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宇宙の絆Ⅲ  作者: 秋華(秋山 華道)
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宇宙へ

いよいよ宇宙に上がる日が近づいていた。

既にアメリカがトップで宇宙に上がり、月を攻略していた。

差が無くオーストラリアも上がったが、月攻略には間に合わなかったようだ。

しかし月攻略をしていたアメリカよりも先に第1エリアに入り、第1エリア第1有人要塞『アケルナル』はオーストラリアがとった。

各エリアの第1有人要塞というのは、中央エリアへの最前線基地として有力であり、第1エリアの主導権はオーストラリアが取ったという事になる。

有人要塞は中央エリアを除く6つのエリアに全て5つ配置されており、生産力、防御力、共に高い拠点である。

それを更に強力にしたのが月であり、更に強力にしたのが地球だ。

宇宙戦では、地球は有人要塞の一種となる。

攻略方法も有人要塞とおそらく同じだ。

ただ圧倒的に規模が大きいので、有人要塞だけどもう別物と言っていい。


で、以前に話した通り、各エリアはデブリ帯という壁で区切られているわけだが、何故かそれぞれのエリアのその壁際に、背中合わせで半球状の有人要塞が配置してある。

おそらくこのデブリ帯の中で、通過可能な場所が存在するのだろう。

つまり各エリアごとに別れて対決する時、それぞれの有人要塞を最前線にして、5ヶ所で戦闘する事が可能になるわけだ。

それを各大将が受け持つ事ができるように、大将の数など数字が調整されているものと思われる。

もう少し分かりやすく言うと、デブリ帯に通過可能な場所があると仮定すれば、第1エリアから第2エリアへの最前線に有人要塞、第3エリアへの最前線に有人要塞、第4、第5ときて、中央エリアへの最前線に有人要塞となる。

5ヶ所全て押さえた時、そのエリアを押さえたと言えるのかもしれない。

ただ、デブリ帯が抜けられるのかどうか、抜けられるとして通路が見つかるのかどうか、更にリスクがあるかもしれないから、実質第1有人要塞を押さえる事が重要と言えるだろう。

他よりも少し規模が大きく、形も他と違って球状だ。


さて間もなく日本も宇宙へ行くための艦船が完成する。

後数時間だ。

このままだと日本は3番目に宇宙に出られると思っていたわけだが、僅かの差でインドが宇宙に向けて出発していた。

インドはおそらく第2エリアを攻略するものと思われる。


ジーク「どうやら俺らは第3エリアか第4エリアとなりそうだな。」

サイファ「どっちにする?内容はほとんど変わらないと思うが、第3はコロニーが多いから守る分には第4の方が良いかもしれない」

グリード「でもやっぱコロニーの生産力の方が後には必要だろう。第3で良いんじゃないか」

ビューティフルベル「攻略も第3の方が早そうだし、私は第3エリアを推すわ」


俺は正直どちらでも良いかと思っている。

確かに第3エリアを制覇できたらそちらの方が良い。

しかしおそらく敵も第3エリアの方が多くなるだろう。

そしてその後グダグダな戦いが続いて、エリア制覇が長引く可能性がある。

まあエリアを先に制覇しなければならないって事もないんだけどね。


ジーク「第3エリアを推す意見の方が多いみたいだな。俺も第3の方が良いと思うし、宇宙に出たらまず第3エリア第1有人要塞『アクルックス』の攻略に全師団で向かう。」

サイファ「了解w」

ビューティフルベル「それで良いと思うわ」

紫陽花「了解」

月読命「うむ」

ジーク「で、その後だが、まずは有人要塞の攻略に全力を注ぐ。」


和也「確かに有人要塞を先に抑えた方がいいよな」

陽菜「オセロで四隅を狙うように、囲碁で星を押さえるように、常套手段ね」


美菜斗「僕はアクルックスを押さえた後は好きにさせてもらいますよ」

ジーク「ああ、そういう約束だからそれは良いが、何をするつもりだ?」

美菜斗「僕は第1エリアに向かいます。オーストラリアだけだとおそらく直ぐにアメリカが勝利するでしょう。少しでも遅らせます」

ジーク「アメリカは確かに走らせると厄介だな。期待はしていないが頼む。で、月読命はどうする?」

月読命「ちょっちまっち!」


月読命はそれだけ言うと、いきなり師団チャットで俺に泣きついてきた。


月読命「えーんぼくは嫌だよぉ~第3エリア怖いよぉ~萌えキャラが好きなんだよぉ~猫が好きなんだよぉ~猫は狭い所が好きなんだよぉ~第6エリア万歳!」

カッチ「えっと、つまり第6エリアに向かいたいと?」

月読命「オフコース!」


ふむ。

どういう事だろうか。

狙いは全く分からないが、とりあえず俺にジークを説得して第6エリアへ向かわせろって事なんだろうな。


カッチ「分かったよ。ちょっと話してみるよ」


正直俺も全体チャットは苦手なんだよな。

とはいえ月読命ではこういうまじめな話は難しいだろうし、仕方ないな。


カッチ「ジーク元帥、月読命は『第6エリアに行きたい』と言っているw」

ジーク「第6エリアだ?戦略的にはほとんど無意味だと思うが?」


確かにそうだ。

生産性も低いし、真っ先にどこかに飲み込まれる可能性があるのは第6エリアだろう。

ただ、とはいえ別にここをメインにして戦おうというのではないはずだ。

適当な事を言ってなんとかごまかすか。


カッチ「いや、おそらくだけど、この後エリア統一が真っ先に完了するとしたら第6だと思うんだよね。そしたら他エリアは面倒くさいでしょ。だからちょっと邪魔しちゃったりなんかしてw」


適当な事を言ったのに、ジークは少し納得したようだった。


ジーク「ふむ。どこの国が取るかは分からないが、序盤は第6の優位性って確かにあるな。よし、元々好きにする約束だし、月読命に任せる。」


月読命「ありがとうカッチー!」


ジークのメッセージとは別のチャンネル、師団チャットで月読命からお礼のメッセージが送られてきた。


さてこれで一応作戦会議は終了。

後は宇宙艦船完成を待つのみになった。

そしてほどなくして俺達日本チームは宇宙へと上がるのだった。

ほぼ同時に中国も宇宙に上がっていた。


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