第8話 7人の罠
闘技場に入ると受付のようなところで2人の女性が客の相手をしている。
色んな男達が今日倍率の高い相手は誰だとか、弱くて金額の高い相手は誰だとかを、受付嬢に聞いている。
尚矢「なぁ・・・・ここ観客席へ向かえなさそうなんやけど・・・・。」
討魔「そうだな、これは多分選手のほうの入り口だろうな。」
すると大柄な男が近づいてきた。
男「おぅおぅ若い兄ちゃん達ぃ、ここは子供が来るとこじゃねえぜぇ? 闘技場だぁ、人が殺しあうんだぜ?」
尚矢「どっかで見た絡まれ方やなぁ・・・・。」
剣徒「あのぉ、入り口を間違えたんでよかったら観客席への行き方を教えてくれませんか?」
男「観客席だぁ? 舐めたこと言っちゃいけねえぜ!!! ここに来たからにはか弱い兄ちゃん達に頑張ってもらわねえとなぁ!!!」
剣徒「ええ・・・・僕・・・・剣も握ったことないのに・・・・。」
その言葉で守武以外の5人は剣徒が何をたくらんでいるか悟った。
この6人はなんだかんだで似たもの同士なのであった。
尚矢「そ・・・・そうですぜ兄さん・・・・わいら田舎から出てきたばっかりで右も左もわからんのですわぁ・・・・。」
男「そうかぁ、それはちょうどいい! ここで戦って勝ったらお金が手に入るんだぜぇ?」
討魔「それは・・・・本当ですかっ!!!」
もはやキャラ崩壊である。
尚矢「どうする・・・・? 女もおるけど・・・・大丈夫か?」
真癒「お・・・・お金のためなら仕方ないわね・・・・。」
男「話が分かるじゃねえかぁ! じゃあさっさと手続きしちまいな!」
剣徒「あのぉ・・・・よくわからないんですけど・・・・。 一体なにをすれば・・・・?」
男「出てきた相手を倒せばいいだけだよ! 武器でもスキルでもなんでもありだぜ!」
剣徒「わかりました・・・・。」
男「っち、なんも知らねぇなら俺が変わりに手続きしてきてやるよ。」
そういって男は去っていった。
尚矢「剣徒も考えること鬼畜やなぁ!」
剣徒「これのほうが楽しいでしょう!」
守武「え? え? なんのこと?」
真癒「え? いままで気付かなかったの!?」
守武「知らないよぉ・・・・。 何の事か分からなかったからとりあえず黙ってたんだよぉ・・・・。」
そんなことを言っていると男が近づいてくる。
剣徒「とりあえず、守武さんは黙っててくださいっ!」
男が戻ってきた。
男「おう! お前ら、可哀想だから俺達小さな傭兵団やってんだが、俺達が相手してやるよ! 殺しはしねえよ!」
剣徒「ほっほんとですかっ! ありがとうございます!」
男「おうよ、こっちは5人でいいから、お前らはなんか武器でも借りて来たらいいぜ!」
武器を借りるとこまで丁寧に教えてくれて、男は大股で去っていった。
尚矢「で? どうすんねん?」
剣徒「まぁ、前半ちょっと防戦一方になってですね、負けそうになった時に・・・・。」
その作戦は10分間ほど入念に行われた。
作戦がまとまって7人は受付嬢に武器を借りに行った。
受付嬢「なににしますか? 刀剣から鈍器、槍などなんでもありますが。」
尚矢「ええと・・・・誰でも扱える剣を7本頼んます。」
すると受付嬢は本当にファンタジーの主人公が使っていそうな鉄の剣を7本出してくる。
受付嬢「これでよろしいでしょうか?」
尚矢「ああ、ありがとさん!」
そう言って7人は立ち去ろうとする。
受付嬢はさきほどのやりとりを見ていたのでさすがに心配になったのか。
受付嬢「あのぉ、防具はよろしいのでしょうか? さすがに剣だけでは厳しいと思いますが・・・・。」
すると尚矢だけが振り返り、にっこりと笑って。
尚矢「大丈夫ですわ。」
そういって手をフリフリする。
受付嬢はキザだと思いつつ、半身本当に大丈夫かと思いながら他の客の相手を始めた。
尚矢「まぁ装備はこれでええやろ。 あとは時間まで待つか!」
しばらく話をしながら待っていると男がやってきた。
男「おう、そろそろ時間だぜぇ? 早く闘技場の入り口に行きな!」
入り口は二箇所ある、西側ゲートと東側ゲートに分かれていて、7人は東側ゲートだと教えられていた。
7人は東側ゲートに立った。
大きな扉が開き、何千人という観客が耳をつんざくような声で叫んでいる。
『ガキがこんなとこ出てくんじゃねぇ!!!』とか『ガキなんてさっさとやっちまえぇ!!!』とか叫んでいる。
尚矢「えらい舐められてるなぁ・・・・。」
剣徒「まぁ仕方ないですよ。」
討魔「まぁこれもあと少しの我慢だろう。」
守武「よく聞けば楽しいこと考えるねぇ。 わくわくするよ。」
優菜「緊張します。」
真癒「いいわねぇ・・・・。 きっと気持ちいいわ。」
夜雲「・・・・・楽しみ。」
7人は前に進み始めた。
いやぁ、怖い話きらい!
こわいおーこわいおー。
更新です!
ついに40部だ!
これからもがんばります!
評価等もよろしくです><