つべこべ言うない
前話に引き続き、力の源「炎のイヤリング」とミランの話です
【氷の女王の居城 居間】
出した時と同じようにそろりと炎のイヤリングを戻すミラン
ユーベ:「もういいのかい?」
ミラン:「うん。ありがとうお姉さん」
驚くほどケロリとしているミラン
セレン:「しかし・・・」
ミラン:「いいのセレン。ありがとうここまで連れてきてくれて。
火の力はなくなっちゃったけど、こんな私でもできることはあると思うの。
正しい火の力をみんなに教えなきゃ。
今はそれができると思うの。『司る者』じゃないけどね」
ユーベの方に向き直るミラン
ミラン:「ありがとう氷のお姉さん。お母さんに会えたような気がして、とっても暖かい気持ちになれたわ」
ユーベ:「それだけであんたは満足なのかい?」
ミラン:「うん。とっても」
ユーベ:「持って行きな」
ミランとセレン:「えっ?」
ユーベ:「持って行きなって言ったんだ」
ミラン:「でも、私はもう・・・」
ユーベ:「つべこべ言わずに持って行きない!
今のあんたが火の探求者かどうかは分からない。
だけどね、火を見る者がいないのも困るんだよ」
ミラン:「火を見る者?」
ユーベ:「火を使うのは、あんたたち人間しかいないのは事実さ。
だからこそ火の使い方を正しく導ける者が必要なんだよ。
火が大きくなりすぎないように、火を操れる者がね」
セレン:「女王・・・」
ミラン:「ありがとう、お姉さん」
ユーベに飛びついて、首に暑苦しく抱きつくミラン
ユーベ:「うわっとと」
セレン:「お礼を言います氷の女王。いえ、私たちの前の司る者」
ユーベ:「おっと、そいつはあんたの勘違いだよ。スーリヤと一緒にしないでくれよ」
セレン:「違うんですか?」
ユーベ:「私はこの世界が暑くなりすぎた時に、冷やすだけの存在なんだよ」
ミラン:「冷やす?」
ユーベ:「なんで私があんたたちのやることにちょっかい出してきたと思う?
私はこの世界が暑くなりすぎないように見張っているんだ。
この美しい顔が溶けてしまうのは勘弁だからね」
ミラン:「じゃあ、暑くならないように、がんばるね」
ユーベ:「その方が私もありがたいよ」
ミランの頭をなでるユーベ
ミラン:「暖かいね。お姉さんの手って、冷たいけど暖かいね」
【太陽の神殿】
頂上へ向かって歩くファロス
【聖都スクード 星の騎士団本部 城門】
城門に掲げられている十字星の盾
【星の騎士団本部 会議室(円卓の間)】
十二脚ある円卓の座に次々と腰を下ろす十二人の一等星の騎士達
最後にオリバーが入ってくる
円卓の中央には、五芒星をかたどった流星の紋章がある
円卓の騎士:「なぜ、今この時期に、五芒星の剣で、なぜペガサスなのだ?」
円卓の騎士:「なにか悪い出来事の始まりなのか」
円卓の騎士:「聞いたところによると、ペガサスに乗っているのは、月の使徒と火の娘だ言う話だが・・・」
円卓の騎士:「火の娘というと、オリバー」
腕組みをして思案を巡らせるオリバー
オリバー:「ふむ。フレイが関係しているのか・・・」
円卓の騎士:「どういうことか聞き出す必要があるな」
オリバー:「私が尋問をしよう」
円卓の騎士:「さらにオリバー、承諾をして欲しいのだが」
オリバー:「なんだね?」
円卓の騎士:「場合によっては君の元弟子をダシにして、火の探求者をおびき出す必要があるが・・・」
オリバー:「騎士の風上にも置けん、とは言っていられないようだな」
円卓の騎士:「痛み入る」
オリバー:「安心してくれ、彼は、フレイはもう私の弟子ではない」
【太陽の神殿 頂上】
頂上へ登っていくファロス。最後の一段を上るときに、やや躊躇してから一歩を踏み出す
頂上には全身を黒に染めたヒューマの顔をした「原初の闇」が待っていた
ファロス:「なんだ、またお前か」
退屈そうに息子に言うファロス
原初の闇:「お前、太陽をどこに隠した?」
ファロス:「隠した、だと?」
言ってから高らかに笑うファロス
読了ありがとうございました。
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