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【Gate】~若き門番達の物語~  作者: 剣狐
~交錯の章~
100/102

第14話 伝説前夜

お待たせしました、GATE執筆開始から早数年、この話が記念100部になります。

伝説前夜、お楽しみください。

穀物庫に隠れた住民たちは激闘の地響きや、何かの壊れる轟音を三日三晩聴き続けた。


4日目の朝、目覚めた住民たちは街が静まり返っている事に気付いた。


恐る恐る穀物庫から出で、広場の方へ行くと。


巨大な黒い大蛇と、男が討伐した水龍の2倍はある巨大な水龍が亡骸となって横たわっていた。


そして、付近にはもう男の姿は無く、彼が持っていた『剣』が広場の真ん中に突き立っていたと言う。


街の住民たちはかの男を英雄と称え、彼の使った『剣』を、スキルマスター達に厳重に錆止め等の固定処理を施してもらい、英雄譚を剣と共に語り継いだ。


「ふぅーん、これがクルスの伝承ねぇ。」


闇夜に、澄んだ、綺麗な声が響く。


「さぁ、明日は待ちに待った重月の夜だ!」


「物語の舞台はクルス、題材は伝説、なんとも甘美なシチュエーションだ!」


「待ちに待ったクルスでの武闘会、存分に楽しもう!」


〜同時刻、いつもの7人〜


7人はGSMGの食堂の一角で、夕食を取りながら任務について話していた。


討魔「しかし、配置が妙だな。

どう考えても他の拠点に割いている人数が多い、北はこの7人と、王都の数名の傭兵団だけとは。」


7人は北が最重要地点とは伝えられていない、裏で暗躍するドミニオンズからの指令は、一大作戦の指揮官ですら知る事はない。


剣徒「確かに、街を円で囲むように東西南北にふわっと配置したとしても、北だけ人数が他の3割程とは・・・。」


尚矢「なんやきな臭くなって来たなぁ、怪しさプンプンやで!」


真癒「北は襲撃の可能性が低いとかかしら?」


優菜「その可能性はありますねー、私達新入りですし!」


夜雲「それはない。 北の配置発表時の指揮官は疑問の表情を浮かべた、つまり北が重要地点である可能性が高く、なぜか私達7人が選ばれた。」


ネブラ達との戦いに消耗し、寝込んでいた守武は会議から帰ってくると既に食事を取り、ケロッとしていた。


守武「まぁ、いんじゃね? もし奴らが来るんなら根こそぎ殺っちまおう!!」


『そうだそうだ! なにが来ようとそれが敵ならぶっ殺しゃあいいだけだ! 特に、霧の野郎が来るといいなぁ、守武!』


尚矢「そーいや、守武が戦ったっていうその、霧?っての、なんなんや?

お前があそこまで疲労で寝込むなんてどんな相手なんや?」


『その事なら俺が話してやろう。』


『霧、つまりネブラは霧の森、ネーヴェルヴァルドにある霧の門の守護者の従者で、今は何故かこの付近にいる。』


さらっとこの世で発見されていない9門の内の1つの名が出たが7人は霧の門が未開の門だとは知らない。


『しかし精霊は誰かと契約しねえ限り門の守護者が支配する領域から出ることは出来ねぇ、しかしネブラの野郎は門の領域外にいる、この意味、分かるよな?』


真癒「つまり、霧の精霊は守武と同じように、誰かと契約した?」


『その通り、しかし事はそんな簡単な事じゃねぇんだ、てめぇらは俺がいて、守武が契約者だから普通に感じるかもしれねぇが、精霊使いなんてもんはこう日常的にぽんぽん現れるもんじゃねえ、歴史的に見ても極めて稀有だってこった。』


守武「今日はよく喋るなぁ、でもあいつ、ちゃんと精霊開放使えてたよな?

それってすげえこと?」


尚矢「精霊開放って、ジンはんがめーーーっちゃ難しいって言うてたやつやんけ!

あの教官殿を追い詰めるほどの力やで!」


『そうだなぁ、確かに精霊と契約するやつは100年に1人くらいいるが、精霊開放を会得している奴を最後に見たのは1,000年前くらいになるかなぁー。』


剣徒「せ、千年に1人がこのクルスに2人!?

なんだかスケールの大きな話になりつつありますね。」


討魔「まぁ、もしその精霊使いが襲撃に加わるようなら問答無用で守武の出番だ、守武以外もただじゃ済まないだろう、今日はしっかりと休んで明日に控えよう。」


他の6人も、まぁそうだなと、各々部屋へと帰って行った。


〜秋水&ネブラは・・・〜


秋水「いや、あっさり仕事決まったねぇー!

思ったより楽だったわ、指揮官?いい人だったし。」


『いや、あいつ完全にお前の事ヤる気だったぞ。』


秋水「じゃあなんで合格になったんだ?」


『そうだなぁ、あいつかなり悪知恵が回りそうだったし、お前の事を見届け人とでも勘違いしたんじゃね?』


秋水「見届け人?」


『任務がどうしようも無くなって、失敗に終わるかも知れない時に出てくる一騎当千の裏の掃除人よ、大体はスキルマスターの特殊部隊から1人は派遣される、まあ、あの指揮官は噂程度でしか知らないだろうが、上手いことそれだと思ってくれたってこったろ。』


秋水「じゃあ最初からその一騎当千の掃除人がなんとかすりゃいいんじゃないの?」


『そんなことしてたら腕利きのスキルマスターだけ任務に就くことになるだろ?

じゃあ並のスキルマスターは仕事が減って、社会ってもんが回らなくなっちまうんだよ、それに、一騎当千の掃除人なんてそうぽんぽん生まれるもんじゃねぇ、今だって、10人もいないだろーよ。』


秋水「そうかぁ、なんか、どの世界にいても生活とか、営みとか、社会とか、なんも変わらないんだな。」


『んまあ、そんなこったね。』


『さぁて、おめえもそろそろ寝たらどうだ?

明日はこの世界で初めての仕事だろ?』


秋水「この世界に限らず、人生で初めての仕事だ!

存分に暴れような?ネブラ!」


『おーよ相棒!!

こんどこそオプスの野郎と決着をつけてやる!!』


様々な偶然から同じ土地、クルスへ集いし8人の地球人と手練れの使い手。


永き時を超えし新たな『伝説』が始まる。


どうも、剣狐です。

この話は交錯の章、第14話ですが、全ての章を通しての記念100話でもあります(*゜▽゜*)

これまで読んでいただいていた皆様のおかげで、なんとかここまできました。


正直、ここまで続くとは思ってなかったですし、最近は更新頻度も本当に落ちて、ご迷惑をおかけしていると思います。


でも、この話だけは、絶対に手を抜きたくない、自分が納得出来る記念100話を書いて皆様にお届けしたいと思い、結果、半年越しの更新となります。

まじすいません笑


こんなGATEですが、総アクセス51.746、総ユニーク11.351と、非常に多くの方の目に触れて頂き、本当に感無量です。

これからも、はじめからの公約通り、死ぬまでには完結を目指して執筆を続けて参ります、これからもどうかよろしくお願い致します!

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