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箱庭の中で  作者: 悠姫
1/1

日常.

お久しぶりの方はお久しぶりです。

はじめましての方は初めまして。ぜひ他の作品も読んでいってくださいね!

さて、今回の話に移ります。

普段通りの生活に慣れて、とても退屈な日々を送っていた。

しかし、その生活は昔助けた少女と出会い、普段通りの生活に終止符が打たれる。

この先の未来がどうなるのか、彼女は知る由もない。

少し肌寒い風が吹く。

上を見上げれば満天の星空。

目の前には大きな湖があり、空の星たちが反射している。

まるで宇宙の中にいるような、そんな感覚。

二階から眺めるその景色は、無限に広がっているように感じた。

永遠とこの時間が続けば良いのに。

「姉さん、そろそろ部屋に戻らないと風邪引くよ」

「そうね。後ろから押してもらえるかしら」

現実に引き戻され、今の自分の状況に落胆する。はぁ。と大きなため息が思わず出てしまった。

また、普段の生活が始まってしまう。何もできない、退屈な生活へと。


夜が明けて、いつもと何も変わらない朝が来る。

ゆっくりと体を起こし、使用人を呼ぶ。ドアがゆっくりと開き、とても丁寧な仕草で私の体を車椅子へと移す。

そのまま朝食が運び込まれ、テーブルの上に並べられる。

テーブルの前に移動してパンを口に運ぶ。

食べなれた味。特に変化があるわけでもない。スープと交互に食べてみても、特に味が変わることはない。

「お嬢様、御食事が終わりましたら外へ散歩でもいかがでしょう?」

「それもいいわね。今日は少し暖かそうだし」

「では、私がご案内いたします!」

「それじゃあ、お願いするわ」

元気な使用人もいたものだ。最近雇われたのだろうか。そんなことを考えていても仕方がない。どうせ、私には関係のないことなのだから。


朝食を終え、食事とともに外へ連れ出される。やっぱりここも、いつもと変わらない風景。つまらない。

「勝手ながらお嬢様、私の昔話をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

ゆったりと進みながら、問いかけてくる。まあ、暇つぶしになるし、良しとすることにした。

「10年ほど前の話でしょうか。そのとき私は6歳でした。私は母にお使いを頼まれ街に出ていました。一人で街に出るのは初めてでとても緊張していました。母は私にパン1つとりんご3つ分のお金だけ渡されていました。一人で歩く街はいつもより大きくて、とても怖いものでした。道もいつもとは違って見えて、何度も迷ってしまいました。暗い路地裏や、大きくてたくさんの人が通る道……」

そこでいったん切れてしまう。ふと、彼女の顔を見上げてみると、少しはにかんで笑いかけてきた。

「そんなお使いの途中に、お嬢様とお会いしました。お嬢様は覚えていらっしゃらないと思いますが……。

その時お嬢様は私が道に迷っていたのに気づいてくださったのか、優しくこうおっしゃいました」

「どうしたの?一人でこんなところ歩いて。迷子?」

彼女の言葉に続けて思わず発してしまう。様子を伺うように顔を見上げると、目を大きく見開き、そのまま涙を流し始めた。

「まさか、お嬢様が覚えてくださっていたなんて。あんな些細な出来事を。どうして、ですか?」

あの日の出来事は忘れるはずもない記憶だった。理由を話そうとするが、彼女のその表情を見たとたん、言葉に詰まってしまった。

「でも、理由はどうであれ覚えてくださっていたことに変わりはありません。私はその日、騎士であるお嬢様に一目惚れしてしまいました。その日から私はお嬢様のもとで生活することを目標に生きてきました。強行してお嬢様とお話できていることは、今でも夢のようです」

「そうね。たしかに貴方とまた会う日が来るとは思いもしなかったわ」

そこからの時間は、彼女がひたすらに昔のことを話し続けるだけで過ぎていった。それはいつもの日常とは少し違っていて新鮮にも感じられた。


昼になり、ベッドの上でゆっくりと横になりながら外を眺めていた。また、つまらない時間に戻ってしまう悲しさを感じながら目を瞑る。

すると突然誰かがドアをノックする音が聞こえた。

「お嬢様、お会いしたい人がいるとのことですが、どうされますか」

「どのような方?」

「はい……それが、少し変な方でして。医者を名乗っているのですが、バッグ等は何も持っておらず、黒いマントを着ている男なのですが」

医者?医者が何のようなのだろうか。でも少し気にもなるし通してみてもいい気はする。

「通してあげて」

「はい……」

少し心配そうな返事が返ってきた。そうなるのも仕方ないか。得体の知れない人物が屋敷内に進入するのだから。


しばらくして、またドアをノックされる。

「どうぞ」

ドアの前に建っていたのは、説明にあったとおり黒いマントを着た男だった。顔は口元しか見えず、不気味さを増している。

「アリス・フォン・ヘルズガルド様で間違いはないでしょうか」

「えぇ。私に一体何のようでしょう」

「申し遅れました。わたくし、医者をやっておりますフィン・ザクレーと申します。本日は貴女様の体についてお話したいと」

「嘘はつかないで。貴方、医者なんかじゃないでしょう。目的は何?私を殺しにでもきたの?」

「まさかこんなにすぐに嘘がばれてしまうとは。いやはや、アリス様の前で嘘はつけませんな。こうなってしまっては嘘をついても見抜かれるのがオチでしょう。単刀直入に申します。貴女の人生を変えるためにやってまいりました」


この日、私のいつもどおりの日常が終わった


さて、今回のお話は変な男が出てきて終了となりました。

もう少し書き込みたかったのですが、短く多くすることによって私の体力が持つと考えた結果、この量となりました。

どういった方向にこの先の未来が進むのでしょう。

私も読者になった気分でこの先も楽しんでいけたらなと考えています。

今後、更新は不定期となりますができる限り短い期間で投稿していけたらなと考えています。

箱庭の中で

これからもよろしくお願いいたします。

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