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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽が沈まない国
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不毛な争い

一旦、ヒューマとサーラが隠れた岩戸の向こう、謎の世界のお話です

◆岩戸の向こうの世界


【夜明け 謎の山 尾根】


地平が割れて太陽が顔を出し、岩戸の向こうの世界を照らしてゆく

朝陽に照らされるヒューマの横顔



ヒューマ:「不思議だ。どこにいるのか分からないけど、太陽は同じなんだ。オレや母さんの力じゃなくても太陽は昇る」

黄金の鳥:「目覚めたか人間の太陽よ」

ヒューマ:「ああ」

黄金の鳥:「気を引き締めよ。お前も我ら太陽の陣営に加わり、大地から獣たちを駆逐(くちく)するのだ。わかるか人間の太陽よ」

ヒューマ:「ヒューマだ」

黄金の鳥:「なに?」

ヒューマ:「オレにはヒューマという名前がある。人間の太陽じゃなくて、ヒューマと呼んでくれ」

黄金の鳥:「そんなもの何の意味もない」

ヒューマ:「なに?」




黄金の鳥:「お前達人間は名前をつけて区別をしようとする。

他者との違いを明確にしようとする。

人も鳥もこの世界の一部であると認識しようとしない。私たちにはお前達人間の価値観などは意味をなさない」

ヒューマ:「お前の言うことは良くわかる。人も鳥も、大地の獣たちだって世界の一つじゃないのか?」

黄金の鳥:「そうだ」

ヒューマ:「じゃあ、なんで大地の獣たちと戦うんだ!」

黄金の鳥:「・・・・」

ヒューマ:「なぜ、太陽と大地が戦う?二つともこの世界の一部じゃないのか?」






【謎の森 沼のほとり】

        

沼の水で洗顔するサーラ

その横で一角獣を始めとした地上の生き物が水を飲んでいる

一角獣:「気にはならないのか?」

サーラ:「なにが?」

一角獣:「ここを去っていった人間は、動物を自分達の都合の良いように家畜に作り上げ、食らっていた利用していた。

そのくせ自分達以外の生き物と同じ場所にいることを嫌っていた。お前は気にならないのか?」

サーラ:「そんなこと、気にもならなかった。私が住んでいた所にはいつも隣に生き物がいたからかな?」

一角獣:「お前のような人間がたくさんいたのなら、太陽と争うようなことにはならなかっただろうな」




サーラ:「どうして、太陽と大地が争わなきゃならないの?

だって太陽が照らすから大地があるのよ。

太陽だって、照らすものがあるから存在意義があるはず。どっちが欠けても良くないわ」

一角獣:「原因は太陽にある」

サーラ:「太陽に?」

一角獣:「そうだ。太陽の眷属(けんぞく)は翼を持っている。その翼が彼らを特別なものであると奢らせる原因になった。太陽の眷属は我らのことを『地を()鈍重(どんじゅう)(かたまり)』とののしり、見下した。奴らが持つ翼がそうさせている」

サーラ:「そんなのヘンよ。だって翼を持っていたって生き物なのは変わらないんだから。鳥だって自分達が地上の生き物と同じだって知らなきゃ」




一角獣:「まったくその通りだ」

サーラ:「じゃあどうして?」

一角獣:「やつら太陽の眷属に『自分達は特別なもの』という歪んだ思想を持つ原因になったのは、ここを去っていった人間だ。人間たちは『自分達は世界を支配するために遣わされた』といってはばからなかった。

確かに人間には他の生き物とは比べものにならない智恵があった。しかし、その智恵を自分達のためだけに使い、そして世界を破壊して去っていった。

太陽の眷属は人間を真似(まね)しているだけにすぎない。

だから、私は言ったのだ。『お前のような人間がたくさんいたのならこのようなことにはならなかった』と。大地の乙女よ」

サーラ:「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

考え込むサーラ

森がざわつき始め、大地の獣たちが(とき)の声をあげる

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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