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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽が沈まない国
34/46

太陽が死に、太陽が生まれる

前話に引き続き、ヒューマとサーラが隠された岩戸の向こうの話です。


宗教的要素ごった煮の作品ですが、この件はメソアメリカの神話です。

◆岩戸の向こうの世界


【再生された世界】


黄金の鳥:「見せてやろう」

黄金の鳥は尾根を蹴って円を描いて飛ぶ。

円の中に、映像が現れる。

黄金の鳥:「これがお前達の世界の現在だ」



◆映像は、カナン大地で起こっている大集会の様子が映し出される


サーラ:「カナン大地!」




◆映像は、民衆に石打ちされるファロス


ヒューマ:「父さん!」

サーラ:「ファロスさん!」

ヒューマ:「いったいこれは、どういうことなんだ?」



◆映像は、石打ちされるファロスの近くに立つ、預言者アレキサンダー


ヒューマ:「誰だ、こいつ?」

一角獣:「彼らは『神の国をもたらす預言者』、神の使徒だ」

サーラ:「神の国?」

ヒューマ:「神って?」




◆映像は民衆に向けて声高に叫ぶアレキサンダー


黄金の鳥:「神とは唯一にして全て。全知全能の存在だ」

白銀の一角獣:「彼らは今の『司る者』の世界を排除し、神が()べる世界を創造しようとしているのだ」

ヒューマ:「それで父さんを?」

映像が消える



サーラ:「太陽が邪魔だから、ファロスさんを捕らえたってこと?」

黄金の鳥:「そうではない。太陽が死んだことを知らしめようとしているのだ」

ヒューマ:「太陽が?」

サーラ:「死んだ?」

ヒューマ:「どういうことだ?太陽が死んだって?」

黄金の鳥:「ヒューマ、残念だがお前の父はもはや太陽の子ではない」

ヒューマ:「冗談いうなよ。父さんはいつだって太陽の子だ。いくらあんたでも怒るぜ」




一角獣:「いや、お前の父にはもう太陽を沈ませる力は残っていない。お前達の世界は太陽が沈まない世界になっている」

黄金の鳥:「その混乱に乗じて神の預言者は現れた。

 今までのように太陽が全てを照らす光りではない。

 より強力な光が神であると説いている。人々は恐怖に駆られ、神の国の話を聞こうとしている」

ヒューマ:「なんだって?」

黄金の鳥:「お前の父は自分の力が終わることを悟り、お前を神の手から守るために、この世界に送り込んだ。自ら捕らわれたのだ」




ヒューマ:「オレを守るって、どうして?」

黄金の鳥:「お前が新しい太陽だからだ」

ヒューマ:「オレが新しい太陽?」

黄金の鳥:「神は強力だ。なにせ神はお前達でもあるからだ」

サーラ:「どういうこと?神は私たちって?」

一角獣:「神話を覚えているか?世界の最初には『闇』があっただろう」

頷くサーラ

一角獣:「神とは最初にあった『闇』だ。闇が割れて太陽が大地を照らして世界が現れる。お前達の半分は神と同じなのだ」

黄金の鳥:「何を思ったのか、闇である神は世界を再生しようとしている。どんな意図があるかまでは分からない。だが、神の使徒は現れた。砂の民が」

サーラ:「砂の民!?」


◆回想

演説をする砂の民(第一部10部より)

そびえ立つ神の像(第一部29部より)

ヒューマ達に立ちはだかる砂の民サンタナ(第一部29部より)



サーラ:「生きていたの?」

一角獣:「砂の民は太陽を嫌う。なぜなら砂の大地を照りつける太陽は大地から水と命を奪うからだ。

 そして神は闇だ。神の使徒は太陽への畏れ(おそれ)を取り除き、新しい世界の到来を告げている」

ヒューマ:「それで父さんを?」

黄金の鳥:「神は強大だ。古い太陽では太刀打ちができない。古い太陽が死に、新しい太陽が世界には必要なのだ」

話を聞いているのかいないのか、拳を握りしめ顔を伏せているヒューマ

サーラ:「ヒューマ・・・」

ヒューマの拳をそっと握るサーラ

ヒューマ:「父さんは、父さんは最初から死ぬ気だったんだ。だから、だから・・・・」


◆回想

幼い息子の寝顔を見守る父ファロス

太陽の神殿で再会するヒューマとファロス(第一部26部)

笑い合う父と子


ヒューマ:「父さん・・・・」

伏せた顔から涙が落ちて、大地にしみこむ


◆回想

原初の闇:「もしお前がこの世界を守りたいと思っているのなら、全てを駆けて進むのだ。たとへ身を引き裂くような苦しみが待ち受けていようともな」

(第四部14部より)



悲痛な面持ちでヒューマを見つめるサーラ

顔を伏せたまま涙をぬぐうヒューマ

サーラ:「ヒューマ・・・」

ヒューマの表情が一変している。幼さが消え去り、あらゆることを悟った引き締まった表情になっている




一角獣:「神が統べる世界。その世界の末がこの不毛の地だ」

ヒューマ:「じゃあ、俺たちが世界を守ることができれば・・・」

一角獣:「そうだ、我々は消える。違う世界がある」

サーラ:「そんな・・・」

一角獣:「悲しいかサーラ」

やはり頷いてしまうサーラ

一角獣:「優しいなお前は。だが我々のような悲しい生き物を作ってはならない。

優しさは全てを救う力があるが、その優しさが全てを失わせる原因にもなる」

黄金の鳥:「そうだ。お前の父は親子の愛ゆえに、お前を生かした。だが力の無くなった太陽の子が、太陽の沈まない世界にして混乱を産んだのも確かだ」

ヒューマ:「・・・・」




黄金の鳥:「ヒューマ、サーラ、強くなれ、強くあれ。何事にも動じず、曇らず、光り続ける太陽であれ」

一角獣:「岩のように強く、森のように暖かい大地のようであれ」

ヒューマ:「強く・・・」

サーラ:「暖かく・・」

黄金の鳥:「さあ、そろそろお前達の世界に帰る時だ」

翼を広げる黄金の鳥

一角獣:「次はお前達の世界を救うのだ。力を合わせて」

角を振り上げる一角獣

全てが光りに包まれる

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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