第2話 静かな村の騒がしい朝
村に戻った村長と守武はまだ寝ている6人のための朝食を作り、守武は小屋に戻った。
小屋に戻ると6人とも起きていてそれぞれ着替えをしたりしていた。
真癒「あら、守武出かけてたの? てっきり寝てるかと思ってたわ。」
討魔「珍しいなお前がこんな早くに起きているなんて、今日は天地でもひっくり返るんじゃないか?」
尚矢「ほんまやな! 守武ぇ・・・・寝てる女の子にとは・・・・中々マニアックな事するなぁ!」
真癒「なんですって!? 守武!!! 死になさい!!!」
真癒が水流の剣を作りものすごい勢いで突っ込んでくる。
守武「いいいぃぃやああぁぁぁぁっ!!!」
部屋中に鈍い音が鳴り響いた。
~時はさかのぼり10分前~
守武に朝食の調理を手伝って貰ったジンは余った時間で一人くつろいでいた。
ジン「いやぁ・・・・しかしこうも早く俺の『拳』を見られちまうとはなぁ・・・・。」
そんなことを一人考えていると守武と別れてから割と時間が経っていることに気づく。
ジン「そろそろ兄ちゃん達を呼びに行くかな。」
ジンは小屋まで歩いていき、扉をノックした。
しかし返答はなく中から守武の悲鳴が聞こえてきた。
ジンは間髪入れず部屋に飛び込んだ。
ジン「どうしたぁ! だいじょうぶぅうぉっ!!??」
目の前には水流の剣を構えた狂気の少女が突っ込んできた、守武は自分の足元で腰を抜かしている。
ジン「っち!!!」
ジンはすかさず拳を構える。
刹那、鈍い音が部屋中に鳴り響いた。
真癒「・・・・え?」
ジンは右手一本で水流の剣を受け止め、打ち消した。
ジン「なんだぁ? こんな朝早くから小屋で暴れやがって!」
しかし部屋の中の空気は完全に凍っていた。
そこでジンはまたも自分の『拳』を見られたことに気付く。
ジン「あー、なんだ、若いのも分かるがはしゃぐのはそこそこにしときなよな。 じゃ。」
そういって小屋を出ようとする。
しかし何も知らない6人はそれを認めない。
尚矢「村長はん、いまの・・・・なんや?」
ジンは気にした風もなく。
ジン「なに、努力のたまものってやつだなっ! はははっ!」
剣徒「ジンさん秘密を隠せないタイプですね。」
討魔「焦ってるのがバレバレだな。 こうも分かりやすい人間って本当にいるもんなんだな。」
夜雲「・・・・ある種貴重価値。」
剣徒「話してくれますよね?」
6人の顔は笑っているが目は笑っていなかった。
ジン「っは、どっちにしろ話すつもりだったけどよぉ、まぁ先に朝食でも取ってゆっくり話そうぜ。」
守武「僕の誤解も晴らしてください。」
ジンは状況的に守武が勘違いで襲われたと理解した。
ジン「守武の兄ちゃんは朝からお前らの分の朝食作りを手伝ってくれてたんだ、決してやましいことはしてねえぜ。」
それを聞いた6人は疑問の表情に変わる。
6人は同じことを考えていた。
(守武がそんな早くから起きて朝食のお手伝い?)
守武はさらに自分の言動が怪しまれてるのを感じまた騒ぎ出す。
守武「なんで信じてくれないんだよ! 人間たまには朝早く目が覚めることだってあるだろ!」
6人はそれを聞いて(まぁそれもそうか。)と納得する。
真癒「守武・・・・その、ごめんなさい、私の早とちりだったみたいね。」
守武「おほぉ・・・・いつもツンツンしてる真癒が謝るなんて・・・・!」
真癒「わっ、私だって悪いことしたときくらい謝るわよっ!!!」
真癒「元はと言えば尚矢が紛らわしいこと言うからじゃないの!!!」
尚矢「まぁそやけどやなぁ・・・・守武の話を聞かんかったんは真癒やしなぁ・・・・。」
真癒「なんで素直に謝らないのよ!!!」
そこからまた2人でギャーギャー騒いでるのを笑顔で眺めていたジンは時間を思い出す。
ジン「まぁまぁ! 誤解は晴れたんだしさっさと飯食わねえと冷めちまうぞ!?」
その言葉で6人は静まり、着替えを始めた。
ジン「じゃあ俺は守武と先に家に行って準備しとくから、着替えが済んだらさっさとこいよ?」
「「「「「「はーい」」」」」」
イーストベルタ村の1日目が始まった。
2話目投稿!
前は更新に追われ焦って無理に書きすぎてました。
これからはゆっくり書きたいと思いますw