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第二篇
ここに来て、少し時間が経ちました。
部屋は誰かの帰りを待つように、来た時のままの姿です。
まるで、ここだけ時間が切り取られた様な、不思議な空気が流れています。
貴方は今日も来てくれました。
流れる雫はいつの間にか、その量を減らしていきました。
空は生憎の雨模様。
貴方は頬杖を突きながら、ゆっくり目を瞬かせます。
僕も貴方の見る方向に、そっと視線を移します。
窓に当たった雨粒が、右往左往と流れます。
スン、と一度音がしました。
音の方向に目を向けます。
貴方は二つの眼から、静かに雫を溢れさせ、手の甲で拭っています。
僕は驚き、探しました。
……何を?
僕は何もできません。
励ますことも、差し伸べる事も、拭う事すらできないのに。
僕は何を探そうとしたのでしょうか。
ただ一つ思う事は、雫が地面に染み込んでいくほど強く、
貴方に何かをしてあげたいと。
僕はそう思ったのです。




