第3話 柔よく剛を制す
7人は着替えをすませ朝食を取りながら8人で談笑していた、会話はしだいに朝の出来事の話になり、7人はジンの使った『拳』を問い詰めた。
真癒「で? さっき私の水の剣を消し去ったあの技はなんなの?」
ジンは見られては仕方ないというふうで、すぐに真面目な顔つきになった。
ジン「あれはな、いわゆる『気』ってやつだ。」
ジン「この世界に存在するのはGate Skillだけじゃねえ、この世界に存在するありとあらゆる物に流動する『気』を使って様々な力を行使することが出来る。」
剣徒「『気』? この世界にもそういう概念が存在するんですか?」
ジン「ん? この世界? どういうことだ?」
尚矢「うっ・・・・めんどくさいこと口走ったな剣徒・・・・。」
ジン「なんだぁ? 兄ちゃん達は俺に隠し事してるくせに俺の秘密話せってのはどうなのかなぁ?」
尚矢「わかったわかった! 話せばええんやろぉ?」
ジン「ああ。」
尚矢はうまいこと先に話すよう流されたと思いつつ、自分たちがこの世界に連れてこられた経緯を話した。
ジン「ほう、つまりお前たちの世界にも『気』を使うような者がいたと?」
剣徒「いえ、神聖的な概念であって、物理的に『気』そのものを使うことは出来ません、つまり気持ちの問題ってやつです!」
ジン「なんだそうなのか、じゃあお前たちの戦闘技術は接近戦が発達しているってことだな?」
尚矢「いや、わいらのおった国では禁止されてるけど、外国には銃っていうのがあってな、でかかったら5センチくらいの弾を高速で撃つ技術があるで。」
ジン「ほう? 銃・・・・そんなものがあるのか、興味深いものだ。」
ジン「しかし、兄ちゃん達が暮らしていた国では銃とやらは禁止されているのだろう? じゃあどのような戦闘方法が発達していたのだ?」
守武「うーんと、柔道とか剣道とか?」
討魔「そうだな、合気道や弓道などもある。」
ジン「全部に『どう』が付くのんだな、どういう意味だ?」
剣徒「道とはこの世界にもある、『みち』という意味で一つの道を極めるという意味で付けられています。」
剣徒「例えば僕なら剣道をやっていましたが、剣の道を極めるための道なので剣道です。」
ジン「ほう。 その考え方嫌いじゃないぜ、どのような戦闘方法か見てみたもんだな、剣道ってのはどんななんだ?」
剣徒「剣道は昔は剣を使って敵を切合うという単純な競技から、いまでは防具を装備して、面、胴、篭手、突きの四箇所を狙って撃ち合う競技です。」
ジン「つまり実践向けってことじゃねえってことか・・・・。」
剣徒「まぁそうですね。 柔道が一番接近戦で実践的じゃないでしょうか?」
討魔「確かに、相手の力を上手く利用するあたりは接近戦の読み合いの中でかなり活きるな。」
ジン「お、それは興味深い・・・・だれか柔道とやら出来ねえのか?」
そう言われるとなんと夜雲が前へでた。
ジン「おいおいお嬢ちゃん、さすがに俺をからかわれちゃこまる!」
尚夜は夜雲が前に出た時点で夜雲の思惑に感づいていた。
そしてそれは他の5人も同じで、真剣な表情(の裏にニヤニヤ)をしながらジンを見据えていた。
ジン「っち、しょうがねえなぁ、どうなっても知らねーぞ? お前たちの世界の武術がどれほどであっても、俺は接近戦じゃ膝もつかねーよ。」
その言葉を聞いた6人はますますわくわくしてプルプル震え始める。
尚矢「と、とりあえずここじゃまずいし外出ましょうや!」
ジン「それもそうだな。」
そういってジンは玄関へ向かう、7人はそれに着いて外へ出た。
家の前は広い庭になっているので夜雲とジンはその真ん中で対峙した。
6人は家を出てすぐのとこでその様子を見守っている。
これは行ってみれば簡単な組手みたいなものである。
ただ組手と違うところはお互い本気なのは間違いないが、明らかに殺気的なものが2人をの間をうずまいていることだけである。
先に動いたのはジンだった相手が少女だからって容赦しない、ジンは体格に似合わない俊敏な動きで夜雲に詰め寄り、右ストレートを放つ。
・・・・!!!。
次の瞬間、地面に倒れていたのはジンであった。
ジン「・・・・え?」
尚矢「あれ? ジンはんどないしたん? 大丈夫かー?」
6人は地面に仰向けに倒れているジンを見ながらニヤニヤしている。
ジン「いったい何をしたってんだ? 俺がこんな小せえ嬢ちゃんに・・・・倒されるわけがねえ・・・・。」
ジンはもう一度自分が殴りっかった時のことを思い出した、右手が相手の顔に当たろうとしたとき、世界が周り、自分は地に倒れていた。
そのことがジンには全く理解出来なかった。
ジン「ほんとにわけがわからねえ、ほかの兄ちゃん達にも出来るのか?」
討魔「俺なら出来るぞ。」
守武「僕も柔道の授業で習ったー。」
剣徒「まぁ一応習いました。」
尚矢「出来るでー!」
2人の女性陣は出来ないようだった。
ジン「すまん、理解がつかん、説明してくれ・・・・。」
尚矢「いまのはなぁ、一本背負いっちゅう技で、わいらの国の15才くらいならみんな一回は使ったことある投げ技の一つや!」
討魔「特にこの技は相手の右腕一本で投げられる上、相手の進む力が強ければ強いほど投げやすい。」
剣徒「このことを僕らの国では『柔よく剛を制す』って言います。」
ジン「柔よく剛を制す・・・・か。 俺もまだまだだなぁ・・・・。 あんな組織抜けて正解だな。 見ろ、この世界にはまだ面白いことがいっぱいあるじゃねえかよ。」
尚矢「ん? 組織?」
ジン「ん? ああ、俺はもともとある組織の幹部だったんだ。」
剣徒「その組織とは!? もしかしたら僕たち知っているかもしれません!」
ジン「名前? えーっと・・・・名前は確か・・・・。」
~【アルモニア=プロドティス】~
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