第4話 元いた世界とこっちの世界
~時間は守武達が急いで門に向かい始めるまでさかのぼる~
フェルネウス「貴様が麒麟か、貴様の力が欲しい、我らに同行してもらうぞ。」
『もう愚かな人間がやってくる時期になったか・・・・。』
『しかし貴様らはいままで来たガキ共とは言い分が違うようだな。』
フェルネウス「貴様の言う人間はここに試練とやらに来る力の無いスキルマスターだろう、我々は違う、私と来てもらう。」
『来てもらう? 聞き間違いだろうか、一体誰に向かって言っているのかな?』
フェルネウス「貴様以外に誰がいると言う、我は戯言は嫌いだ聞かないのであれば力を行使するまで。」
そういってフェルネウスは右手を突き出す、その瞬間爆音が鳴り麒麟の足から鮮血が吹き出る・・・・。
『っち・・・・やっかいな力を持ちよって・・・・それは外界の「兵器」だな、稲妻のようなスピードを誇り、それに比例した威力を持つ・・・・。』
『まぁ・・・・我がここで倒れるのは定め、その代わり試練の役目は引き継がれるであろう・・・・。』
フェルネウス「どういうことだ?」
『急がなくともすぐ分かる。』
~7人サイド~
剣徒「なぜダイナマイトがこの世界にあるのか、この奥に行けば分かるでしょう・・・・。」
尚矢「そうやな、いこか。」
直後奥の広い空間で銃声がこだました・・・・。
討魔「銃まであるのか、これはもはや確定だな。」
守武「そうだね。」
オプスキュリア「なんのこっちゃわからねぇ! 説明しやがれ! だいなまいとってなんだ!」
守武「この「試練」が終わったら話すよ。」
剣徒「でも敵も一人じゃないでしょうね。」
7人は集中する、敵は7人、そのうちひときわ強い気を発する者が一人、それ以外は下っ端と思えた、そしてその気は、道中7人を襲った9人と同じ気であった。
尚矢「じゃあ挨拶代わりに一発ダイナマイトでこの邪魔な瓦礫を吹っ飛ばして堂々登場と行きますか!!!」
討魔「ならいい作戦がある、少しみんな耳を貸せ。」
~フェルネウスサイド~
突如聞きなれた爆発音と供に後ろで道を塞いでいた瓦礫が吹っ飛んだ。
フェルネウス「なっ!!!」
同時に二本の光る剣を持った影が疾風の如く駆け抜ける。
一瞬の出来事で混乱していた下っ端2人が瞬時に切り裂かれる。
息着く間も無く強力な火、水、氷、風、闇、聖のスキルが残りの4人も打ち倒し、フェルネウスの喉元に二本の剣が突きつけられた。
尚矢「いやぁ! あっぱれやな剣徒!!!」
どうやら自分に剣を突きつけているのは剣徒と言う名らしい。
討魔「さすが、小さなころから暗殺を中心とした双剣技を叩き込まれただけあるな。」
フェルネウス「何のマネだ? 2属のスキルマスター共。」
尚矢「喉元に剣突きつけられてその言い草は無いんちゃうの? もっとこう脅えてくれな!」
フェルネウス「私が脅える? 奢るなよ2属のマスター共、下っ端レベルは倒せても我を欺けるなど5億年ほど早いわ。」
フェルネウス「そもそも剣徒とやら、貴様さっきから何に剣を突きつけている?」
その言葉と供に剣徒が剣を突きつけていた「物」が煙のように揺らぎ、消える。
剣徒「なっ!!!」
剣徒はすぐにその場を離れ、6人の元へ合流する。
フェルネウス「我が名はフェルネウス、とある組織の幹部を務めている。 属石はヴィジョニングライト 幻影門 以後、お見知りおきを。」
そういい、わざとらしい礼をする。
オプスキュリア「幻影門だと!? それは封印された属石を司る禁断門じゃねえか! その血の流れるものはこの世から消されたはずだ!!!」
フェルネウス「この気・・・・強き闇の力・・・・これは精霊の声か? 確かに幻影門は禁断門と恐れられこの世からその存在を無いものとされてきた。」
フェルネウス「しかし、そのような門を発見し、この世界に復活させるのも我々組織の計画の一つ・・・・。」
フェルネウス「おっと、少し口が過ぎてしまったかな・・・・。 我の用は済んだ、帰らせてもらうぞ。」
尚矢「まて! なんでお前が俺達の元いた世界にある銃やダイナマイトを持ってるんや!!!」
フェルネウス「銃? ダイナマイト? 貴様らの世界? ・・・・・・・・。」
フェルネウス「フフフ・・・・フハハハハハハハ!!! 面白い、そういう事か! ならばまたすぐにでも出会えるときがくるだろう!」
フェルネウス「貴様らは知らねばならない、既に動き出した歯車がもう取り返しのつかないところまで来ている事をな。」
そういって地面に転がっている「物」を肩に担ぐ。
尚矢「おい! それは麒麟やろ! どうするつもりや!」
フェルネウス「本当に我らのことは何も聞かされてないのか? 愚かなものだな。 自分に与えられた任務も遂行できず質問攻めとは。」
そういわれ7人は教官殿の言葉と任務を思い出す。
~教官殿「いまこの世界ではこの世に散らばる伝説の魔獣を閉じ込めた90の門と未確認の門が9つある、いまその門を破壊し魔獣を従え世界を牛耳ろうとするやからの動きが活発化している。」~
~教官殿「今回の任務は『奴ら』の討伐、及び【麒麟】の保護だ、万が一逃げられた場合一旦戻って来い。」~
尚矢「おぉ・・・忘れてた、よっしほな本領発揮や! 幻だかなんだか知らんけどそんなスキルわいらの2属石に比べたらちょちょいのちょいやで!!!」
【クリスタル=バニッシャー】
水晶の槍が四方八方からフェルネウスの体を貫く。
しかしフェルネウスの体は煙のように掻き消え、その場から忽然といなくなっていた。
尚矢「どこいった!?」
広い部屋にフェルネウスの声だけがこだまする。
フェルネウス「フフフ・・・・そう焦るな若きスキルマスターよ、我らが合間見える日もそう遠くはない・・・・。」
フェルネウス「それまでに少しでも力をつける事だな。 フハハハハハハハハハ!!!」
フェルネウスのいた場所には麒麟から流れたまだ暖かい鮮血が溜っているだけであった・・・・。
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