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空白の玉座  作者: 齊藤壮平


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玉座争奪戦

「汐恩〜〜〜、早くいかないと遅れちゃうよ〜〜」

ある女子が長くて青い髪を揺らしてこちらに手を振ってくる

「わかった。いま行く」

そう返事をして俺は西条あかり、俺の妹と一緒に大講堂に向かうことに。



大講堂に着くとそこには多くの生徒が前3分の1ほどを開けて着席していた。どうやら俺らが最後の生徒だったらしく、座り次第照明が消され静寂が講堂を包んだ。すると前に1人の女が立ち、式の開会の宣言をし始めた。


「新入生の諸君を拍手で迎えましょう」

その女がそういうとパチパチパチと拍手の音とともに扉が開いて100余名の生徒たちが入ってくる。その表情はなれない場所での生活の緊張、自分の方が他人より優っていると言わんばかりの優越感、などの様々な表情を読み取ることができる。


全ての新入生が着席し終わったと同時に拍手が鳴り止み、1席に1つある小さなスクリーンに電源が入り、1人の60代ほどの男の顔が出てくる。


「新入生の諸君。ようこそ国家直営鹿苑学院へ。私はこの学校の校長を務めている黒部内戸という。早速だが、この学校の説明に入る、、と行っても多くの生徒がすでに知っているだろうが、ここで一つ話をさせてくれ」

そう切り出したその男はこの学院ができた経緯について話し始めた。


昔のこの国の王様は次の王を決めるのが自分の指示であっては面白くないと言い出し、有力候補の3人にそれぞれ学校の校長となるように指示を出した。そして、定期的にその3校を戦わせて、その結果に応じてポイントを与えるという。王が死んでから最初の1月を一番多いポイントで迎えた学校の校長が春からの王になれる。王が決まり次第、ポイントはリセットされ、候補者3人が校長に着き、同じことが繰り返され続ける。


まあ、ざっとこんな感じだ。もちろん、その3つの学校の一つが鹿苑である。そして、俺らはこのスクリーンに映っている男の手駒でしかないということ。また、もう一つ言えることがあるとすれば、ここにいる人間は黒部が王になって欲しいと望むものが多いということだ。少しでも黒部が王になれる手助けをしたいとかそういうつもりでこの学校に入ったのだろう。ちなみに俺はそんなつもりは毛頭ない。むしろ目の前の男を毛嫌いしているまである。


「鹿苑の生徒たちよ、全力で戦い、全力で学びなさい。私もできる限りのことはするつもりですが、最後の瞬間を決めるのはあなたたちです。私を玉座へと連れて行ってくれ。」

なんたる他力本願。正直本当に嫌いだこの男は。でもなんであたりがこんな歓声に包まれているのかを俺は知っている。王の候補者に選ばれるだけあって、この男のカリスマ性というのは嫌という程感じさせられるのだから。

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