいなと思ってやったら出来ちまっていつの間にかそう呼ばれるようになってただけだ!」
真癒「出来ちまってってあたりが嫌味ったらしいわね。」
剣徒「やろうと思っても出来ない人だっているのに・・・・。」
討魔「これだから才能馬鹿は・・・・。」
そんなことを他の4人もグチグチ言っている。
ジン「おめえら仮にも【大拳聖】を前にひでえ言いようだな!!!」
討魔「ほう、さっきまではいつの間にかなっていたとか言っていたくせに、次は逆ギレか。」
真癒「まぁ・・・・お金のために力を使う人だもの、そのへんの人間性だけは疑うわ・・・・。」
夜雲「・・・・クズ。」
そんなことをまたグチグチ言い始める7人。
ジン「わーった! わーったからとりあえず話を進めようじゃねえか!」
そういうと7人は、まぁそれもそうかと愚痴をやめた。
ジンはとりあえず依頼の話をしようと言って家に入っていった。
7人は組手をやってからずっと庭にいたので、ジンに続いて家に入っていった。
はい4話!
高校卒業まで登校日もついにあと約二週間、残りのスクールライフを楽しみますw
またゆっくりかきまーす!