第4話 【水の門】 ~最深部~
とても長い階段であった。
もう降り始めて5分ほどは経つ。
さらに3分ほど降りると下のほうにほのかな明かりが見えた。
尚矢「やっとゴールが見えたぁ~・・・。 ったくどんだけ長い階段やねん!!!」
剣徒「確かに長すぎますね・・・。」
ウンディーネ「この階段を下りたら水龍がいるはず。」
尚矢「水の試練って、また龍と戦うことになるんか?」
ウンディーネ「いえ、水龍は戦いを望まない。 我々の戦の試練はガラハッド卿までだ。」
尚矢「じゃあなにすんねん?」
ウンディーネ「水龍に水の洗礼をしてもらう。 たったそれだけだ。」
剣徒「試練にもいろいろあるんですね・・・・。」
ウンディーネ「この世界は腕っ節だけで生きてゆけるほど甘くはないと言うことだ。」
そうこう話しているうちに階段を抜けた。
そこは大きな廊下だった。 50メートルほど先に巨大な扉がある。
バーニングドラグーンの時と同様、大量の鎖で封じ込められている。
7人は門の前に立った・・・・。
『来たか・・・・。』
『懐かしい友もいるようだな・・・・。』
『まぁ入るがいい。 話は中でゆっくりと・・・・。』
澄んだ、透き通るような声だった。
扉の鎖が解き放たれ、扉が開いた・・・・。
バーニングドラグーンの時の用に暗くは無く、中は水晶の宮殿のような広い空間だった。
その先に、とても綺麗な水色の肌を持った龍が鎮座していた・・・。
『ようこそ【水の門】へ・・・。』
『我が名はこの門を守りし龍、アクアラグーン』
『この門を守護するものなり。』
ウンディーネ「久しいな、アクアラグーン。」
『ウンディーネか。 そいつらが今世紀の選ばれし者達か?』
ウンディーネ「ああそうだ。 しかし異世界から飛ばされたらしい。」
『筋はいいのか?』
ウンディーネ「ああ、こちらの同世代の者が契約してもこうすぐにはスキルを使いこなせん。」
『バーニングドラグーンがやられたと聞いたが。』
ウンディーネ「私が顕現する前にオプスキュリアが顕現している・・・・。」
『ほう・・・奴か。 性懲りも無くこの世界を牛耳ろうと言うのか。』
ウンディーネ「そうでも無いらしい。 珍しく契約するつもりらしい。」
『どういう風の吹き回しだ? 煉獄で聖人の垢でも飲まされたか。』
ウンディーネ「まあ何かたくらんでいるとしても他の5人もいずれ顕現する・・・・。」
ウンディーネ「いくら奴と言えど顕現した6人相手にはさすがに無理がありすぎる。」
『そうだな。 では本題に移るとしようか・・・・。』
『さっさと詔をしろ。 私とて貴様らの相手を長々するほど暇ではないのだ。』
ウンディーネ「よく言うわ・・・。 相変わらずだな水龍よ・・・。」
そういってウンディーネは跪く。
~我ら第一の試練を乗り越え第二の試練を受けし者なり~
~いま守護者たる水龍の洗礼を受けるべくここに参った~
~水龍よ、その溢れんばかりの力を持って我らに水の洗礼を~
水龍の口からキラキラ光る息が吐き出される・・・。
その息が7人の体を取り巻く・・・。
尚矢「なんやこれ・・・すごく・・・気持ちええで・・・。」
剣徒「心が洗われるようです・・・。」
優菜「とっても気持ちいいですぅ~///」
討魔「ほう・・・これは・・・。」
夜雲「・・・・・・。」
『さぁ、これで洗礼は終わりだ。』
『さっさと次の試練へ向かうがよ・・・・ん?』
ウンディーネ「なんだ? どうかしたのか水龍よ。」
『やつはなんだ・・・・この気配・・・・まさか・・・・。』
みると守武の様子がおかしい。
なにやらぶつぶつ呟いているように見える・・・。
守武「・・・ぜぇ・・・・。」
尚矢「なんや? どうかしたんか守武??」
守武「うぜぇ・・・うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇってんだよおおぉぉぉぉ!!!!!」
守武「俺は洗礼とかそういうのが大嫌いなんだよぉ!!! 殺す気か!? 水龍ううぅぅぅぅ!!!」
『貴様・・・・オプスキュリアか・・・・。』
ウンディーネ「さすがに一度顕現したら本体の感じたことがそのまま感じるようだな。」
剣徒「これが・・・守武さん・・・?」
優菜「怖いですぅ・・・。」
夜雲「・・・・・・邪悪。」
尚矢「おい守武!!! 正気を取り戻せや!!!」
『何が狙いだ? オプスキュリア・・・・。 その男に顕現して何とする・・・・?』
オプスキュリア「この男は自分が一番であることを望んだ・・・・。 我はそれに賛同する。」
オプスキュリア「だから俺はこの男を乗っ取り世界を滅亡へ導くのだ!!!」
ウンディーネ「ほらな? 水龍よ、やつはなにも懲りていなかった。」
オプスキュリア「黙って死ねやあああぁぁぁぁ!!!!!」
オプスキュリアが漆黒の槍をウンディーネと水龍に向かって機関銃のように放つ・・・・。
ウンディーネ「小ざかしい・・・・。」
ウンディーネは水龍と自分の周りに水の結界を張りその結界に触れた漆黒の槍は消えていく。
ウンディーネはすかさず攻撃に転じた。
【アクア=カットラス】水の剣を造り出し守武に切り掛かった。
オプスキュリア「私に接近戦? いい度胸だなぁウンディーネ・・・・。」
水の剣から激しい剣戟が繰り出される。
全ては命中、しかし守武の体は煙のようになるばかりでダメージは見受けられない。
ウンディーネは気づいた、自分は包囲されたことに・・・。
オプスキュリアが自分の周りに8人立っていた。
それぞれ漆黒の双剣を持っていた。
ウンディーネ「っち。 まずいことになった。 しかし貴様の弱点は知っている!!!」
ウンディーネは水の波動を放った。 この波動でオプスキュリア本体がどれか体で感じることが出来る。
ウンディーネ「そこだぁ!!!」
一体のオプスキュリアに水の剣を飛ばした。
しかし・・・・。
そこにあったのは偽者だった。
オプスキュリア「私が煉獄に落とされて今の今まで大人しくしていたと思うのか?」
オプスキュリア「甘い!!! 甘いぞウンディイネェエ!!! これだから三下の精霊は雑魚なんだよおぉぉ!!!」
オプスキュリア「いいだろう・・・・死ね・・・・。」
怒涛の展開ですな♪
自分で書いてて次の話を考えるのがとても楽しい今日この頃ですwww
また次も頑張ってかきまあす!