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022

クロウとラビを残して立ち去ったマリーナは、マッピング魔法と風魔法の組み合わせで手早く間100体の魔獣を狩り、無限ストレージに収納すると、ダンジョンの入り口に向かった。


夕方までまだ時間があるわね。雑貨店を開くための場所を探しに行きましょうか。


地上階に続く階段を上り、ダンジョンの扉を開けると、受付の人と目があった。


「お一人ですか?お連れ様はどうなさいましたか?」


「連れは修行中なの。まだ地下1層にいるから大丈夫よ。夕方にまたそこで会う約束をしているの。」


「左様でございますか。それは安心しました。夕方までの外出ということですね。」


マリーナは適当に受け答えをし、建物の外に出ようとすると、入り口付近に高級そうな装備に身を包んだ一行がいた。


どこかの貴族かしら?あまり関わらないほうが良いわね。

静かに通り過ぎようとすると、中心にいた若い男性がマリーナを見て声を上げた。


「あ!口付けの救世主だ!」


こちらを見てそう言ったはずだが、何のことかわからない。そのまま通り過ぎようとすると、若い男性がマリーナの前に立ち塞がった。


「私のことを覚えているか?先日、毒を盛られて、意識を失いそうになっているところをそなたに助けられた者だ。」


思い出した。確か唾液交換で解毒したんだったわ。不本意ながら口づけのように思われているみたいね。あまり関わらないほうが得策かも。


「助かってよかったです。お大事になさってください。では失礼いたします。」


「いや、待って欲しい。私はそなたの安全確認と礼がしたい。」


「私は健康そのものです。大した事ではありませんのでお礼は必要ありません。できれば恵まれない子供たちに、少し寄付をいただければ、嬉しく存じます。」


「なんと慈悲深い!よければ名を聞かせてくれぬか?」


「マリーナです。今は家名はありません。」


「私はナイトハルト・フォン・ティーラ。この国の第二皇子だ。

して、今は家名がないとはどういうことだ?」


マリーナはもともと平民の出身で幼い頃にある子爵家の養女になったこと、その家は魔力が多い者を後継者に選ぼうとしていること、自分よりも優れた者が養女になったために、自分が追放されたこと、を淡々と説明した。


「なんだそれは?どう聞いても貴族法違反ではないか?わが国の貴族なのか?」


「いいえ隣国です。それにいいんです。私はここで実力をつけていこうと決めたのです。


まずは雑貨屋を開こうとしていて、そのための場所をこれから探しに行くんです。


声をかけて下さってありがとうございました。

では失礼します。」


頑なに立ち去ろうとするマリーナだったが、マリーナをかけてきたナイトハルトは簡単にあきらめないのであった。


「では私も同行しよう」


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