表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この恋のために  作者: ひなた真水


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/41

教育実習

「英語教科の教育実習生として来ました、佐原美由紀です。よろしくお願いします」


 そう自己紹介する教育実習の先生を俺はあまりのボインっぷりに、思わずガン見する。

 いや、だって俺、普段は普通に女子好きだし。


「はー、すげえ教室実習の先生来たよな、弥勒。あのおっぱい見た?」

「まあ、なんか乳牛(ちちうし)っちゅう感じやったな。ホルスタイン?」

「おれは彼方が世界で1番だけど? 先生より彼方の方がずっとかわいいしね」


 彼方命の滝は置いといて、教室での自己紹介でもザワザワだったし、あちこちでヒソヒソと顔もかわいいとか、噂になっててすげえ。

 ちなみに俺、目はよくねえけど、耳はわりといいから、そこは聞き逃さねえぞ。

 すげえな、おっぱいあれで、顔もかわいいのか。


「……ああいうタイプが好きなんけ?」

「あーいや…インパクトがヤバかったからな」


 弥勒、違うからな? いや、かわいい顔のおっぱいは好きだけど、俺が好きなのは弥勒なんだけど、それはまだ言えねえし、むー…

 ま、弥勒はヤキモチ妬きだけど、教育実習の先生がいるのって、たった2週間だし、相沢と揉めたみてえな事も起こらねえだろ。



「ひゃっ」

「うぇっ? 先生」


 そんな事考えてたんだけど、この佐原先生けっこうおっちょこちょいらしく、俺が廊下の角曲がろうとしたら、ぶつかってきた。


「ごめんなさい。楠木くん! あわわ、プリントが…」

「あーあ、先生。手伝うよ」


 廊下に思い切りプリントばら撒かれたら、さすがに放置っつーわけにもいかねえから、俺も拾うの手伝ってやる。授業用かな?


「先生、今回はお互い様だけど、気をつけて歩かねえとだぞ?」

「はい、ほんとごめんなさい。まだ色々慣れてなくて、ちょっと急いでて」

「先生ってやっぱ、ここの卒業生なのか?」

「はい。4年前にここ卒業して、遅くなったけど教育実習にきたんです」

「遅くなったって?」

「あ、ほんとは6月に来たかったんですけど、家の事情があって、遅くなっちゃいました」

「へえ、実習遅らせてでも来たって、そんな英語の先生なりたかったんだ?」

「はい。大学卒業してから採用されるかは、まだ分からないけど」

「そっか。でも先生なるなら、廊下で生徒とぶつからねえようしねえとだ」

「いつもはちゃんと気をつけてます。今日はたまたま急いでて…でも、ほんとごめんなさい」

「うん。俺みてえに視力よくねえヤツ、他にもいるからな」

「楠木くん、メガネかけてるけど、そんなに目がよくないんですか?」

「0.3でねえぐれえだ」

「ええっ! それってメガネの度が合ってないんじゃ?」

「ううん。コンタクトしてメガネかけて振り絞って0.3だぞ。ちなみにもう1人の楠木も同じぐれえだ」


 俺も彼方も歩く時は気をつけてはいるけど、やっぱ周囲の人、特に先生には、校内歩く時はちゃんと気をつけてもらわねえとだ。


「だったら、あんな後ろの席じゃ黒板の字なんか、見えないんじゃないんですか?」

「前の席でも変わんねえし、コツさえ掴めばノートに困る事はねえよ」

「えー? それって、誰かに写させてもらってるとかですか?」

「む。俺ちゃんと授業聞きとってノートは書いてるぞ」

「ほんとですかー? 先生が授業する時、当てても平気なの?」

「全然OK。彼方も当てて平気なヤツだから、俺らに遠慮しねえでいいぞ。それよりほんと気をつけなよ?」


 そこはマジで気をつけて欲しいからな。

 今回はたまたま廊下で済んだけど、階段とかだったら危険なんてもんじゃねえし。

 学校には色んなヤツがいて当然なんだから、せめて先生ぐれえは対応してくれねえと、こっちも全然気が休まらねえからさ。


「そうですね、これからは気をつけて歩きます。ほんとすみませんでした」

「分かってくれりゃいいよ。そんじゃ俺、図書委員だから行くな」


 未来の英語教師に教育的指導してしまったな。

 喋った感じはそんな悪い先生じゃなかったから、頑張って教職者になれればいいな。

 集めたプリントを先生に渡して、俺は図書室に向かった。


 ◆


Mrock『───ちゅう事があったらしいわ。どう思う?』

K.ta『うわぁ…なんとも評価しづらいね、それ。今のところ、彼方から何も聞いてないけど』

Mrock『そうか…』

K.ta『そんなに落ち込むなよ。おれも明日から気をつけて見るようにはするから』

Mrock『落ち込むなとか言われても無理やろー…』


 相手は教育実習生、年上っちゅうてもまだ21で、たった5歳しか離れてへんし、なにより女やし、おっぱいもデカい。

 顔は、相沢の方がかわいいけど、まあ、いつものごとく、遥あんま見えてへんヤツやし、何より嫌なんが相沢と違て邪魔しにくい。


K.ta『そりゃ相手は実習生だし必要だって言われたら、声かけて来るのは邪魔出来ないよね…』

Mrock『マジでどうしようー…オレに隠してへんっちゅう事は、遥自身はなんとも思てへんみたいやし』

K.ta『だったら特別遥の好感度が高いわけじゃないんでしょ?』

Mrock『相手がどう思てるかは別やんけ』

K.ta『その通りだけどさ。でも大丈夫じゃない? 変な気は起こしにくい立場だし』

Mrock『オレの立場で慶太やったら、大丈夫て思うけ?』

K.ta『思わない。まず平和的に挨拶や用事で声かけて来たら、おれが受けるようにするね』

Mrock『なるほど、遥の窓口役になるっちゅう事か。それええな』


 優等生らしい妨害の仕方を慶太といっしょに相談する。

 あからさまな感じやなくて、遥にも気づかせん感じはどやっちゅう事で。

 実習の用事は邪魔せんと協力しつつ、遥との接触だけ邪魔していく方針を立てていく。

 腹黒いて言われてもええから、挨拶してきたら遥が挨拶するよりオレが先に返して、用事頼んできたら、オレが積極的にやりたがる。

 なるべく遥とは喋らさんで済むように、気をつけてくしかないか…実習期間が終わるまで、気が重いけどしゃーない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ