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空白の玉座  作者: 齊藤壮平


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鹿苑でのトーク2

前の人の順番が終わり、会場の中央に鎮座する5人の前にある壇上に1人の女が歩いてきた。


「あかりちゃん。がんばれ!」

シルアが画面越しにそう応援する。俺も素直に応援したいところだが、本当にあの商品、いやあの物体で勝負を仕掛けるのか?いや、仕掛けるだろうな。俺の妹なのだから


タイマーが開始し、あかりのスピーチの時間が始まった

「えー。ゴホン。ようこそいらっしゃいました。西条あかりのオークション会場へ。」

明るい声であかりは話し始める。最初の印象は今までの誰よりも良さそうだ。勝負はここからだぞ


「私が今回紹介させていただき商品はこちらです」


そう言って掲げるあいつの右手には何やらピンク色の布のようなものが。布にしては素材が薄く、縫い目も粗い。

そう、パンツである。もちろん審査員たちは、何が起きたかわからないようだ。会場もどよめき始め、シルアはあちゃーと言いながら額に手を当てていた。女性2人の評価を捨て、男のニーズが高いものを選択したのがどう出るかだな。


「えーこれは先ほどまで私が履いていたパンツでございます。」

そういうとあかりは壇上から降りて、審査員たちの元へ。


「ねえ、審査員さん。触ってみたいですよね。まだほのかに暖かいんですこれ。」

審査員の前に針のついた餌をぶら下げているかのようにパンツを右に左に揺らし始める。ごくっと唾を飲んだ後に1人の男がそのパンツに手を伸ばすと


「このパンツが欲しいなら、買ってもらわないとな〜〜。あっでも急がないと冷え切ったパンツになっちゃうよ。それでいいのかな〜〜」


急いで買わないと価値が薄れることを危惧させて焦燥感を募るつもりか。

それでも審査員たちはなんとか理性を保ちギリギリのところで踏みとどまるがあかりはさらに追い打ちをかける。


「はてもうこんな機会あるのかな?JKの脱ぎたてパンツを獲得するチャンスなんて。ここは国の機関だからここでの出来事は口外禁止だし、バレて損することはないんじゃないかな」


残り時間は20秒を切った。あともうひと押しってところだろう


するとあかりはポケットから何かを取り出した。


「一番高い金額で買ってくれた人にはこれもつけちゃおうかな!」

それは女性の胸を支えるために存在するもの。そう、ブラジャーだ。


制限時間終了のブザーがなると同時に審査員たち(男子3人)が一斉に叫び始める


「1万5千!!」

「2万!!」

「5万!!」

「10万!!」

女性2人の冷ややかな視線など無視してどんどんと値段が釣り上がっていく。


「100万!!」

大手販売会社のアイデア部門長がそう言ったところで他の2人は食い下がり、100万円でパンツとブラが落札された。うん。クソくだらねえ。

そう思いつつも俺は心のどこかで西条あかりという存在に少しばかりか感心していた。

落札した商品は実際に審査員たちの手元に渡るようになっている。その代わりに、審査員たちの所属する会社の名前の使用や、広告の権利の一部を金額分だけ認めるというふうになっている。黒部内戸という王を作るために。


現在順位 一位 西条あかり

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