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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽が沈まない国
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白い夜の始まり

前話に引き続き、ヒューマの父ファロスと、ヒューマの顔をした「原初の闇」の対決です。

【太陽の神殿 頂上】


ファロス:「なんだ、お前はヒューマがどこにいったのか分からないのか?お前はオレではないのか?それともオレが知らないことはお前も分からないのか?」

原初の闇:「貴様・・・」

ファロス:「そうだ。ヒューマは隠した。

あいつは今の世界ではなく、次の時代に必要な太陽だ。

新しい世界を照らし出す、新しい太陽だ。そう、お前がいなくなった新しい世界のな!」

剣を抜くファロス

ファロス:「それともヒューマがいなくなって都合でも悪いのか?」

原初の闇:「・・・・」




高笑いするファロス

ファロス:「やっぱりお前か、ヒューマの力を増やしたのは?()()()だったな。子供の異変を感じない親はいないぞ。

お前は太陽の力を強くして、この世界の脅威(きょうい)にしたてようとした。違うか?」

原初の闇:「貴様・・・」

ファロス:「お前が太陽の力を強くしてバランスを崩して、何をしたいのかは知らん。

だけど誤算だったな。ヒューマはお前の力を持ったまま、この世界から隠した。

お前がどこの誰だかは知らんが、力が減っているお前を倒すのは千載一遇(せんざいいちぐう)のチャンスだな」

原初の闇:「お前、私をおびき出すためにヒューマを隠したな!」

ファロス:「だとしたらどうする?」

原初の闇:「老いぼれが、勝てると思うか?」

ファロス:「まだ、息子にゃ負けられないんでね」



突進して、剣を振るうファロス

まったく動かないヒューマの顔をした原初の闇

ファロスの剣を振るう手が止まる

ファロス:「・・・・」

原初の闇:「哀れな」

ゆっくりと手を振り上げる原初の闇

原初の闇:「お前には、息子を打つ厳しさがない」

大いなる闇の力に包まれて、力を失うファロス



ヒザをつくファロス

ファロス:「・・・オレをどうする気だ」

原初の闇:「知れた事よ。お前には新しい世界の(いしずえ)になってもらう。太陽の子としてな」

ファロス:「な・・なに・・・?」

前のめりに倒れるファロス




原初の闇:「父さん・・・もうそろそろ沈んでくれないと新しい太陽が昇らなくなってしまうんだ。だから、だから父さん・・・」

原初の闇に担ぎ上げられるファロス

原初の闇:「そろそろ沈んでもらわないと、困るんだ。新しい夜明けのために。神の国を到来させるために」






【東の最果ての村 フレアの家】

        

家から飛び出してくるフレア

中天には太陽が()()()()顔で浮かんでいる

フレア:「あなた・・・」

スーリヤ:「あんたたちのやることに、もう口出しはしないけど、あの子も思い切ったことをしたもんだね」

フレア:「多分、こうなるって分かっていたんだと思います。あの人は」





【丘陵地帯 風のキャンプ】

        

子供と遊んでいるジェス

ジェスの小さい方の息子が泣いている

ジェス:「おや、もう眠いのか?」

空には太陽が()()()()()輝いている

ジェス:「おかしいな」





【浜 辺】

        

青いドレス、サングラス姿でビーチクリーンにいそしむベルタとマリア・アズーラ号乗組員

不意に太陽の前を黒い影が横切る

サングラスを外して渋面を作るベルタ






【北の山脈 氷の女王居城 バルコニー】

        

ミランを飾る火のイヤリング

セレン:「世話になりました氷の女王」

ミラン:「また遊びに来てもいい?お姉さん」

面食らうユーベ

ユーベ:「そうそう火の探求者に来られたら私は溶けてしまうよ」

ミラン:「それもそうね」




懐中時計を取り出すセレン

時計の針は8時を過ぎている

セレン:「ちょっと長居をしましたか・・・・うん??」

空を仰ぎ見るセレン

ミラン:「どうしたのセレン?」

セレン:「ヘンですねえ。もう私の時間であるはずなのに、太陽が沈みませんね」

ミラン:「本当だ。ファロスおじさん、どうしたんだろう?」

ユーベ:「白い夜だよ・・」

セレン:「白い?」

ミラン:「夜?」





【とある村落】

        

白夜が始まり恐慌を起こし始める人々

村人:「なんで太陽が沈まないんだ?」

村人:「いったい、どうなってるんだ?」

白い夜を切り裂いて、空飛ぶ船が轟音を立てて飛来する

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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