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宇宙の絆Ⅲ  作者: 秋華(秋山 華道)
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日米決戦

天照皇大神の高天原から出撃した俺達は、直ぐに要塞内に入って戦闘エリアまで移動した。

そこで見たものは、ちょっと苦笑いしてしまうものだった。


カッチ「あの友軍機の戦い方、誰かに似てないか?」

月読命「韓国のキングに似てるかもな(汗)」

爽真「あっちも名前は違いますが間違いなく関羽ですよ。どう見ても。もしかして‥‥」


間違いなかった。

ジークの秘策というか、やけに余裕があった理由が分かった。

今の日本は、ただの日本軍ではない。

日中韓同盟軍なのだ。


カッチ「こりゃなんとかなりそうだな。アマテラスはそのままアメリカの本拠地、月に向かってくれ」

天照皇大神「がってん・・・って一人でぇ?」

カッチ「先に沖田艦長とか、このみや直幸くんなんかも向かっているよ」

天照皇大神「そうなのぉ。分かったぁ」

月読命「しばしの別れ寂しいのぉ~」

カッチ「いや、今一緒にいるんだろ?更にしゃこたんもw」

月読命「これはどういう事だ!?説明を求める!」

カッチ「そんなに喜ぶなよwあー裏山!」


しゃこたんを月読命の家に向かわせたのは、俺の提案からだ。

まさか冗談が本当になるとは思わなかった。

以前話していた夢のコラボレーション、天照皇大神としゃこたんの共闘の話をチサトにしたら、『見てみたいよぉ~』とか言い出して、連絡とってなんとかしてしまったってわけだ。

全くチサトは恐ろしい人だ。


カッチ「おっ!アレはスーパーマンじゃね?」

ドリーム「私がやるよー!」

カズミン「俺だよ!」

アライヴ「いいや俺が!」

爽真「僕がやります!」

呼んだでござるか?「呼んだでござるか?」


流石にこれだけのメンバー相手だと、世界チャンプと言えども辛いだろうな。

でも、こちらもそれほど戦力を集中させる余裕はない。

アメリカにはかなりの使い手が沢山いる。

eスポーツの盛んな国だからな。


カッチ「おいおい、他にも強いのがゴロゴロいるんだから、ちゃんと考えてくれよー」

月読命「スーパーマンは俺一人で十分だから、皆は他に行くよろし!」

カッチ「おっ!いよいよ本気でやる気になったか?」

月読命「最後くらいはな」


ゲーム開始時、人型乗りの中で最も階級の高かった月読命。

確かに前作での成績が影響した所もなかったとは言えない。

なんせ『絆Ⅱ』の第1回大会で優秀だった大将が、今回のゲームの初期階級で5人も大将に選ばれている。

でも月読命は実質大将だったとは言え、前作では大将ではなかったのだ。

唯一大将ではなかったのに選ばれ、唯一人型乗りで選ばれているのだから、相当成績が良かったと言える。

ただゲームを楽しみたいという方が強くて、あまり本気にはなれない性格なのだろう。

せっかくやる気になったのだから、此処くらいは月読命に戦わせてあげたかった。


カッチ「月読命が戦いたいそうなんで、みんなは他をよろしく!」

ドリーム「負けたら私がやるからね!」

カズミン「了解!」

アライヴ「ま、いっか」

爽真「月読命さんなら仕方ないっす」

呼んだでござるか?「呼ばれなかったでござる」


アメリカのナンバーワンプレイヤースーパーマンは確かに強かった。

カナダのナイアガラの滝と同じか、それ以上にも感じた。

でもそれに月読命は負けていなかった。

正直半信半疑ではあったけれど、やはり月読命は強かった。

たぶん俺が目指した一生くんよりも強い。

もしかしたら俺が一生くんをライバル視していた事で、月読命は本気になれなかったのかもしれない。

まあ本当はただ単に気分屋なだけかもしれないけどね。


さて戦況は日本が優勢のようだ。

侵入してきた敵人型は、徐々に数を減らしている。

もうすぐビューティフルベル師団が月へと攻撃を開始する頃だ。

そしてその強さに、アメリカ軍は撤退して救援に向かう事になる。

間もなくモニター左上に交戦中のメッセージが表示された。


ジーク「作戦はここまで順調にきている。もう間もなくアメリカ軍が撤退を開始するだろう。そしたらそれに合わせて追撃する!全員準備してくれ!」


俺達は強い。

個々の能力では負けない。

チームとしての絆も強くなった。

戦術も覚えた。

後は戦略さえ間違えなければ、俺達は勝って当然なのだ。

そして今、勝つための戦略通りにきている。


カッチ「敵が引き始めたぞ!一応戻ってくる可能性もあるから、俺達は確実に撤退を確認してから追撃する」

月読命「まだクシちゃん来てないしな」

カッチ「分かってたか」

月読命「クシちゃんだけまだカッチ旅団所属に残ってるしw」

カッチ「やっぱ月読命は強かったな」

月読命「もう駄目。眠くて死にそうだから、後は頼む‥‥」

カッチ「ま、楽しもうや」

クシナダヒメ「ひぃー!きましたよー!一人で寂しいし、見捨てないでくださーい!(泣)」

カッチ「来た来た!(笑)」

月読命「ではそろそろカッチ旅団の方々は、山田のお餅に乗り込みましょう!」

ドリーム「行きますか!」

カズミン「了解!」

アライヴ「最後の戦いだな」

じぇにぃ「まだぁ~モンゴルとの戦いもあるよぉ~」

紫苑「だな」

呼んだでござるか?「呼んだでござるか?」

ニムエ「はぃ」

爽真「ジークさんまで出撃とか、完全に総力戦ですね」


総力戦とは、『全ての力を出し合う戦い』と思っている人も多いかもしれない。

でも本当は、敵を無力化する戦いの事である。

今日、アメリカを倒し切るのだ。

俺達は山田のお餅に乗り込み、アメリカの本拠地、月へと向かった。


2時間後、月に到着した時に俺達を驚かせたのは、天照皇大神としゃこたんの艦船ぶん殴り攻撃だった。


カッチ「やっぱり完全にチートじゃねぇかよ!(苦笑)」

月読命「俺は横でプレイしている二人のモニター見てるから、知ってたけどね‥‥(汗)」


前に見てみたいと言っていた、天照皇大神が艦船を操りぶん殴るタイミングで、しゃこたんがバリアを張るという攻撃。

天照皇大神だけだと、あまり多様する事はできなかったし、相手が艦船となれば受けるダメージもそれなりにあった。

でもそのタイミングでバリアを張るわけで、艦船へのダメージが最少で済む。

千本ノックが、十万本ノックくらいできるようになるわけだ。


月読命「じゃあクシちゃん、あの戦場の手前まで運んでおくれ」

クシナダヒメ「それって主戦場の中心じゃないですかー!」

カッチ「アメリカ軍はインド軍のようなAIは使っていないから大丈夫でしょ」

クシナダヒメ「適当な事言わないでくださいー!でもアメリカ軍の方が数が多いじゃないですかー!」

月読命「そうだね。たった6倍くらいだよ」

クシナダヒメ「たったとか言わないでくださいー(泣)」


そんな事を言いながらも、クシナダヒメは戦場のど真ん中へと突き進んだ。


ドリーム「さあやるよ!」

カズミン「今度はスーパーマンは俺がやる!」

アライヴ「俺達にやらせて欲しいなぁ」

トイキ「そうなのさ」


俺はチャットを全士官チャットに切り替えた。


カッチ「さあパーティーの始まりだ。勝つための算段は十分にしてある。みんな思う存分楽しんでくれたまへ~」


別に俺が元帥でもなんでもないんだけど、なんとなく言いたかった。

何故なら、今猛烈に楽しんでいるから。

するとみんなも士官チャットに切り替え、次々に返事が返ってきた。


月読命「偉そうだな!」

爽真「了解っす!」

じぇにぃ「やるよぉ~」

光合成「先生はこんな時、ずる休みしている生徒を叱るべきなのだろうか」


そういえば本当は今、学生は授業を受けている時間だ。

労働者は労働に励んでいるに違いない。

今日本軍で戦っているメンバーは、ニートか主婦かガチ勢か、とにかくかなり数は少ないのだ。

一方アメリカは深夜。

普段なら眠っている時間とは言え、ゲームに参加できる人数は圧倒的に多い。

そもそも参加人数でもアメリカには負けている。

数では勝負にならない。

しかし俺達は個々の力で一枚上回っている。

更に単なる烏合の衆ではなく、しっかりとした戦術を持って戦っている。

不思議なのだが、インド戦でAIの動きを観察してからか、いや既にそれ以前から、俺はかなりプレイヤーの動きが見えるようになっていた。

味方の動きも含めてだ。

だからと言ってそれに合わせて動いて戦えるかと言えば難しく、ソロプレイならおそらく一生くんどころか、幼子先輩にすら勝てないかもしれない。

一生くんレベルに言わせれば、このゲームの世界戦では、遠い国とのバトルで若干のタイムラグを感じるそうな。

だから一部のプレイヤーからは苦情もあるという。

攻撃が当たったと思っても、次の瞬間かわされている、なんて事にもなるらしい。

まあカズミンやドリームに言わせれば、それも含めてのバトルだそうな。

戦いにそれを利用するのがプロ。

俺にはそこまでは無理だ。

でも陽菜と一緒にスサノオに乗って、みんなをサポートする事はできる。

美鈴のように指示を出すのは無理かもしれないけれど、今の俺は俺のやり方でこのフィールドを支配しているのだ。


和也「俺は今、この戦場でナンバーワンの気分だよ」

陽菜「完全にかっちゃんが支配しているよね」

和也「アメリカのプレイヤーも、まさか自分たちが思うように戦えないのが俺達にあるなんて、思ってもいないだろうな」

陽菜「これだけゴチャゴチャしている戦場では流れ弾も当たり前だし、私達に気づく人もいないみたいだよね」

和也「攻撃してくるヤツはいるけど、主に俺達の後ろの艦船狙いだからな」

陽菜「傍から見ると、ただ艦船を守っているだけの旅団長だもんね」


仮に俺達が落とされるような事になれば、おそらく日本は此処からかなり苦戦する事にはなるだろうな。

でも仮にそうなったとしても、俺達の勝ちはもう間違いないだろう。


和也「しかしアメリカはやっぱり強いな」

陽菜「スーパーマンはまだ落とせてないもんね」

和也「他にも強いのがゴロゴロいるし」

陽菜「でも日本も負けていない」

和也「おっ!直幸くんがスーパーマンにロックオンしたようだぞ」

陽菜「どうなるか見ものね」

和也「他は遠慮して直幸くんに任せるようだな。まっ、負けそうになったら俺がフォローするか」

陽菜「そういえば今日、直幸くんの6歳の誕生日だよ」

和也「6歳男児が世界チャンピオンに何処までやれるのか」

陽菜「カナダのナイアガラの滝を倒したのは、タイミングが良かったのもあるしね」

和也「今度は真っ向勝負だな」


直幸くんは結局スーパーマンを倒せなかった。

ただ力は完全に互角に見えた。

しばらく戦って、倒せないから面白くなかったのか、直ぐに別の敵に標的を変えて去っていった。

その後また、一生くんなり、ドリームなり、太郎くんなりが戦いを挑んでいたが、結局スーパーマンは誰にも倒す事ができなかった。


和也「誰にも倒せないみたいだな」

陽菜「そろそろ敵の数も減ってきたし、決着をつけてもいいかもね」

和也「みんなで倒すか」


俺がそう陽菜に話した時、月からアメリカの元帥『ドナルド』が人型に乗って現れた。


和也「ちょっ!元帥出陣してきたんだけどw」

陽菜「このままだと負けると思ったのかな。ドナルドはスーパーマンのライバルなんて言われているし、自らの力で戦況を打開しにきたのかも」

和也「もしもスーパーマン並みの強さを持っているなら、この状況を変えられると思っても不思議じゃない」

陽菜「でも、私たちはまだ日本のトッププレイヤーたちのサポートをしていない」

和也「さて、本気でこのフィールドを支配するか!」

陽菜「倒しちゃおう!」


カッチ「月読命!元帥のドナルドが出てきたぞ!」

月読命「えー‥‥戦うのしんどい~爽真きゅんよろしく」

爽真「スーパーマンのライバルって言われている人ですよね。でももう疲れてやれる気がしないですよ」

じぇにぃ「がんばれぇ~太郎~」

爽真「はい!リナさん!必ず倒して見せますよ!」

月読命「仕方ねぇなぁ~俺も少しは手を貸してやるか」

天照皇大神「流石久弥くん~やさしい~」


太郎くんは単純だった。

まあ本当はなんだかんだと倒したかったのだとは思うけどね。

スーパーマンのライバルと言われるだけあって、ドナルドは強かった。

しかし太郎くんと月読命、そして俺のサポートがあれば、倒せない相手ではなかった。

最後は逃げようとするドナルドを俺のフェンネルがとらえ、動きが一瞬止まった所を何処からともなく現れたえり先生がビームソードで斬りつけ、じぇにぃがライフルで打ち抜いて戦闘不能状態へとしていた。

後はとどめを刺せばこの日米決戦は俺達の勝利だ。

スーパーマンが助けに向かってくる中、突然現れた関羽のような戦い方をするプレイヤーがとどめを刺した。

いや間違いなく中身は中国の関羽なんだろうけどね。

美味しい所は中国に持っていかれましたとさ。

スピーカーから今まで聞こえていた戦闘音がピタリと止まり、部屋は静かになった。

モニター左上には『アメリカ滅亡』の文字が表示されていた。

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