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転移魔法の解析

私とヒナは執務室に戻ってきた。


「飢餓、兵站、世継ぎ争い、兵力。

とりあえず当面の作戦は出たと思うがどうだろうか」

と私は尋ねた。


「そう思います。しかし、あまりにもあっけなすぎて、躊躇しています」

とヒナは答えた。


「まぁそんなものだ。あと必要なのはなにか?」

と私は尋ねた。


「色々と問題は山積みしていますが……」

とヒナは答えた。


「今までに解決した問題に比べれば、たいしたことではないのでは?」

と私は尋ねた。


「そう思います」

とヒナは答えた。


「では、今後の進行に関しては、ヒナに一任する。

なにか質問は?」

と私は尋ねた。


「ご信頼頂けるのは光栄ですが、自信がありません」

とヒナはうつむいた。


「それは当然だ。

コツを教える。

・簡単な問題から始める。

・一つずつ片付ける。

・人を徹底的に使う。

この3つだ」

と私は答えた。


「詳しくお願いします」

とヒナは答えた。


「まず、大きな問題や困難な問題は、単独であるわけではない。いくつかの問題の集合体が大きな問題なのだ。例えばどんな事があるか、考えてみて欲しい」

と私は言った。


「飢餓の問題は天候だと思っていましたが、実は水の保持力の問題だった。勇者殿は、それを見抜き、穴を掘るという単純な方法で、水の保持力を解決されました」

とヒナは答えた。


「そうです。天候の問題と定義付けると、問題解決は不可能になりますが、保持力であれば、人間の力で可能になる。だから、簡単な問題から解決するのです」

と私は言った。


「一つずつ片付けると言うのは、人がいるのですから、分担したほうが速いのでは?」

とヒナは尋ねた。


「人には能力差があります。私のように、その物事の本質を見抜けるもの。ただ与えられた作業をこなすだけのもの。わかりますね」

と私は尋ねた。


「はい」

とヒナは答えた。


「たとえば、私が穴を掘る作業に従事すれば、一見もったいなく見えるかもしれない。しかし作業の効率を上げる方法を見つけることができるかもしれないのです」

と私は言った。


「なるほど、それでしたら、問題が一気に片付く」

とヒナはうなづいている。


「ですから、可能な限り全体を動員して、ひとつずつ問題を解決させるのです。そうすると、そこの部分の問題が一気に解決し、状況が一変します。そして一つの問題の解決は、波及的にその他の問題をも解決する事につながります。

例えば飢餓の解決は、物価の高騰も解決します」

と私は答えた。


「わかりました。ただ盗賊の採用など時間がかかる問題が出た場合は、他の問題に注力すると良いのですよね」

とヒナは尋ねた。


「その通り、さすが完璧です」

と私は笑顔を見せた。


「ありがとうございます。やってみます。しかし勇者殿は執務をされないのですか」

とヒナは尋ねた。


「基本的に私が提示した内容で、魔王軍との戦いは負けにくくなります。

戦争というのは、まず負けない状況を作り、勝ちのチャンスを待つものです。

私がここまでお膳立てをすれば、騎士団の皆様も優秀ですから、勝てる状況を逃すことはないでしょう。

それよりも、私にはするべき事があります。

それは魔法の解析です。

この世界は魔法で成り立っていますから、もし解析が可能なのであれば、魔王軍との戦いを圧倒的に有利にできるかもしれません。

これができるのは、私だけです。

でも私が指示した内容は、ヒナにも代替が可能です」

と私は答えた。


「わかりました。魔法の資料は、図書室にございます。お声がけいただければ、賢者様もお呼びいたしますので、では私は勇者殿の代理として業務を執行いたします。

なにかあれば侍女をお呼びください。

また夜になれば、戻ります」

とヒナは頭を下げ、執務室から出て行った。


私は侍女を呼び、図書室へ案内してもらった。

そして、魔法を使えるものを一人、呼んでくるように言った。


図書室には基本的な魔法書から、高度なものまで多数あった。


さて……、

なにから手を付けようか。

私は魔法の構成について調べてみた。

すると、

・詠唱

・魔法陣

・魔法使いの能力

この3つが基礎だという事がわかった。


なるほど、

なにか似ているな。

詠唱というのは、コンピューターで言うコード……、

つまり指示書だろう。

魔法陣はなんだ。

これはアプリのようなものか?


相手はパソコンでないから、自然がパソコンみたいなもの。

つまり自然に直接干渉するコードみたいなものなのか。


では魔法使いの能力になぜ依存するのだろう。


(こんこんこん)

「失礼します。魔法使いのクリス様をお連れしました」

と侍女がやってきた。


「お初にお目にかかります。クリスにございます」

とクリスは深く頭を下げた。

白銀の髪をした色白の美しい女性だった。


「勇者です。さっそくで悪いのだが、魔法というのは、なぜ魔法使いの能力に依存するのだろう」

と私は尋ねた。


「それは、魔法使いの魔力量に依存するからです。魔力量が多いと、沢山の魔法を使っても平気ですが、少ないと少しの魔法でへばってしまいます」

とクリスは答えた。


「魔力量というのは体力的なものなのですか」

と私は尋ねた。


「厳密にいうと体力とは違いますが、魔力量が極限まで減ると、思考はできなくなり、気分も落ち込みます。寝れば回復しますが……」

とクリスは答えた。


「精神力や心の力みたいなものでしょうか」

と私は尋ねた。


「まぁそうとも言えるかもしれません」

とクリスは答えた。


「つまり、よくわかってないと。

そういうことですか」

と私は尋ねた。


「そうなります」

とクリスは答えた。


「魔力量によらず、魔法を使う事は可能でしょうか」

と私は尋ねた。


「魔石など、魔力が込められた石などを使うことで可能です」

とクリスは答えた。


「それは高価なものなのか?」

と私は尋ねた。


「はい。とても高価です」

とクリスは答えた。


「魔石以外を使う研究はされていますか?」

と私は尋ねた。


「研究はされてないですが、生贄として動物を捧げることはあります。

しかし魔法の安定性が悪いのです」

とクリスは答えた。


「安定性が悪い理由はわかりますか?」

と私は尋ねた。


「なんとも……」

とクリスは首を横に振った。


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