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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽の試練 大地の試練
3/46

焼け付く思い

第一部からちょくちょく出てきた「ゆりかごの森」に住む、スーリヤおばさんの正体に月の使徒セレンが迫ります。

【ゆりかごの森 スーリヤの庭】


森の中の手入れの行き届いた小さな庭。

庭の真ん中に大木がそびえ立ち、その(かたわ)らに椅子に揺られて()()()()しているスーリヤの姿。

森から生き物たちの鳴き声が騒がしく聞こえる



スーリヤ:「何だい、今日は騒がしいね」

空を見上げるスーリヤ

舞い降りてくるペガサスの影

(まゆ)をひそめるスーリヤ

羽音を立てずに降り立つペガサス

優雅(ゆうが)に馬を降りるセレン

スーリヤ:「随分(ずいぶん)ハデなご登場だね魔法使い」

セレン:「お初にお目にかかります。大賢者スーリヤ様」

(うやうや)しく礼をしてから五芒星(ごぼうせい)の盾を見せるセレン



スーリヤ:「それを持っているってことは、知っているってことかい?」

セレン:「すべてを知ってはおりません。すべてを知るために、あなたの所に参りました」

スーリヤ:「立ち話もなんだから、といっても立ち話じゃ済まないからおいでなさいな」

大木の()()に消えるスーリヤとセレン



【スーリヤの(いおり)


大木の()()の中のスーリヤの庵

無数のホタルが部屋を照らしている

テーブルに向かい合って座るスーリヤとセレン



スーリヤ:「私からも聞いていいかい?」

セレン:「私にわかることであれば、お答えします」

スーリヤ:「その盾、どこで拾ったんだい?」

セレン:「地中です。深く冷たい地の底。恐らく」

声のトーンを落とすセレン

セレン:「大虐殺(だいぎゃくさつ)があった場所です」

視線の落とし押し黙るスーリヤ



※大虐殺があった場所(第三部4部より)



スーリヤ:「人っていうのは不思議な生き物だねえ。恐ろしく優しいと思えば、恐ろしく残酷(ざんこく)ときた・・・」

今度はセレンが押し黙る

スーリヤ:「人間のアンタに聞くけど、どうして人は人のことにいちいち干渉するんだい?」

セレン:「それは人間の1人1人が弱いからでしょう。

 私たちは1人では生きては行けません。いかに人智を越えた力があっても。

 それを私は教わりました。ヒューマやサーラ、司る者達に」


        

顔を上げるスーリヤ

セレン:「一方で人は人を恐れます。

 弱いが故に恐れます。その恐れが時として人を恐ろしい生き物に変えるのです。

 あの大虐殺のように。

 私は伝えなくてはなりません。

 あのようなおぞましい出来事を二度と起こさないように。人の世がどのような犠牲(ぎせい)の上に立っているかを。

 教えて頂けますね。私たちの前の司る者スーリヤ様」





【大地の大聖堂 控えの間】


ヒューマ:「太陽の匂い・・・セレンがそんなことをねえ」(第三部2部より)

サーラ:「自分じゃ今まで気がつかなかったけど、私の体ってヒューマに染まっているみたい」

ヒューマ:「よせよ、そんな言い方。恥ずかしいじゃないか」

サーラ:「ううん。私嬉しいの。いつでもヒューマと一緒だなって感じられるのが。今までこういう感覚ってなかったけど、すごく嬉しいの」

ヒューマ:「良かった。サーラが元気になってくれて」

サーラ:「うん」

のぼせているがヒマワリのような笑顔を見せるサーラ



ヒューマ:「でも不思議だよね。他のみんなは太陽の力がそんなに影響していないのに、サーラだけ月のセレンにもわかるくらいあるってね」

司祭の声:「不思議ではありません」

ヒューマ:「司祭様?」

大地の司祭:「お加減はどうですか?乙女様、それにアリア」

サーラ:「ごめんなさい司祭様」

大師の司祭:「まったくあんなに砂風呂に入っていたらのぼせるもの当然です」

サーラ:「でも、セレンがね」

大地の司祭:「もちろんわかっています。しかし優しすぎてご自分の身を(かえり)みないことは、どうかと思います。あなたは『大地の乙女』なのですから」

サーラ:「気をつけます・・・」



ヒューマ:「それより司祭様、サーラが太陽の力に影響されているのってヘンじゃないんですか?」

大地の司祭:「お二人とも、神話は覚えていますか?太陽が一番最初に照らしたのはなんでした?」

サーラ:「大地よね」

ヒューマ:「うん」

司祭:「太陽は大地を照らすことによって、己の存在を確かめることができたのです。照らすものがあってこそ、光り輝き、照らされることで大地も己の存在を知るのです。サーラ様はヒューマ様によって覚醒(かくせい)されたのです」

サーラ:「じゃあ私は前の人とは違うのね」

司祭:「サーラ様は太陽がなくなっていた時代の大地の乙女。太陽が死んでいる時は、大地は次の太陽の側で、(よみがえ)る手助けをするのです。そして甦った太陽は大地を照らすのです」

サーラ:「でも、私は太陽が昇る前に大地の乙女になっちゃったわね」

司祭:「ヒューマ様からふんだんに太陽の力を頂いたからでしょうね」



ヒューマ:「ふーん。不思議な関係だな俺たちって」

サーラ:「ヒューマは嫌い?こんな不思議な関係って?」

ヒューマ:「そんなことないさ。不思議でもなんでも、俺たちってどっちがいなくてもダメなんだな」

かーっと赤くなるサーラ

サーラ:「思ったより、早く目覚めたんだね私たち・・・」

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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