004
「消し飛べ!」
「燃え尽きろ!」
「砕け散れ!」
「爆ぜろ!」
「溶けてなくなれ!」
.
.
.
「これで20件ですね。あースッキリした」
「う、うむ、確かに。報酬の金貨75枚だ。」
マリーナはお金を受け取り、ギルドを出た。
◆◆◆◆◆
お金も稼いだし、ストレスもまぁまぁ発散できたし、一石二鳥だったわね。
あの家の近くの依頼だけは受けないようにしないとね。なんかイヤだし。
来る日も来る日もマリーナはギルドの依頼をこなし続けた。
1週間ほど過ぎると、ボードにあった依頼表はあの家の付近のもの以外全てなくなっていた。
その甲斐あってか、周辺の領はとても暮らしやすくなっていた。整備された道、魔物が襲ってこない街道、虫の害が少ない農地。
ほどなくしてあの家の周辺から他の土地に引っ越し始めるものが出始めた。
◆◆◆◆◆
その頃、あの子爵家では:
「ミリアム、どうしてマリーナができていたことができないのかしら?」
「そんなこと知りませんわ。私はただ連れてこられただけですもの。」
「あなたの魔力は他の子より強いのよね?」
「もちろんですは他の子の5人分はありますわ。」
「おかしいわ、家庭教師たちはあなたの実力がマリーナの半分以下だと言うのよ。どうしてかしら?」
実はマリーナの魔力量は普通の人間の1000倍ぐらいある。それをコントロールするのはとても大変なことで、マリーナはうっかり人を傷つけないように丁寧に丁寧に制御をしていたのであった。
そんなことを、彼らはまだ知らない。