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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
新たな夜明け
39/46

神にゆだねよ

【上 空】

        

虐殺(ぎゃくさつ)された騎士の恨みが広がり、曇った空が全天を覆い尽くす




【とある村】


法衣の男:「この雲こそが、不安定な世界を象徴している。雲の先に足を踏み入れよ。さすれば神の国は到来する」

村人:「神を信じればいいのか?」

法衣の男:「全ての疑念を捨てて、神に身を()()()()

村人:「神の名はなんという」

法衣の男:「神に名はない。神に姿はない。あなたたちは、ひたすらに神にすがる気持ちをもてば良いのです。さすれば神はあなたの近くにいる」


        


法衣の男に(いぶか)しげな視線が投げかけられている

法衣の男:「あなたたちは、死が怖いか?」

村人:「怖い」

法衣の男:「神の国には、死はない」

村人:「死がない?」

法衣の男:「死もなく、恐怖もない。あるのは永遠の命と、平和が支配する神の王国だ」

村人:「永遠の?」

村人:「命?」

        



あちらこちらから、神を(うやま)う声が聞こえる

満足げにその様子を見る法衣の男

法衣の男の足下に小さな足が近づく

大地の侍女アリアは、法衣の男を見上げる

アリア:「私は神にはすがりません。信じます」

法衣の男:「ほほう」

アリア:「きっと来ます。司る者が」





【海 上】

        

霧の向こうから現れる帝都セイクレッド・ガーデンの威容(いよう)

カナン大地上空をゆっくりと進む帝都

影がカナン大地を覆いながら進んでいき、逃げまどう動物たち

帝都に吸い込まれるアレキサンダー





【聖都スクード 聖廟(せいびょう)


上空にも黒い雲が立ちこめている

セレン:「おそらく、騎士達はここを破壊したのと同じ事をするのでしょうね。世界の各地で」

ミラン:「戦うしかないのね」

セレン:「太陽の子の所に戻りましょう」

ミラン:「フレイ、一緒に来て。来てくれるよね?」

フレイ:「でも、僕は」

オリバー:「行くのだフレイ」

フレイ:「師匠・・・」

オリバー:「お前は、自分の守りたい者を守るのだ。その時が来た。それはお前の運命なのだ」





【上 空】


セレンと、ミラン、フレイを乗せたペガサスが黒い雲につっこむ

亡霊騎士の返り討ちに()う三人

雲から吐き出されるペガサス





【太陽の神殿】


どうにか体制を持ち直して、神殿頂上に着地するペガサス

        

取り払われない黒い雲を見ているヒューマ達

ヒューマ:「なぜ雲が取れない」

サーラ:「それほどまでに騎士の恨みは強いの・・・」

考え込むセレン

水晶玉を出して、通信を始めるセレン

セレン:「一つお伺いしたいことがあります一等星の騎士殿」

オリバー(オフ):「なんでしょう?」

セレン:「流星の騎士がなぶり殺しにされた時、彼らはなぜ頼みの綱であるペガサスを用いなかったのでしょう?」

オリバー(オフ):「今となっては詳細は分かりませんが、ペガサスが来なかったということらしいですが」

セレン:「来なかった?」

オリバー:「ええ、来なかった」



◆回 想(第三部7部より)

ペガサスの牧場

凍りつけになっているペガサス達

()()()()になりながらも、凍り付いたペガサスをなでるカノン



セレン:「なるほど、そういうことか」

サーラ:「えっ?」

ジェス:「どういうことだ?」

セレン:「わたしに妙案があります。ですが説明するのに膨大な時間を要します。わたしに任せて頂けますか太陽の子」

ヒューマ:「セレンがそこまで言うのなら、セレンに任せるよ。俺たちは」

ベルタ:「あなたが戻ってくるまで持ちこたえるわ」

セレン:「ありがとうベルタ」

(うやうや)しく礼をするセレン




セレン:「ミラン、フレイ、わたしと一緒に来てください」

ミラン:「わたし?」

フレイ:「僕が?」

セレン:「あなたの持っている剣と盾、そしてペガサスを本来の持ち主に返すのです」

ミラン:「返す?」

セレン:「そうです。ペガサスに乗ってください」

ペガサスに乗るセレン、ミラン、フレイ

セレン:「シックル、飛んでください。霧の向こうに。あなたがいた牧場まで」

ペガサス:「心得た。月の使徒よ」

        


飛び立つペガサス

ベルタ:「頼むわよセレン」

雲の彼方、霧の向こうに飛び去るペガサス

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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