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宇宙の絆Ⅲ  作者: 秋華(秋山 華道)
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カッチ旅団vsフランス

俺達は十分に戦える9月19日土曜日に作戦を開始した。

何やら変なウイルスがリアル世界で感染拡大し始めていたので、みんなそれぞれの自宅からのプレイだ。

そんな中でも陽菜だけは、俺の部屋に来ていた。


陽菜「今年はオリンピックが中止で残念だったね」

和也「どうせゲームに集中していただろうから見なかったよ。来年にはゲームも終わっているだろうし、来年見られるのならそっちの方が良かった」

陽菜「そうかもね」


航行中俺達は何気ない会話を楽しんでいた。

今回の侵攻は、一生くんと紫苑にだけは話している。

勝手にフランスを敵に回すのはどうかと思ったからだ。

でも一生くんも紫苑も賛成してくれたので、俺達はその他大勢の仲間には内緒でフランスを攻める事にしたのだった。

このゲーム、国籍が厳密に分けられているわけではない。

あくまで個人の電話番号があって、国内からインターネットにアクセスさえできれば、誰だってその国のメンバーとして参加できてしまう。

だから味方の中には日本在住アメリカ人もいれば、フランス人もいる。

そういう人がスパイとなれば、情報は筒抜け状態になるのだ。

大切な情報だけは一部の信用できるメンバーにしか公開しないよう考えてはいるものの、軍チャットはもちろん、将官限定チャットですら情報は洩れるだろう。

普通に考えて旅団メンバーでフランス軍を叩くのは難しい。

勝率を上げる為には、奇襲は必要な作戦だった。

とは言えこの辺りの要塞やコロニーは日本所持が多い。

なんせ少し前までは我が領域圏だったのだから。

地の利は我々に有ったわけだから、俺の思いとしてはあくまで念の為という所だった。


カッチ「ここまで見つからずにこれたかと思う。いよいよ攻撃だ!一気に攻撃だ!元帥を逃がすなよ!」


そう、今回のターゲットであるアルタイル要塞には、フランス軍の元帥がいるという情報があった。

フランス軍のもう一方の有人要塞であるプロキオン要塞は、現在ロシアと大規模戦闘中だからこちらに退避しているのだろう。

日本はアメリカと戦っているし、インドはイギリスと戦っているし、安心している所も有ったのだと思う。

この要塞には元帥軍しかいなかった。


月読命「月読命でまーっす!」

爽真「僕も!」

俺「たたかう」


真っ先に戦場に到着した旗艦高天原から、次々と主力メンバーが発進した。

どうやらもうすぐ6歳になる直幸くんもいるようだ。

これは心強い。


和也「じゃあ俺達も出るぞ!」

陽菜「あいあいさー」


俺達の戦いが始まった。


戦況は思った以上に良かった。

何より艦船での戦闘が上手く行っている。

みんな初めての戦いとは思えない活躍ぶりだ。

沖田艦長は全く心配はしていなかったが、敵の量産機をレーザー砲で薙ぎ払っていた。

クシナダヒメは戦場のど真ん中で標的にされながらも、しゃこたんほどではないけれどうまくバリアを使っていた。

このみは言った通り離れた位置からビーム砲で支援している。

町田中尉は要塞に近づいたり離れたりしながら、レーザー砲で確実にダメージを与えていた。

そしてもっとも驚くべき活躍をしていたのは天照皇大神だった。

武器を積んでいないのだから活躍なんてそもそも期待していない。

ぶっちゃけ輸送要因であり、敗走を確実にするためにいてくれれば良いと思っていた。

しかし実際は、最も敵を倒しているように見えた。

その方法が凄い。

装甲の厚い艦船を、まるでバットを振るがごとく敵機にぶつけて倒していた。


カッチ「おいおいマジかよ!アマテラスすげぇ!」


艦船を守らなければならなかった今までとは完全に真逆になった事で、俺達は何倍も強くなっていた。


月読命「流石愛美かわいい~」

天照皇大神「久弥くんありがとう」

じぇにぃ「こんな戦いかたぁ~、小麗さんしかできないと思ってたよぉ~」

チョビ「小麗さんでもここまでしなかったよね」

えり「しゃこたん並みにバリアが使えれば無敵」

カッチ「そりゃもうチートだろw」

悪即斬「でもそれ使えんじゃねえか?しゃこたんと一緒にプレイできればだけどな」

月読命「アリだなwww」


正直強いメンバーのいない対フランス戦には余裕があった。

有力プレイヤーはみんなロシア戦の為にプロキオン要塞に行っちゃってるしね。

まさか1旅団相手にこれだけやられるとは思っていなかっただろう。

俺達はフランス軍の救援が来る前にアッサリと勝利した。


カッチ「しかし攻略までに1時間くらいしかかかってないんだけど」

爽真「要塞内の防衛がかなり甘かったですね」

じぇにぃ「たぶんあれだぁ~フランスにここ取られる前にぃ~全部初期化しておいたんじゃないかなぁ~」

カッチ「そういやビューティフルベル師団と紫陽花師団でオーストラリアを攻めるまで、かなり時間がかかったもんな」

えり「取られる事を想定して、要塞レベルを下げておいたのだな」


流石にプロゲーマー集団だ。

となるともう一方の方、ベテルギウス要塞も同じような事になってやしないだろうか。

紫苑に聞いてみれば分かるか。

それなら今から攻めてみるのも面白いかもしれない。

俺がそんな事を考えていたら、将官チャットにジークの言葉が表示された。


ジーク「おいおい、やってくれたなw実はタイミングを見てフランスを叩く作戦はあったんだが、カッチ旅団でも倒せるとは思ってなかったぞ!」

カッチ「良かったかな?(笑)で、ついでなんだけど、ベテルギウス要塞もこのまま攻め込もうと思ってるんだけど」

ジーク「流石に今からじゃ無理じゃねぇか?」

紫陽花「今のカッチさんなら気が付いてると思うけど、要塞内はベテルギウス要塞も同じよ」

カッチ「やっぱそうか。ならばロシア軍が援軍を送る前に落とせるかもしれないんで、攻めるね?」

ジーク「勝手にしろ!(笑)というわけで、みんなアメリカ戦は終了だ。一旦防衛に戻ってくれ!その後はロシアとの全面戦争だ!」


どうやら俺達が行動するまでもなく、フランスとロシアを叩く予定だったみたいだな。

表立ってやるとバレるから、有力プレイヤーだけで話が進んでいたのだろう。

でも俺にも言ってくれないなんて、ちょっと寂しよね。


カッチ「そんなわけでこのままベテルギウス要塞を落としに行く!アマテラス以外は人型を回収したらすぐに出発してくれ。アマテラスは太郎くんが要塞設定を終えて戻ってから全速力で後を追う!」

天照皇大神「がってんでさぁ」

沖田艦長「了解した。全艦に通達しておく」

クシナダヒメ「ひえぇ~トイレにも行けないー!」

このみ「了解であります!」

町田中尉「チュー!」

カッチ「トイレくらいいっといれ」

えり「寒っ!」

じぇにぃ「さむいよぉ~」

爽真「寒いですね」

悪即斬「寒いな」

月読命「ふところも寒いよぉー」

クシナダヒメ「そんなわけでしばらく自動航行にしますので、何かあったらよろしくですー」

カッチ「みんなツッコミありがとう‥‥」


俺達はゲームをめいっぱい楽しんでいた。

4時間ほどの船旅は、途中ロシアが中立化したプロキオン要塞を落としたという情報が入ってきたくらいで、特に問題がなかった。

トイレ以外にも、風呂に入ったり、飯を食ったり、一応睡眠をとる者もいたりしたが、概ねチャットを楽しんでいた。

そしていよいよ俺達はベテルギウス要塞に到着したわけだが、そこに敵の姿はなかった。


カッチ「あれ?ロシア軍がいないんですけど?」

月読命「これは間違いなく俺を恐れて逃げ出したな」

天照皇大神「流石久弥くん、かっこいい~」

爽真「どういう事でしょうね。罠とかないですよね」

カッチ「これは潔い撤退かな。俺らとの全面対決が決まったようなもんだから、此処を守るメリットはないと考えたんだろう」

じぇにぃ「どっちにしてもいずれここわぁ~日本領になってただろうしねぇ~」

月読命「こういう所、ロシアの強さがうかがえるな」

沖田艦長「敵ながらあっぱれ!」

カッチ「沖田艦長!」


こうして俺達は、ベテルギウス要塞を簡単に手に入れる事になった。

そしてこれからいよいよロシアとの全面対決が始まると、誰もがそう考えていた。

しかし戦いは、意外な方向へと向かうのだった。

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