表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/60

044

王宮に着いたマリーナは、ことの事情をナイトハルトに説明していた。


「ですから、私が一時的に隣国の子爵家を継いで、子爵の立場でワルシャワ領を訪問したいのです。

あの家とワルシャワ領は何か隠している関係があると思います。

私はあの家に仕える戦闘集団がいるなんて聞いたことがありません!」


「そのことなら大丈夫だ。マリーナに元子爵という経歴を付けるために手配していた。

少し予定とは異なる使い方だが、良いだろう。念の為に父上にも話を通しておく。」


「爵位を継ぐのって時間がかかるんですよね?魔法の使用制限解いて、転移して良いですか?」


「使用制限?なんだそれは?」


「街中で使用する魔法の魔力は空間を歪めない程度のものと法律に記載がありましたので。」


「破られた前例がないから失念していた。今から父上、陛下に連絡して、許可をもらおう」


*****


使い物を通して正式に転移の許可をもらったマリーナは急いであの家に向かおうとする。


「待て、私も行くぞ。あと護衛2人もな。」


「ごめんなさい、転移は2人で限界なのです。連れて行けるのは1人だけです。」


「では、私がいく!」


「殿下、なりません。護衛もつけず、隣国に行くなど!」

「そうです、殿下の御身に何かあったらこの国はマリーナ殿を追い詰めますぞ!」


「皆さん、ありがとうございます。私1人で向かいます。

ナイトハルト殿下、以前にお手紙を下さったというカイン殿下に直接お会いできるように、紹介状がわりのお手紙を描いていただけませんか?」


「むう、仕方ない。少し待て、すぐ用意する。」


*****

紹介状代わりの手紙を手にしたマリーナは、早速転移をするために、王宮の庭に向かった。


あの国との距離だったらこのくらいの魔力量でいいかしら。

マリーナの体を纏う魔力がゴゴーと音を立てて見えるかのように高まっていく。


「では行ってきますね!転移!」


マリーナがいた場所は草も雲も全て穴が空いたようにキレイになくなっていた。


「あれが転移魔法か。初めて見たぞ。」

「私もです。人の身で転移ができる者など有史以降聞いたことがありませんぞ!」


「彼女は思っていたよりもはるかに凄い魔法使いなのかもしれないな。」


マリーナが消えた場所を見つめながら、ナイトハルトや側近は呆然として立ち尽くしながらもマリーナの評価を見直したのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ