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宇宙の絆Ⅲ  作者: 秋華(秋山 華道)
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ゲーム開始

元帥に立候補したのがジークだけだった事から、次の日の投票は無く、ジークが元帥と決定していた。

まあ常にこのゲームを盛り上げてきた一人だという事で、インターネット掲示板などで反対する意見はほとんどなかった。

内輪ではかなり不満もあったようだが、概ね認められているようだった。

不満よりも不安の方が大きかったように思う。

正直、何をしでかすか分からないと言った感じだ。

だけど俺は、勝つために貪欲な人だという事で、一番ふさわしい人かと思っていた。

どうせやるならやはり勝ちたい。

俺は5月1日がとにかく楽しみで仕方がなかった。

学校には行っていたが、正直授業やクラスメイトとの会話なども全て覚えていなかった。


そしていよいよ5月1日である。

現在4月30日の午後11時55分。

陽菜と一緒にその時を待っていた。

別に何か特別な事が始まるわけではない。

ただゲームにつなげられるだけだ。

集まった面子でおそらく話をする事になると思うが、今日は言ってしまえばそれだけ。

そして寝て起きて明日から色々と準備をする事になると思う。

さあもうすぐだ。


陽菜「ドチドチしちゃうね‥‥」

和也「お、おう‥‥つか、ドチドチってなんやねん」

陽菜「かっちゃんこそ、変な大阪弁になってるよ‥‥」

和也「気にしたらあかん。ほら、あと10秒だぞ」

陽菜「うん‥‥」


俺はマウスに手をかけた。

ちなみに俺は今はパソコンでやっている。

ゲーム機は陽菜が操作していた。

時計が0時になった。

俺はゲームアプリをダブルクリック、陽菜はゲーム機のスイッチを入れた。

しばらくしてどちらもデータのロードが始まる。

流石に多くの人が一斉にアクセスしているようで、かなり重いようだ。

ただこれだけ大規模なゲームである。

落ちたりフリーズしたりが無いように、それなりに対策はしているだろう。

かなりロードに時間がかかったが、10分後ようやくゲームが始まった。


俺はどうやらゲーム内の自室にいるようだった。

おそらく基地内で、スクランブルがかかればこの部屋を出て人型に向かう事になる。

横を見ると、陽菜も同じく自室にいるようだ。

とりあえず部屋を出てみる。

自分の部屋には0000002という部屋番号が書かれてあった。

陽菜も同じように部屋番号を確認していた。

番号は0000009だった。

見ると廊下の向こう側に陽菜のアバターが見えた。

部屋は割と近そうだった。

俺達は一緒になって、基地内を散策することにした。


和也「どっちに何があるのか、覚えるのが大変だな」

陽菜「マップでマークすれば自動でそこに向かってくれるから、指令室と人型搭乗口はマークしておくといいね」

和也「しかし相変わらずこのゲームは色々とリアルにしているよなぁ。つか、アバターが前に使っていたのそのままなんだな」

陽菜「IDが同じだから、前回使っていたのそのままなんだね。私このアバター懐かしいよ」


そんな話をしながら、俺たちは指令室までやってきた。

入ると、そこには既に大勢の人が集まっていた。

ゲームだから入る事はできるが、人がいっぱい過ぎて何が何やら分からない状態だ。

ただ、ジークの姿だけは確認する事ができた。

チャット画面を開くと、一気に文字が流れていく。

流石にここの全員と会話は無理だ。

グループチャット指定して特定の人との会話にしないとちょっと話せる状態じゃない。


とりあえず誰かとチャットするなら登録しなければならないなと周りをうかがっていたら、軍の命令としてジークの言葉が上部に表示された。


ジーク「あーみんな聞いてくれ!俺の事は多分知っていると思うが、今回この宇宙の絆Ⅲで元帥を任されたジークだ。これから色々と相談があるから、喋るのは指定された者だけで頼む。」


そうこう言っている間にも次々に指令室には人が入ってくる。

おそらく今プレイしている人のほとんどがここに集合しているのではないだろうか。


ジーク「まだ指令室にきていない者もこちらに来るよう頼む。5分待つ。」


和也「相談ってなんだろうな。まあ師団や部隊の事、或いは作戦の事か」

陽菜「たぶんそうだよね。おそらくだいたい決まっていると思うんだけど、一応聞いておくって感じかも」


俺たちは、画面上では騒がしいが、ほとんどチャットをする人がいなくなった静かな指令室で時を待った。

指令室に集まっているユーザーの数は20万人を超えていた。

この中で知り合いを探すのは不可能だった。


ジーク「さて5分経ったので話をさせてもらう。まず言っておく。俺は必ず勝つ!!」


ジークがそう言うと、静かだったチャット画面が一気に騒がしくなった。

ちなみにジークは指令用の通信を使っているので、ジークの言葉だけはチャットで流される事はない。


ジーク「チャットが重くなるから、今は控えてほしい。俺が指定する者だけでお願いする。」


チャット画面が一気に静かになった。


ジーク「これから、師団と部隊の再編制を行おうと思う。そこでだ。腕に自信のある艦長とパイロットがいるなら名乗り出てほしい。俺直属のジーク元帥軍本隊に移動させる。」


チャット画面は静かだった。

流石にこの中で名乗り出ていけるほど、俺も勇気はない。


ジーク「いないようなので、俺の知る範囲で移動させる事にする。ドリーム、カズミン、アライヴ、サイファ軍所属だった今日子、この4名はこちらに移動してもらう。」


和也「マジか‥‥流石一生くんだ。ここで選ばれちゃうんだな」

陽菜「でも、正直アライヴさんは嫌なんじゃないかな。今回はトイキさんと組んでたわけだし、これじゃ一緒にやれないんじゃ‥‥」


確かにそうだ。

でもその心配はなさそうだった。


ジーク「2人乗りの機体でやってるヤツは、その相方も一緒でいい。あと希望があれば俺に言ってくれれば移動を考える。」

ドリーム「了解!」

カズミン「同じく了解!」

今日子「私を選んでくれるなんて、期待に応えなくちゃね」

アライヴ「分かりました」


みんなこの指令室にいるようで、4人ともジークの提案を受け入れたようだった。


ジーク「次に大まかな作戦等話す。まず、紫陽花、サイファ、ビューティフルベルの師団は、基本俺の命令に従ってもらう。」


和也「どういう事だろうか」

陽菜「トップの命令には絶対に従えって事なのかな」

和也「でもこういう事をわざわざ言う必要はあるのかね」

陽菜「元帥がやられるとそこで敗北が決まるから、いざって時の為に念を押しておいたのかも」


そうなのだ。

今回のルールでの敗戦は二通りある。

一つが所持する拠点がゼロになる事。

そしてもう一つが、元帥の死だ。

だから絶対に元帥は守らなければならない。

有力な師団が3つもジークの支持で確実に動くとなれば、かなり安心感がある。

いや、普通なら全師団がそうあるべきなのかもしれない。


ジーク「異論はあるか?」

紫陽花「従いますよ」

サイファ「お前の命令を聞くとか拷問かよwまあでもそれが普通だと俺も思うw」

ビューティフルベル「結構よ」


3師団隊長は全て従うようだ。

となると美菜斗の所と、俺達月読命師団はどうするのだろうか。


ジーク「で、後の師団だが、美菜斗からは事前に連絡を貰って、単独行動させて欲しい旨聞いて了解した。月読命の事はよく知らねぇから何か意見があったら言ってくれ。」

月読命「ふむ。俺は楽しくプレイしたいのであ~る!好きにさせてくれたまへ」

ジーク「役に立たないようなら資源や予算はあまり回さないだけだから、好きにしてくれ。」

月読命「うむ」

ジーク「さあ後の部隊編成はそれぞれの大将に任せるが、他に移動等希望があれば言って欲しい。ただし将官のみに限る。それ以下のものの意見を一々聞いてはいられないからな。」


つまりジークに意見がある場合は将官を通すか、或いは准将以上の階級まで上がってこいと、そういう事だろう。


ジーク「どうやらなさそうだな。」

じぇにぃ「ちょっと待ってぇ~」


あらあら幼子先輩が何やら意見するようだ。

一応階級は准将なので聞いては貰えるのだろうけれど、本人を知っていたらあまり聞きたくないかもね。


ジーク「なんだ?」

じぇにぃ「わたしぃ~月読命師団のカッチ部隊に移動したいんだけどぉ~」


陽菜「えっ?私達の所に?」


ジーク「理由はなんだ?お前の事は知ってるが、そこそこ戦えたと記憶している。理由なく活躍が見込めない部隊に移動させるのは惜しい。」


確かに俺は最近そんなに自分が強くなかった事を自覚したよ。

でもな、流石にそこまで言われるとちょっとむかつくんですけど。


じぇにぃ「ひひひ。活躍わできると思うよぉ~そこにいるチョビは元紫苑軍で一緒に戦った仲だしねぇ~それにねぇ~カッチとはリア友だから何かと都合が良いと思うのぉ~」


陽菜「えっ?そうなの?」

和也「アレ?言ってなかったっけ?学校にゲーム部があって、子供みたいな先輩がいるって言ったでしょ?アレ、じぇにぃの事なんだよ」

陽菜「えーー!!それ早く言ってよー!」


ジーク「ふむ。確かにリアルでつながりがあると何かと便利だな。紫陽花はじぇにぃが出て行って問題ないか?」

紫陽花「そうですね、ちょっとうちの戦力が心配ではあります」

ジーク「だったら月読命師団の少将である『上杉謙信』とのトレードでどうだ?」

紫陽花「私は問題ありません」

上杉謙信「俺もかまわんよ。そっちのが面白そうだし」

月読命「本人が了解しているなら俺様は何も言わないのだw←言ってるw」

ジーク「ではこちらも相棒と一緒にトレードだ。さあ他にあるか?」


言うまでも無いが、幼子先輩の相棒はえり先生だ。

なんだか楽しくなる予感がした。

しばらくチャット画面は沈黙を続けた。

それを見てジークは次の話へと移った。


ジーク「では当面の作戦を伝える。宇宙に出るまでは基本守りのみ行う。とにかくゲームできるヤツは攻撃してくる敵を倒す事。死んでも何も問題ない。すぐに復帰できるから、自分を犠牲にしてでも守ってくれ。」


なんと、他国を攻撃しないと?

しかし冷静に考えれば理にかなっている。

とにかく自分達が早く宇宙に出る事が必要だ。

他の邪魔などしているくらいなら、確実に守った方が良い。


ジーク「何番目に宇宙に上がれるか分からんからその後の作戦は今の所未定だが、とにかく1番に出て月を奪うのが当面の目標だ。俺達は優勝できる人材が揃っている。勝とう!」


ジークの言葉に再びチャットが騒がしくなった。

俺も少し鳥肌がたった。

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