表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

習作集

異世界管理部主人公補正課の鈴木さん~この仕事も楽じゃないんです~

作者: ふひと

 さて、画面の向こうの皆さんは主人公補正というものをご存じでしょうか?

 って言っても、言葉の通りです。


 主人公に掛かる補正……例えば、チートスキル持ってるとか、特に理由もなくモテモテとか、なんなら死なないとか、そんなのです。


 え? それがどうしたって?


 どうしたも何も、それが私たちの仕事。

 そう、私たちの仕事は主人公に補正をかける、それだけです。


 ほらそこ、ぼろい商売とか言わない。

 この仕事も楽じゃないんです。

 ていうか、別に好きでこんなことやってるんじゃないんですよ!


 折角神様やってるのに、イキった……もとい、調子のいい陰キャ……じゃなかった、転生勇者を空の上からヨイショするなんて地味すぎやしませんか!?


 本当はね、神様ならもっと、ほら、人類に試練を与えるとか、世界を想像してみるとか、愚かな人間どもを教え導く、とかやってみたいんですよ!!


 なのに何? ここの部署全然そういうのない!!


 何が楽しくてあのゴミクズどものモテ値の調整やんなきゃいけないんだよ!!

 あんな奴ら序盤でスライムに溶かされて経験値に――


 オホン、すみません。つい日々の不満が……


 はぁ……実は、そういうことやってる部署もあるんですけどね……

 私みたいな万年落ちこぼれには、遠い遠い雲の上みたいなところです。


 まあここ雲の上なんですけど。


 え? 私ですか?

 ああ、そういえば自己紹介まだでしたね。


 私は系統世界管轄庁異世界管理部主人公補正課の鈴木です!


 本日からどうもよろしくお願いします!


 ▼△▼


「鈴木ちゃん、虚空に向かってヘラヘラしてるけど大丈夫かしら……」


「そろそろ休んだ方が良いんじゃ……もうかれこれ31連勤ですよ?」


 紹介しますね?

 今全力で私のことを心配してくれてるのが課長の山下さん!

 そして、同期のダークポセイドン4世くん!

 みんな優しくていい職場です!


「ご心配ありがとうございます! でも、全然問題ありませんから!」


「いや……明らかにやばいよ鈴木ちゃん……虚空に向かって笑い始めたらもうそれは壊れる一歩手前なのよ……」


「そんなことはないです! なんたって私たち、神様ですから! この程度で壊れるほどやわには出来てません!」


「それもそうか……なんで俺たち、死んでも社畜やってんだろ……はぁ……」


 そう、いまダーくんがめっちゃ悲しそうな顔で言った通り、私たちは神様と言っても元人間。

 それも、昨今のファンタジーブームで増えすぎた異世界とやらと管理するために、上のお偉い神様が緊急措置として過労死した社畜を神様にジョブチェンジさせた結果生まれたモンスターです!


 あ、今も実質社畜なんでジョブチェンジ出来てませんね! 大発見!


「……はぁ」


「二人してため息なんてついて。それより、急いでこの仕事を終わらせてしまいましょう!」


「そうっすね。早くしないと鈴木ちゃんが天に召されてしまう……って、もう召されてるか。ははは」


「「「……はぁ」」」


 ▼△▼


 さて、いま立て込んでる仕事は『転生した俺は最強の魔剣を手に入れて世界の王になる~敵が弱すぎて相手にならないんだが~』ていうラノベ世界の主人公、ナオヤにカッコよく主人公補正を掛けることです!


 でもね、これがなかなか無理ゲーなんです。

 まずね、タイトルからして分かると思うんですけど、なんかダメ小説感漂ってないですか?


 だいたいなんですか? 最強の魔剣って。語彙力小学生ですか?

 まだダークポセイドン4世のほうがマシですよ?


 しかもなにこのサブタイトル。

 敵が弱すぎて相手にならない?

 やっぱりファンタジーって、主人公が苦難を乗り越えて成長しつつ強敵を倒す、ってところがロマンなワケじゃないですか。努力、友情、勝利ですよ!!

 なのに最初から最強ってどうなの? 何が面白いのそれ……


 まあ、そこまではいいんですよ。

 別にこういうダメ小説でも仕事が増えるだけで、ちょっと残業すれば何とかなりますし。


 あ、因みにここ残業代出るんです! めっちゃホワイトじゃないですか!?

 私なんて月290時間残業してるんで大金持ちですね! やった!!


「鈴木ちゃん、また虚空に向かってヘラヘラしてる……」


「そうね……そろそろヤバいかもしれないわ。まあ、私たちも他人のこと言えないけど」


 すみません、話逸れましたね。


 で、何が無理ゲーかって言ったら、あのクズヤ……じゃなかった、ナオヤ弱いんですよ。

 しかもバカなんですよね。その上全く努力しない。


 魔剣は引くほど強いんですけど、肝心の使い手がそれじゃあおしめえよ!


 てなわけで、私たちが全力で頑張っても全然強くならないからアイツすぐ死にかけるんですね。

 目を離したらいつも死にそうになってる。

 常に補正を掛け続けないとストーリー終わっちゃうんですね。


 でね、雑にストーリー終わらせちゃうと上からすごい怒られるんですよ。

 ていうか、場合によったら私たち消されちゃうとかなんとか……


 だから、血眼になってモニターを監視してます。

 にもかかわらず、クズヤすぐ死にそうになるんですよ!

 逆にどうなってるんですかね!?

 とりあえず魔剣使えよ!!


「あっ! 鈴木ちゃん!! ナオヤがドラゴンに丸腰で突っ込んだよ!!」


「は? えっ!? ちょ、なんの補正掛けましょう!?」


「とりあえず死亡フラグ回避と敵デバフをMaxにっ! それから能力覚醒も2%ほど上げよう!!」


「了解です!!」


 っと、こんな感じです。

 で、面倒なのがこれ、ストーリーとして面白くならないといけないんですよね。

 だから、一気に最強にもできるんですけど、それだとクズヤの人格が伴ってないからただ一人害悪が出来上がるだけで……まあ、ゴミ小説の出来上がりですよね。


 てなわけで、クズヤが死なない程度に補正を掛けつつ、それでいて自分で成長してくれるように程ほどにしとく、っていうシビアなコントロールが求められるんです。


 もうちょっとちゃんとした子なら、放っておいてもある程度いい感じに良作に仕上がってくれるんですけどね……クズヤは本当どうしようもない。どうせ補正掛かるからって甘えてるんじゃないでしょうか。


 まあ掛けるんですけどね。死ぬから。


「はぁ……まったく、キリがねえな。どうします? このままだと間違いなくナオヤは俺たちの命を削り続けますよ?」


「ゴブリンも倒せないのに神々に継続ダメージ与えるとか……ふふ」


「や、山下さん?」


 あれ、山下さんの様子がおかしい……

 どうしたんでしょうか。


「つまり、あたしたちはゴブリン以下よ?ふふ、ふふっふふふふふあははははっは!!」


「山下さん!?」


「先に山下さんが壊れた……」


「あ、ああ見えて一番限界だったんですね……」


 もうやだこの職場……


 って、弱気になるな私!!

 とりあえずクズヤを、アイツをちゃんとした人間にしたら休めるんだから!!


「次回、鈴木死す!!」


「鈴木ちゃんも休みなよ……心配だよ普通に」


「大丈夫です! 私はまだまだ元気ですよ!」


「元気な人は虚空を眺めてヘラヘラしないし突然『次回、鈴木死す!!』とか叫びません」


 ダーくんも、別にそんなに心配しなくていいのに。

 私、本当に元気なの。今だったら多分空飛べそう。

 うん! きっと飛べる!! アイキャンフライ!!


「ダーくん、ちょっと空飛んできます!!」


「はぁ!? ちょ、鈴木ちゃぁぁぁん!!!!」


 ▼△▼


「だ、ダーくん!? こ、これは何!?」


「鈴木ちゃん流石にキチゲがカンストしてるから」


「だからってこれは無くない!? いくらなんでもベッドに縛り付けるなんて! ちょっとヤらしい感じに」


「なってないから安心して」


「そ、それはそれでなんか傷つく! 一応これでもわらぃぁ――くかー、すぴー……」


 あ、スイッチ切れた。

 さてと、これで一安心。


 ……って、ん?


 あ、視点人物ってこんなふうに見えてたんだ。

 鈴木ちゃん一人で喋ってたわけじゃなかったんだね。


 いや待てよ、これ幻覚説ない? 画面の向こうの皆さんとかそんな……まあいいや。


 こっから変わりまして、この俺岡本がお送りします。

 え? ダークポセイドン4世?


 ……チッ、鈴木ちゃん余計な事言いやがったな。


 ま、まあ名前なんてなんでもいいじゃないですか。

 俺は岡本。ダークポセイドン4世じゃないです。


 いや、そうなんですけどそうじゃないです。

 気にしないでくださいどうかお願いします。


 ……さて、そんなことは今マジでどうでもいいんだ。


 山下さんダウンしちゃったし、鈴木ちゃんも壊れちゃったからとりあえずベッドに縛り付けたんだけど、これってつまり俺一人でナオヤのお守をしなきゃなんないってことだよね?


 俺もそろそろ溜まっちゃいけないゲージが溜まって来てるし、もう俺を縛ってくれる人もいないからヤバいんだけど。

 いや、ホントにヤバいよ?

 どんくらいヤバいかっていうと……えっと……ああ……思いつかん。ごめん。


 疲れると頭回んなくなるんだよね。

 俺まだ18連勤だけど5徹だから、正直自分でも何考えてんのかよく分かってない。


 いや、でもまだ理性は残ってる!

 この理性が残ってるうちに、とりあえずナオヤを主人公路線に乗せるぞ!!

 そして、120時間ぶりの睡眠だ!!


「……ん?」


 あっ!! ナオヤてめえふざけんなよ!!

 何で単身魔王城に乗り込もうとしてんだよ!!


 チッ、これはどうする!?

 どう考えても死ぬぞ?

 

「くっ、止むを得ん……」


 能力覚醒補正さらにプラス2%……無理か……


「じゃあ、死亡フラグ回避をMaxに!」


 よし! いい感じに台風来た!!

 雨の日は外に出ないナオヤはこれで引き下がるぞ!!


 っておい! その馬車は隣国の……あーあ、もう知らん。


「やってられっか!!」


 この主人公ホント何なんだよ!!

 バカとかそういう次元じゃねえだろ!!

 もはや歩く死亡フラグだよ!!


 ていうかよく俺らこんなのに一か月も付き合ったな……

 この案件丸投げした部長は後で絶対ぶちころがす……あいつ絶対許すまじ……


「はぁ……おうちかえりたい」


 ▼△▼


 ……ん、あれ、あたし寝てた?

 おかしい、記憶がちょっと飛んでる気がする。


「って、何よこれ……」


 鈴木ちゃんどしたの?

 これダーくんがやったの?

 あの子鈴木ちゃんに変なことして……ないか。ヘタレだし、犯罪だし。


「で、そのダークポセイドン4世くんは……」


 あ、いたいた。


「……死んでる?」


 いや、脈あるわ。生きてる。


 ……ん? 何これ?


 あ、視点人物ってこんな感じなのね。

 鈴木ちゃん一人で喋ってたわけじゃなかったんだ。

 ごめんね、てっきし壊れたのかと。


 さてさて、画面の向こうの皆さん。

 こっからはあたし、山下がお送りします。


 っていっても、もうあんまし言うことなさそうなんだよねぇ。

 だいたい全部鈴木ちゃんとダーくんが話してくれたでしょ?


 はぁ……


 とりあえず、ナオヤをなんとかしないと……


「ん?」


 なんかナオヤの様子がおかしい。

 違うな、ナオヤ、っていうより周りの様子がおかしい。


「こんなに女の子いたっけ」


 なんか30人くらいいるんだけど。なにこれ。

 って、


「あっ!!」


 ダークポセイドン、モテ値のパラメータMaxまで上げてんじゃん!!

 何やってんのよ! 安易なハーレム展開は読者の反感を……


「あれ?」


 PV案外悪くないわね。

 評価もちょっと上がってるし。


 どういうことかあたしには分からん……

 今どきの子の感性ってこんな感じなの?

 たった一人のヒロインを思い続け、最後に彼女の死を以って完結する美しいお話が好きな子はいないのかしら……


 まあいいや。

 いっそ全パラMaxにしてみましょ!!


「おりゃ!!」


 さて、今日はもうこれでいいや。

 二人倒れちゃったし、あたしもなんかそろそろちゃんと休まないとヤバい気がする……


 え? 下手なストーリーの終わらせ方したら存在を消される?

 鈴木ちゃんそんなこと言ってたの?


「ふふ」


 そんなわけないじゃない!

 そんなことで、あたしたちの首は飛ばないわ。


 飛ぶのは部長の首よ。


 ▼△▼


 さてさて、再びわたくし鈴木がお送りしますね!


 今、私たちは部長に呼び出されて会議室にいます。


 いやぁ、あのあと気付いたら私寝てたんですよね。

 で、起きたら朝! もうビックリですよ!!


 一目散にモニターに駆け寄りましたね。

 でも、何も映らなかったんです。


 つまり、ストーリー終わっちゃったってことなんですよ。

 これはオワタ……オワオワリです……


 起きたら山下さんいないし、ダーくんダウンしてるし、私は緊縛されてたし……

 これってつまり、誰もあの後ナオヤの面倒見てなかったってことでしょ?


 この呼び出し、絶対ナオヤの件ですよ。

 お叱りのあと、3人とも処分されちゃうんだ……


 詰んだねこりゃ。

 さよなら皆さん。さよなら憧れの神様ライフ……

 来世はアメーバにでも――


「主人公補正課の皆さん、部長のギルガメシュ17世です」


 うわっ! 部長!? いつの間に……

 てか、え、何? ギル……え?


(山下さん山下さん、部長ってあんな名前でしたっけ?)


(ええ、そうよ。ていうか言わなかったっけ?)


(マジですか……)


「こらそこ、私語は慎みなさい」


「すみません……」


 怒られた。


 でもまあ、私たちの命運も今日で終わりなわけです。

 きっとこの後、部長にボコボコにされてお偉いさんの前に引き摺り出されるんです。

 そして、虫ケラみたいに消されちゃうんだ……


 あの憎きクソザコ勇者、遂に神を3体同時討伐しましたね。

 ぶっちゃけこれ魔王討伐より全然凄いんじゃないですか?


『神殺しのナオヤ~俺なんかやっちゃいました?~』とか書いたらいいんじゃない?

 ベストセラー間違いなしですよ! やったね!!


 やったねじゃねぇよ!!

 っざけんなよ!!

 なんであんな奴のせいで消えなきゃなんねえんだよ!!


「やめろ~、死にたくない。死にたくないっ!!」


「ちょっと鈴木君……大丈夫?」


「大丈夫なわけないじゃないですか部長!!」


「えっ」


「えっ、じゃないですよ!! だってアレでしょ? この呼び出しってナオヤの件でしょ!?」


「ま、まあそうだけど」


 ほらやっぱり!! もうダメだぁ! おしまいだぁ~!!


「でも、なんでそんな深刻な顔してるの? おじさん不安なんだけど……」


 ふ、不安!? てめえの不安なんか大したことないだろ!! こちとら仕事の不手際で存在消されるんだぞ!! ナメてんのか!! 」


「途中から声に出てるよ鈴木君。てか君、なんかすごい勘違いしてない?」


 へ? 勘違い?


「そもそも今日君たちを呼んだのは、別に叱るためじゃないんだよ。これ山下君には伝えといたはずなんだけど……」


「ええ、確かに。ですが、鈴木はついさっきまで寝ておりましたので、伝える時間がなく……」


 は? え、これ……てことは……


「私たち……もしかして消えなくて済む……?」


「うん。てか、君たちはやらかしても消えない」


「え、そうなんですか」


「そう。消えるとしても僕。しかも消されるときはサイレント。 なんの知らせもなくいきなし消されるの」


 こえぇ……上位存在マジパネェ……


 え、でも……


「じゃあ、今日はなんの用件で?」


「それはね、実は君たちの仕事が上にすごい評価されてね。是非ともその労いをしたくて」


 ……は? 評価? 労い?

 え? 私たちあのあとナオヤ放ったらかしにしてたよね?


「どゆこと?」


「鈴木ちゃん、これ読者の感想」


 あれ、ダーくんいたんだ。


 で、えっと……なになに?


「『なんかよく分かんないけど爽快感があって良かった』『俺強ぇぇぇ、っていうセリフ好き』『脳死で読める。新感覚』『ストレスフリーでたのしい』『ばなな』……軒並み高評価じゃないですか!!」


 最後のちょっとよく分かんないけど。


「そうなんだよ鈴木君。おかげで上の方々も頗る上機嫌でね、ものすごく助かったよ」


「それはよかったです!! でも、なんで?」


「ああ、それはあたしがナオヤの全パラメータをMaxにしたのが吉と出たからよ!」


 ぜ、全パラメータをMaxに!?


「そんなことしたらゴミ小説まっしぐらじゃないですか!!」


「ふふ、そう思うでしょ? ていうか、あたしもそう思ったんだけど、半分ヤケクソだったわ。どうせ飛ぶのは部長の首だし」


「ちょっと、山下君?」


「でもね、これが意外と、ていうか逆に? ウケたみたい」


 なんで?

 だって何の努力も無しに最強でモテモテで……ってどうなの?


「読者とやらの感性は分からん……」


「それはあたしも同感ね」


「いや、今回のは分からないこともないっすよ?」


「「え?」」


ダーくん分かるの!?


「だって、よく考えてみてくださいよ。ナオヤの話、王道ファンタジーだと思って読むと確かにアレっすけど、ヒマなときにボーっと読む分にはいいじゃないすか」


 ヒマなときにボーっと読む?

 そんな贅沢な時間の使い方したことないですし。

 てか……


「ヒマなときとかなかったんだけど」


「鈴木ちゃん、全人類が社畜ってわけじゃないのよ?」


 衝撃の事実!?

 そんな……バカな……


「まあまま、それはともかく需要はあったんだよ。多分振り切れたのが良かったんだろうね。今までこういうテイストの話もなかったから、それがウケたのかも」


 そんなものなのかな。

 まあ、そんなものだったからこうなったんでしょうけど。

 イマイチ腑に落ちないけどまあいいや。


「なにはともあれ、ご苦労様。君たちには。賞与として有給二日を与えましょう。明日、明後日としっかり身体を休めてくださいね」


 ゆ、有給?

 あれって都市伝説じゃなかったんですね!!

 そんなもの使っていい世界線が実在したとは……なんたるホワイト……


「ありがたく使わせていただきます!!」


 やった……なんかよく分からないけど久しぶりの休暇だ……

 休めるだけ休むぞー!!


 ――かくして私たちは無事仕事を終え、有給を手に入れたのであった。

それと、山下さんのヤケクソで生み出された主人公がひたすら無双するタイプのお話は、のちに俺TUEEE系と呼ばれるようになったとさ。

めでたしめでたし。


▼△▼


<次回予告>

 無事ナオヤを主人公に仕立て上げ、有給をゲットした鈴木。しかし、彼女に息つく暇はない!!

 有給一日目の午後、突如鳴り響く鈴木の携帯。

 彼女は着信を拒否する!!

 次回、『鈴木さん逃亡!!』デュエルスタンバイ!!

100%ノリと勢いで書きました。

面白かったら評価、ブクマ、感想等いただけると嬉しいです!!

要望があれば続編書くかもしれないし書かないかもしれない……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いこと。 [一言] 色々と考え込んで設定練り込んだ渾身の小説よりか、ライトで勢いな方がウケるっていうのはあると思います。 ただ、そのライトの中にどれだけ魂を込められるかなのかもしれませ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ