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1話 きづいた



「あなたが生まれたせいで!」


私とは血の繋がらない母が叫んだ。


私と半分だけ血の繋がっている兄弟が、私のことをかばった。


私と血の繋がった父は何も言わない。


私と血の繋がっていた母はここにいない。


まぁ、母はこの場にいることはできないんだけどね。



この時が、初めて自分が生まれてきた意味を考えた瞬間だった。

いや、前から気づいていたのかもしれない。

気づいていて、あまり深く考えていなかっただけ。

おかあさんに答え合わせをしてもらっただけ。



きょうだいが心配してくれた。ありがとう。

私は傷ついていないよ。大丈夫だよ。


きっと私は壊れている。ヒトとして何かが欠けているのだろう。


傷つくような心がないのだから、傷つきようがない。


なんで私は産まれてきたのかな。

死ぬまでに生まれてきた理由を知りたいな。



さて、私の話を始めるとしましょう。

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