神にゆだねよ
【上 空】
虐殺された騎士の恨みが広がり、曇った空が全天を覆い尽くす
【とある村】
法衣の男:「この雲こそが、不安定な世界を象徴している。雲の先に足を踏み入れよ。さすれば神の国は到来する」
村人:「神を信じればいいのか?」
法衣の男:「全ての疑念を捨てて、神に身をゆだねよ」
村人:「神の名はなんという」
法衣の男:「神に名はない。神に姿はない。あなたたちは、ひたすらに神にすがる気持ちをもてば良いのです。さすれば神はあなたの近くにいる」
法衣の男に訝しげな視線が投げかけられている
法衣の男:「あなたたちは、死が怖いか?」
村人:「怖い」
法衣の男:「神の国には、死はない」
村人:「死がない?」
法衣の男:「死もなく、恐怖もない。あるのは永遠の命と、平和が支配する神の王国だ」
村人:「永遠の?」
村人:「命?」
あちらこちらから、神を敬う声が聞こえる
満足げにその様子を見る法衣の男
法衣の男の足下に小さな足が近づく
大地の侍女アリアは、法衣の男を見上げる
アリア:「私は神にはすがりません。信じます」
法衣の男:「ほほう」
アリア:「きっと来ます。司る者が」
【海 上】
霧の向こうから現れる帝都セイクレッド・ガーデンの威容。
カナン大地上空をゆっくりと進む帝都
影がカナン大地を覆いながら進んでいき、逃げまどう動物たち
帝都に吸い込まれるアレキサンダー
【聖都スクード 聖廟】
上空にも黒い雲が立ちこめている
セレン:「おそらく、騎士達はここを破壊したのと同じ事をするのでしょうね。世界の各地で」
ミラン:「戦うしかないのね」
セレン:「太陽の子の所に戻りましょう」
ミラン:「フレイ、一緒に来て。来てくれるよね?」
フレイ:「でも、僕は」
オリバー:「行くのだフレイ」
フレイ:「師匠・・・」
オリバー:「お前は、自分の守りたい者を守るのだ。その時が来た。それはお前の運命なのだ」
【上 空】
セレンと、ミラン、フレイを乗せたペガサスが黒い雲につっこむ
亡霊騎士の返り討ちに遭う三人
雲から吐き出されるペガサス
【太陽の神殿】
どうにか体制を持ち直して、神殿頂上に着地するペガサス
取り払われない黒い雲を見ているヒューマ達
ヒューマ:「なぜ雲が取れない」
サーラ:「それほどまでに騎士の恨みは強いの・・・」
考え込むセレン
水晶玉を出して、通信を始めるセレン
セレン:「一つお伺いしたいことがあります一等星の騎士殿」
オリバー(オフ):「なんでしょう?」
セレン:「流星の騎士がなぶり殺しにされた時、彼らはなぜ頼みの綱であるペガサスを用いなかったのでしょう?」
オリバー(オフ):「今となっては詳細は分かりませんが、ペガサスが来なかったということらしいですが」
セレン:「来なかった?」
オリバー:「ええ、来なかった」
◆回 想(第三部7部より)
ペガサスの牧場
凍りつけになっているペガサス達
しもやけになりながらも、凍り付いたペガサスをなでるカノン
セレン:「なるほど、そういうことか」
サーラ:「えっ?」
ジェス:「どういうことだ?」
セレン:「わたしに妙案があります。ですが説明するのに膨大な時間を要します。わたしに任せて頂けますか太陽の子」
ヒューマ:「セレンがそこまで言うのなら、セレンに任せるよ。俺たちは」
ベルタ:「あなたが戻ってくるまで持ちこたえるわ」
セレン:「ありがとうベルタ」
恭しく礼をするセレン
セレン:「ミラン、フレイ、わたしと一緒に来てください」
ミラン:「わたし?」
フレイ:「僕が?」
セレン:「あなたの持っている剣と盾、そしてペガサスを本来の持ち主に返すのです」
ミラン:「返す?」
セレン:「そうです。ペガサスに乗ってください」
ペガサスに乗るセレン、ミラン、フレイ
セレン:「シックル、飛んでください。霧の向こうに。あなたがいた牧場まで」
ペガサス:「心得た。月の使徒よ」
飛び立つペガサス
ベルタ:「頼むわよセレン」
雲の彼方、霧の向こうに飛び去るペガサス
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