021
前世の夢を見た。
社畜で喪女だった私が唯一ハマっていた乙女ゲームの攻略対象、ジーク様と手を繋いで寝る夢を。
今日は気持ちよく1日を過ごせそうね。と思っていたら、目の前にジーク様のお顔がある。そんなはずない、きっとまだ夢なんだろう。
もう1度眼を開けると、全裸のジーク様が一緒にベッドで寝ているのだった。
「え?にゃ?なんで?うわ!えーーー!?」
「おはようございます、マリーナ様!」
ジーク様が色気のあるハスキーボイスでマリーナ様と呼んでくる。ひぇぇ??
「ラビですよ!ご主人様の意思の通りに変身することが出来ますので♫」
なんと心臓に悪いのか。ちょっとは嬉しかったけど。出来れば、お願いした時以外は変身しないように、ラビにお願いする。
そうこうしていると、クロウも目を覚ました。
「ふわぁ、姉さん・ラビ、おはよう!どうかしたの?」
「なんでもないわ!今日も張り切って行きましょう!」
(これは触れてはいけないタイプの話かな?)
「うん、今日もよろしく!」
◆◆◆◆◆
マリーナは、今後の計画として、
魔獣100体狩りとお店作りを交互に行うことを2人(1匹と1人)に伝えた。
最強になるために、体力づくりと人脈作りを一緒に頑張るというものだ。
お店は魔獣肉や素材、ポーションが売れるような雑貨店を考えている。
「クロウはまず、この層の魔獣を1人で100体倒してね。HPやMPはラビがポーションでサポートしてちょうだい。
私は先に100体狩って、待ってるわね。
じゃあまた夕方にね!」
マリーナは、風のようなスピードで2人を残して立ち去ってしまったのであった。