鹿苑で恥を知る2
武上さんに蹴られたことは置いといて、俺はひたすらに女物の制服を着て土下座を続ける。
続いて来たのは学年三位の“学舎の神童“こと凰牙學先輩だ。彼の知能を持ってしてもこの状況を理解することは難しいだろう。
そう思っていたが、さすが神童、凰牙先輩はこの中で一番正しい選択肢を行使してきた。
そう、スルーである。しかし凰牙先輩。まだまだ爪が甘いですよ。俺のことなんか気にしてないと言わんばかりに本を読み始めるが、チラチラこちらの様子を伺っているのが丸わかりですぞ。
次は愛莉だったが、こちらも当然のようにスルー。学年五位の成績は伊達じゃないね。
残すは2人、この足音からするに2人とも一緒にきているのだろう。俺は実に運がいい。あの赤髪だけならまだしも、隣にあの青髪がいてくれたのならきっと笑い飛ばしてくれるだろう。さあ、この扉を開けるがぁよい。
「悪い。遅くなった」
そう言いながら学年一位の天才“一番星“不知火明石が入ってくる。俺を見て今にも爆発しそうなほど怒り心頭だが、この後にオアシスがあることを俺は知っている。さあ、本当の女神よ入って来てくれ、、、
そう願っていたが無情にも俺の目の前には60代ほどのスーツを着た男、この学院の院長である黒部内戸がいた。
「こ、これはどういうことなのかな?」
黒部がそう他の七光に問うと、村主さんが
「きょ、今日の朝の会議に出れない上、遅刻してしまったことに対する謝罪の意だそうです」
村主さん、、、、、でもあとは明石さんの説教を耐えれば、、、
「言い訳はどうでもいいから早く席に座れ」
俺の耳が悪くなったのだろうか。しね、クズ、ゴミどれも聞き取れなかったように思える。
え、もしかしてなんか許された感じすか
「ゆ、許してくれたというこ、、」
「そんなわけないだろ」
「ですよねーー笑」
「院長の前だからな、説教は今じゃなくてあとでだ。全員揃ったようだしこれから鹿苑七光委員会の会議を始める」
全員?後ろを振り返るとそこには学年二位の如月青菜、通称“嵐の巫女“が立っていた。俺の姿を見たからなのか、今にも破裂してしまいそうなほどに頬を膨らましている。
如月先輩が俺の隣に座ったことで、ようやく会議が始まった。
「今回は何について話し合うのかな?院長先生もいるみたいだし、いつもとは違うことなんでしょ」
そう村主さんが尋ねる
「ああ、そうだな、、」
そう明石さんは何かを言い淀むと、深く息を吸って話し始める
「単刀直入に言おう。現時点での王が危篤状態に陥ったとの情報が回ってきた」
「「「「 !!!!!! 」」」」
全員が驚くのも無理はない。何せもし今年中に王が死んでしまったのなら
「今年で勝負が決まる可能性があるということを言いたいのね」
武上さんがそう淡々と発言する。
「ああ、そして現時点での他校とのポイント差を見てほしい」
そして明石さんはスクリーンに3つの高校とそれぞれのポイントを表示させた。
鹿苑学院 106000pt
玉羊学校 112000pt
皇兎学園 112000pt
まあ、これだけ見てもあまりわからないだろう。説明すると、一年に得られるptの合計は3校合わせて1万pt。
つまり、この戦いはこの校長になってから33年間続いているということだ。
なお、現在一位との差が6000pt、ということを考えると、
「対外戦において一回でも負ければ勝ちの望みは薄くなるということだ」
そう、もし今年で決まるのだと仮定すれば今の状況は絶望的。だが、望みがないわけではない。全員が息を呑む中、如月先輩が
「全部勝てばいいだけじゃん。何、それとも一つでも落としていいと思ってる奴がこの中にいるわけ?」
伸びをしながらそういうと、会議室がシーンとなる
「んね。そんなやつはここにもこの学院にもいない。やること自体は何も変わらない」
「ああ、そうだな。ただ、少しでもいいから頭に入れておいてくれ。俺たちがこの代の最後かもしれないということを」
色々あったがこれで会議は終了。そそくさと流れるように帰宅しようとしたが、やはり説教は免れられないらしく、明石さんに呼び止められてしまった。もう覚悟を決めるしかなさそう、、、




