第22話「黄金の鎧の重み」
ズ――ン……
作戦会議室の重厚な両開きの扉が閉じられ、王国の未来を決定づけた激論の余韻を遮断した。会議は終わった。
ファラームの指導者たち、その一言一句が軍隊を動かす力を持つ男たちや女たちが、大理石の回廊へと散っていく。空気にはまだ、下された決断の電気的な緊張感がビリビリと残留しており、石壁を圧迫しているかのようだった。
だが、一人の若き聖騎士だけは、人の流れに逆らって歩いていた。カツン、カツン……彼の金属の足音は、孤独だが確固たるリズムを刻んでいる。彼には目指す場所があった。いや、目指す人がいた。
高いアーチ窓から夕暮れの黄金の光がサァァッと差し込む別室で、少数の貴族と高官たちが低い声で言葉を交わしていた。
その中心にいたのは、元帥だ。つい先ほど、王の前で慎重論を唱えていた、あの黒髪と黄金の鎧の男である。
今、宮廷の視線から解放され、軍人としての張り詰めた姿勢は、より人間味のあるものへと崩れていた。その地位にある者としては珍しいほどの優しさを湛えた彼の表情には、明らかな疲労の色が滲んでいる。目尻の皺は深く刻まれ、責任の重さを物語っていた。
若者が近づくのに気づき、元帥は話を止めた。
少年はグループの前に立ち、ザッと短くも完璧な軍礼を捧げた。他の男たちは、二人の間に流れる無言の空気を察し、心得たように目配せを交わす。彼らは敬意を込めて頷き、ザワザワと呟きながら一人また一人と退室し、広い広間に二人だけを残した。
シーン……静寂が支配し、遠くの王都の鐘の音だけが**ゴォォン……**と微かに響いた。
「驚かされたよ」男は魂の底から絞り出すような、フゥーッという長い溜息と共に言った。彼は肩をすくめた。その黄金の鎧の荘厳さとは対照的な、飾らない仕草だった。
目の前の男が警戒を解いたのを見て、若者もまた、ふっと肩の力を抜いた。
「僕の遠征についてですか?それとも国王陛下への進言について?」彼は答えた。その唇には、疲れてはいるが偽りのない笑みが浮かんでいた。
「両方だとも!」男は叫んだ。声が裏返り、元帥としての威厳は瞬時に吹き飛んでいた。
ガシッ!彼は踏み込み、両手で若者の肩を掴んだ。その握力は強く、溢れんばかりの感情が込められている。
「私がどれほど心配したか分かるか!?それにあの時……陛下が直接お前に言葉をかけられた時など……」ガクガク!彼は劇的に目を見開き、少年の体を小刻みに揺さぶると、パッと手を離して大袈裟な身振り手振りを始めた。「私は心臓が止まるかと思ったぞ!」
その光景は喜劇一歩手前だった。敵に恐れられる王国の大元帥が、神経衰弱寸前の過保護な親のように振る舞っているのだから。
若き聖騎士はクスッと笑いを堪え、わざと拗ねたような表情を作った。彼は視線を逸らし、少し唇を尖らせてからかうように言った。
「父上は、僕を信用していないのですか?」
反応は即座だった。ギョッ!男はさらに目を剥き、その優しい顔がパニックに染まる。彼は再び息子の肩をギュッと掴み、その誠実さを物理的に伝えようとした。
「信用しているとも!私の信頼は絶対だ!だがな、心配なものは心配なのだ!」
若者はもう堪えきれなかった。「アハハ……」軽やかで澄んだ笑い声が漏れ、二人を覆っていた戦争の影をスゥッと払拭した。
「ヴォルフガルド帝国への遠征についてはまだ話していませんが……家で過ごす時間は少し取れると思います」少年はそう言いながら、自身の冷たい鎧越しに伝わる父の手の温もりを感じていた。
それを聞いた途端、元帥は息子の肩から手を離した。シャキーン!彼の姿勢が再び変わる。両手を腰に当て、胸をドンと張り、涙目の表情を厳粛で芝居がかった「理解」へと切り替え、力強く頷いた。
「早く帰りたいものだな。母上に会いたい」
父は頷いた。疲れ切った顔に、慈愛に満ちた笑みが広がる。
「もちろんだ。年寄りたちに元気な顔を見せるのは、いつだって良いことだからな!」
◇ ◇ ◇
ガトゴト、ガトゴト……馬車は王都の巨大なシルエットを背にし、黄金色の畑に囲まれた未舗装の道を進んでいく。やがて風景は一変し、堅苦しい城壁は地平線の開放感へと取って代わられた。
セヴァー家の屋敷は、自然の中に佇む素朴な宝石のように現れた。広大だが温かみのある建物で、肥沃な農地と、時が止まったかのような絵画的な村に抱かれている。その背後には、幼き日の秘密を隠した深い森が、静かな守護者のようにそびえ立っていた。
ギィィィ……領地の門が開いた瞬間、軍隊の堅苦しさは放棄された。
若き聖騎士は、父と共に馬車を降りた。ザッとブーツが砂利を踏むより早く、人の波が押し寄せた。
「若様!若様がお戻りだーっ!」
「若様ーっ!」
ワァァァァッ!彼らを迎えたのは、恭しく頭を下げる使用人たちではなく、騒々しくも温かい大家族だった。少年は瞬く間に囲まれ、心からの安堵の笑みを浮かべる馴染みの顔ぶれの波にゴクリと飲み込まれた。
彼は庭師、料理人、馬丁、一人一人の名前を呼び、硬くなった手を握り返し、暑苦しいほどの抱擁を受け入れた。そこに社会的な壁はなく、愛情によって溶かされていた。
「ちょっと……通りたいんだけど……アハハ」少年は笑いながら抗議しようとしたが、あちこちからグイグイと引っ張られる。
正面玄関にたどり着くという単純な行為が、不可能な戦術ミッションと化していた。
男たちは目をキラキラさせ、質問攻めにする。「若様、ルツェルンはどうでしたか?あそこの川の水は、何十メートル先まで底が見えるって本当ですかい?」
「遠征はキツかったですか?ルツェルンの『青の騎士』たちはどんな奴らで?」
女性たちは、彼の黄金の鎧も聖騎士の称号も完全に無視していた。彼女たちにとって、彼はまだ膝を擦りむいていたあの頃の少年のままなのだ。ペタペタ、ムニムニ。彼女たちは彼の顔や腕を触り、母親のような厳しい目で健康状態をチェックする。
「まぁ、見てこれ!こんなに痩せちゃって!」料理人の一人が、彼のアゴを両手でムギュッと挟んで嘆いた。「どうせ旅の間は保存食ばかりだったんでしょう!今すぐご馳走を作るからね!」
そして、大人たちの足元をタタタッと駆け抜け、村の子供たちが最後の壁を作った。彼らは底なしのエネルギーで彼の白いマントを掴み、ピョンピョンと飛び跳ねる。
「兄ちゃん!兄ちゃん!」大合唱だ。「ドラゴン殺した?デッカい怪物見た?」
「はいはい!あとで話すよ!剣の稽古もあとでつけてあげるから、約束だ!」彼は答えながら、鎧の腕にぶら下がる少女の重みでフラフラとバランスを取っていた。
少し後ろで、元帥はその光景を眺めていた。黄金の胸当ての上で腕を組み、数分前の政治的な疲労は完全に消え失せている。
その瞳は深い優しさに満ち、静かな誇りが溢れ出していた。
多くの貴族は、この光景を礼儀知らずだと、階級への侮辱だと見るだろう。だが、彼の息子は違った。
この少年とって、貴族とは他者を見下すための台座ではなかった。彼は、この人々の中にこそ、自らの剣が存在する理由を見ていたのだ。
父は、抱擁と笑い声の中に埋もれていく息子の姿を見て、フッと微笑んだ。
聖騎士としての義務は戦うこと。そして彼は、彼らのために戦っている。彼の「民」のために。
◇ ◇ ◇
バタン。重厚なオークの扉が鈍い音を立てて閉まり、中庭からの愛情ある喧騒を断ち切った。玄関ホールの静寂が、平和の毛布のように彼らを包み込む。
「ふぅ……」
長く、深い溜息が少年の肺から漏れた。磨かれた木の蝋と生花の馴染み深い香りが漂う、屋敷内部の清浄な空気に触れ、ようやく肩の力が抜ける。
「もう二度と離してくれないかと思ったよ……」彼は壁にコテンと軽く寄りかかり、呟いた。
父は頭を仰け反らせ、**ガハハハ!**と高い天井に反響するほど豪快に笑った。
「彼らにしてみれば当然だろう!この廊下を走り回っていた、あの好奇心旺盛で頑固な『若様』がだ……一人前の男になる前に聖騎士に叙任され、何ヶ月も戦いや遠征に出ていたのだからな!放蕩息子の帰還は一大イベントだ!」
「父上も、随分と振る舞いが違うようですが?」少年は、少し決まり悪そうに、楽しげな視線を元帥に向けた。
「そうかもしれん」男はニヤリと自嘲気味に笑い、篭手のバックルをカチャリと外した。「だが私には弁解の余地があるぞ。私は子供の頃、この地域の生きとし生けるもの全てに絡んで回ったりはしなかったからな」
少年は疲れた笑みを浮かべた。気の利いた言い返しをしようと口を開きかけたが、その声は喉で止まった。
別の声が、柔らかい威厳を帯びて、大理石の白い大階段の頂上から響いたからだ。
「思ったより早かったわね。なぜ使いを出さなかったのですか?」
若者は顔を上げた。フワリ……浮遊するような優雅さで階段を降りてくるのは、セヴァー家の女当主だった。
彼女は時を超越した美の化身だった。長く赤い髪は、液体の炎の滝のように肩と背中を流れ落ち、透き通るような肌の白さと鮮やかな対比を描いている。その瞳は深く強烈な真紅――息子が受け継いだものと同じ色――で、鋭い知性を宿して輝いていた。
彼女の装いは、努力せずとも気品を漂わせていた。深いワインレッドのベルベットのロングドレスが、彼女のほっそりとしたシルエットを包んでいる。長い袖と高い襟には繊細な金の糸が施され、シャンデリアの光の下でキラキラと微かに瞬いていた。衣擦れの音がサラサラ……彼女が一段降りるたびに、スカートが流れるような音を立てる。
「知らせたかったのですが……父上が驚かせようと言うものですから、母上」少年は即座に姿勢を正して答えた。
彼は階段の麓まで歩み寄った。彼女が最後の段に降り立つと、彼は手を差し伸べる。彼女はその細く長い指を、彼の黄金の篭手の上にソッと乗せた。宮廷人のような洗練された優雅さで、彼は身を屈め、母の手の甲に口づけをした。
「吉報であることを願いますわ」彼女は言った。その視線は、怪我や過度の疲労がないか、息子の顔を隅々まで点検している。
「僕の遠征の目的は達成されました」彼は背筋を伸ばして答えた。その表情が一瞬、陰る。「ですが、すぐにまた発たねばなりません。行き先は、ヴォルフガルドです」
スッ……女性の赤い瞳がわずかに細められた。それが、彼女が見せた唯一の不満の兆候だった。
「あら、それは残念ですわね……」
彼女は息子の手を離し、夫の方へとススッと滑るように歩み寄った。今まで笑っていた元帥の体が、ピシッと強張る。彼女は夫の鎧のベルトを掴み、強く正確な動きでグイッ、グイッと引っ張り、すでに真っ直ぐなものを直し始めた。彼は滑稽なほど顔を歪めた。それが無言の叱責であることを知っていたからだ。
「その知らせを聞けば、ひどく拗ねる子がいますわね」彼女は夫の胸の冷たい金属をナデナデと撫でてから、再び少年の方を向いた。「ですが、どうしようもありませんわね。それが義務なのですから」
誇らしくも、どこか寂しげな笑みが彼女の唇に浮かんだ。
「これほど若くして聖騎士に叙任されるなんて……貴方のお父様でさえ成し遂げられませんでしたわ」
「すべては、父上と母上の教えのおかげです」彼は答えた。その声には心からの謙虚さが込められている。彼の唇に浮かぶ優しい笑みは、人生の二つの柱である両親への感謝を映していた。
母はパァァッと輝くような、純粋な誇りの笑みを見せた。その赤い瞳は絶対的な確信で輝いていた。まるで、息子の能力を一度たりとも疑ったことなどないかのように。
「遠征できっとお疲れでしょう。金属の重みは、長旅の後ではさぞ負担になりますわ。さあ、お部屋でその鎧をお脱ぎなさいな」
息子には甘い声で語りかけながら、彼女の手は夫の鎖帷子の上で、驚くべき怪力を発揮していた。誰の目にも完璧に調整されているように見える脇のベルトを、彼女は見つけた。しかし、彼女はそれが……「修正」が必要だと判断したのだ。
ギチチチチッ!!容赦のない乾いた音と共に、彼女は革と金属を元帥の胸に締め上げた。
「ぐふっ……!」男が呻いた。肺から空気がヒュッと押し出され、突然の圧迫に顔がみるみる赤くなる。息子から視線を外すことも、その母性的な優しい声色を変えることもなく、彼女は指示を続けた。
「少なくとも、丁寧に脱ぐのです。お父様のように粗相をしてはいけませんわ」
「ハ、ハニー……?」元帥はゼェゼェと、慈悲を乞うように絞り出した。自分の鎧の中で必死に呼吸する場所を探しながら。
若き騎士は、いつものカオスだが調和のとれた両親の姿にクスッと笑い、おどけたお辞儀をして見せると、当然の休息を求めて階段を上っていった。




