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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽の試練 大地の試練
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のぼせた?

お姉キャラ、月の使徒セレンが狂言回し的な役でちょくちょく出てきます

【聖都スクード 全景】

        

聖都スクードの城門に入っていく豪奢(ごうしゃ)な馬車




【星の騎士団公文書(こうぶんしょ)館】


騎士団公文書館 全景




【星の騎士団公文書館 紳士録(しんしろく)の棚】


分厚い紳士録をめくっていくデカイ手

「E」で始まる姓名のページの名前を追っていく

生没年、出身地、等級などが創設年度からことこまかに載っている、歴代騎士の名簿


声「エルブランコ、エルドーラム、エルカーム・・・・エルマーク」

分厚い紳士録を閉じる




【星の騎士団公文書館 入り口】


出てくる喪服(もふく)様のドレスを着ている月の使徒セレン

レース付きの帽子のために顔が見えづらい

セレン:(あれだけ細かく記録を作っているのに、エルランドの名前だけが記載漏(きさいもれ)れとは考えづらい・・・)



◆回想(第三部5部より)


騎士の亡霊:「私たちは人の世を見ることなく、この地中深く捨てられた。

 人の世を知ることなく。ただ恨うらみだけを膨ふくれあがらせて」

セレン:「あなたの名前は?」

騎士の亡霊:「流星の騎士エルランド」

セレン:「エルランド、確かに覚えましたエルランド」



公文書館を出るセレン

セレン:(ここでは過去を知ることができないか・・・)

公文書館を振り返るセレン

セレン:(あとは大賢者しかあるまいか・・・)


セレンの前をボロを着た人物が素通りしてゆく

何かを感じて、ボロを着た人物の背中を見つめるセレン






【大地の大聖堂 控えの間】

 

冷水が入った手桶(ておけ)に布をひたして(しぼ)る手

うつぶせにベッドに寝ているサーラとアリア

サーラは上半身裸で体からは湯気がひっきりなしに立ち上っている

冷やし布をサーラの首筋に載せるヒューマ

サーラ:「冷たくて・・・・」

アリア:「すいませんヒューマさま・・・」



SE:ドアが開く音



そろりと入ってくるファロスとフレア

ファロス:「なんだ、ここにいたのか」

ヒューマ:「父さん」

ファロス:「これを鳴らしても誰もこないから、ちょっと迷ったぞ」

呼び鈴を揺らすファロス

「ヤバイ」という顔をするアリア

上半身裸でうつぶせのサーラの背中が目に入る

フレア:「なにしているのあんたたち?」

バツがわるくなるヒューマ



◆時間経過 冷水が入った手桶



フレア:「()()()()?」

顔を見合わせる太陽の夫婦

ファロス:「こんな山の上で?」

ヒューマ:「良く分からないんだけど、セレンがどうしたとかで・・・」

ファロス:「セレン?」

フレア:「それでヒューマが看病しているってこと?」

ヒューマ:「そういうこと」

サーラの冷やし布を交換するヒューマ


※地中に落ちたセレンを助けるために、長風呂するサーラとアリア

(第三部3〜6部より)



ヒューマ:「父さん、具合は良いの?」

ファロス:「ああ、すっかり良くなった。オレと母さんは村に帰るが」

ヒューマ:「随分急だね」

フレア:「あなたも一緒に」

言おうとしたフレアを制するファロス

ファロス:「オレと母さんは先に帰っている。お前はサーラちゃんの()()()とやらが引いてから来なさい」

起き上がろうとするサーラ

ファロス:「サーラちゃん、そのままでいいよ。ヒューマにたっぷり看病してもらいなさい」

フレア:「サーラちゃん、たっぷり()()()()()

いたずらっぽくウインクするフレア

苦笑しかできないサーラ

ファロス:「ではな、ヒューマ」

ヒューマ:「ああ、気をつけてね父さん、母さん」

ファロス:「さ、行こうか母さん」





【山岳都市メンヒル 大門】


太陽の夫婦を見送る大地の司祭

ファロス:「見送りありがとう。大地の司祭」

大地の司祭:「なんの、こちらこそ大したもてなしもできませなんでした。これからも体をいたわってください。あなたたちはまだ世界に必要なのですから」

ファロス:「どうやら、太陽が生まれ変わる時期に来ているらしいよ司祭」

司祭:「は?」

ファロス:「いや、なんでもない。それよりヒューマがもう少し厄介(やっかい)になると思うがよろしく頼む」

フレア:「お世話になりました司祭様。では参ります」

司祭:「お二人に大地の加護(かご)がありますように」

祝福をする大地の司祭




【街 道】


整備された街道を歩く太陽の夫婦と護衛の最果ての村の一団

フレア:「いいんですか、あなた?」

ファロス:「何がだいフレア?」

フレア:「ヒューマですよ。看病っていっても()()()()だけでしょ?何にのぼせたのか、誰にのぼせたのかしらないけど」

ファロス:「なんだい母さん、ヒューマをサーラちゃんに取られて焼き餅やいているのかい?」

フレア:「まあ、あなたったら!」

ファロス:「まあいいじゃないか。今の間だけはサーラとヒューマでいさせてあげよう」

フレア:「大地の乙女とか太陽の子じゃなくてってこと?」

ファロス:「俺たちの時にはスーリヤおばさんが守ってくれた。今のサーラとヒューマにはそういうものがないからな。少しの間くらいいいじゃないか。試練や決まり事ばかりが人の生きる道ばかりじゃないだろう」

フレア:「私たち『司る者』でも?」

ファロス:「『司る者』だって人間だよ」

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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