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太陽が昇らない国の物語(仮) 第四部  作者: 岸田龍庵
太陽の試練 大地の試練
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太陽の巫女と大地の乙女

前話に引き続き、岩戸の前で選択に迫られる場面です

【東の最果ての村 大いなる岩戸】


大地に手をついたまま、うなだれるサーラ

サーラの手に重ねられるヒューマの手

サーラ:「ヒューマ・・・」

ヒューマ:「サーラ、開けてくれ」

サーラ:「そんなのヤダ」




ヒューマ:「サーラ、これは俺たちだけの問題じゃない。でも俺たちの問題でもあるんだ。オレの力でサーラを困らせることはしたくないんだ」

サーラ:「私は、ヒューマのせいで困ることなんてない。ヒューマがいなくなる世界なんて考えられない。

ヒューマは私の側からいなくなる方が幸せだって思っているの?」

ヒューマ:「オレだって、ずっとサーラの側にいたいさ。でも、それがサーラのためにならないんだったら、オレは離れるしかないんだ。今は俺たちが一緒にいられる時間じゃないんだ。だから開けてくれ」

激しく()()()を振るサーラ

伏し目がちのファロスとフレア

セレンにしがみついているミランとアリア

サーラの頬から涙が落ちて、地面にしみこみ、消える

どうすることもできない他の司る者たち




スーリヤ:「やれやれ、仕方のない娘だね。立ちなさいサーラ」

ヒューマの助けをかりて、ようやく立ち上がるサーラ

スーリヤ:「あんたは大地の乙女、失格だね。そいつを返してもらうよ」

なんのアクションもなく、サーラの胸元からスーリヤの手の中に移動する「大地のネックレス」

サーラ:「失格?」

ヒューマ:「失格って?おばさん!」

        



ヒューマとサーラの事を無視してセレンの方を向くスーリヤ

スーリヤ:「あんた、持ってきたんだろ?」

セレン:「抜かりはございません」

セレンが仰々しく(ささ)げ持っているのは太陽の巫女(みこ)だけが着ることを許される法衣

サーラ:「それは?」

スーリヤ:「サーラ、司る者失格になったあんたには、太陽の巫女をやっているのがお似合いさね」

ファロス:「スーリヤかあさん」

フレア:「まさか・・・」

スーリヤ:「ヒューマ、お前は太陽の巫女を連れて隠れるんだ。どうしてか分かるだろう」

ヒューマ:「太陽が(よみが)る時に、太陽の巫女が助ける・・・」

サーラ:「太陽が甦った時、太陽の巫女は大地の乙女になる・・・」(第一部11部より)




スーリヤ:「さあ、どうすんだい?あんたにゃ他に道はないんだけどサーラ」

躊躇(ちゅうちょ)するサーラ

ミラン:「サーラ、いかないの?」

ヒューマ:「ミラン・・・」

ミラン:「サーラが太陽の巫女にならないっていうのなら、私が太陽の巫女になる。私だって、ヒューマの力をいっぱいもらったんだもの。太陽の巫女になれる」

セレンから巫女の法衣を強奪するミラン

サーラ:「ちょ、ちょっとダメよミラン!これは私のよ!」

ミランから法衣を奪い返す取るサーラ

ヒューマ:「おばさん・・・」

スーリヤ:「さあ、とっとと隠れた隠れた」




轟音(ごうおん)を立てて開く大いなる岩戸 

岩戸のむこうには何もない空間が広がっている




ヒューマ:「じゃあ、父さん、母さん。スーリヤおばさん」

サーラ:「また私たちを導いてくれて、スーリヤおばさんありがとう」

スーリヤ:「戻ってくる時は立派な大地の乙女になってくるんだよ」

力強く頷くサーラ

ミラン:「すぐに帰ってきてねヒューマ」

力強く頷くヒューマ




サーラ:「そうだセレン。お願いがあるの」

セレン:「なんでしょう?大地の乙女、もとい太陽の巫女」

サーラ:「ミランを氷の女王の所に連れて行って欲しいの、あの空飛ぶ馬で」

セレン:「それは、構いませんが御用(ごよう)向きを伺ってもよろしいでしょうか?」

サーラ:「彼女の、ユーベ様の所に私たちがミランから(ぬす)んだ炎のイヤリングがあるの。それがきっと、ミランの力になってくれると思うわ」

ミラン:「やっぱりサーラたちだったの?母さんのイヤリング持って行ったの」

ヒューマ:「ゴメン、ミラン。あの時はそうするしかなかったんだ。決してミランの事がキライとかそういうので盗ったわけじゃないから」

ミラン:「ううん。いいの。あの時にキチンと気がつけば良かった。悪いことをやっているって・・・・」

セレン:「なるほど。わかりました。お(まか)せください太陽の巫女」




サーラ:「ミラン」

ミラン:「なあにサーラ」

サーラ:「ありがとう」

人差し指で銃の形を作ると、ヒューマとサーラを撃つ仕草を見せるミラン

ミラン:「がんばってね」




轟音を立てて閉じる大いなる岩戸

呆けたように閉じた岩戸を見ているファロス

ヒザから崩れ落ちるフレア

音もなく涙を流すフレア




フレア:「ヒューマ・・・」

フレアに駆け寄り妻の肩を抱くファロス

ファロス:「これで良いのだ。これで」




ミランの方に向き直るスーリヤ

スーリヤ:「どうしてあんなことしたの?」

ミラン:「私ってどれくらいヒューマの事が好きなのか確かめたかったの。いつもいつもヒューマが近くにいてくれる、そんな気がしていたの。でも」

スーリヤ:「でも?」

ミラン:「ヒューマの事、好きだけど、もっと好きな人がいるってわかったの。そばにいてほしい人が」

スーリヤ:「ふうん」

セレン:「何もかも予定通りですか大賢者?」

スーリヤ:「予定通りなもんかい。また『司る者』やるはめになっちゃったじゃないか」

読了ありがとうございました。


今後もごひいきによろしくお願いします。

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