悲しい人の性(さが)
200PV頂きました。
今後もよろしくお願いします。
【最果ての村】
歩きながら話すヒューマと太陽の司祭
ヒューマ:「みんな元気でしたか?」
太陽の司祭:「ああ、息災だ。子供も大いに増えた」
ヒューマ:「そりゃ、良かった」
のんきに世間話をするヒューマ
ヒューマの顔をまじまじと見る太陽の司祭
ヒューマ:「オレの顔に何かついてますか?司祭様」
太陽の司祭:「その様子だと、なにも聞いてないみたいだな」
ヒューマ:「???」
太陽の司祭:「今、世界のあちこちでバランスが崩れかけているのはお前も知っていると思うが」
ヒューマ:「あの白ずくめの連中のことですね」
太陽の司祭:「そうだ、だがそれだけではない」
ヒューマ:「他にもあるんですか原因が?」
太陽の司祭:「そうだ。その原因のひとつは、お前だヒューマ」
ヒューマ:「えっ?」
狐につままれたような顔になるヒューマ
ヒューマ:「やだなあ司祭様。久しぶりに帰ってきたのに冗談きついよ」
硬い表情が変わらない太陽の司祭
ヒューマ:「・・・オレが?どうして?」
【ゆりかごの森 スーリヤの庵】
テーブルを囲んでいる太陽の夫婦、月の使徒、そして大賢者
フレア:「セレンとスーリヤおばさんが知り合いだったなんてね」
セレン:「直接存じていたわけではないですが、強引に押しかけまして」
スーリヤ:「ペガサスに乗ってきたんだよ」
フレア:「変わったものを持っているのね」
ファロス:「スーリヤ母さん」
話を切り出すファロス
いつもと変わらない柔らかな笑みのスーリヤ
ファロス:「お別れをいいにきました」
スーリヤが一瞬、凍り付く
ふっと、静かに息を吐き出すスーリヤ
スーリヤ:「そうかい。もういけないのかい」
ファロス:「まだ時間は残っていますが、それも僅かしかないので」
セレンはスーリヤと太陽の夫婦を見返している
セレン:「どういうことですか?」
ファロス:「もう私の太陽の子としての役目は終わるんだ。いや、役目に耐えられないというのだろうか」
セレン:「ご冗談をファロス殿」
笑ってごまかそうとするセレン
しかし、ごまかされない太陽の夫婦、大賢者
セレン:「困りますファロス殿。あなたには未熟な私たちを導いてもらわないと」
ファロス:「君たちはもう大丈夫だ。なにもオレが色々言わなくてもね。若い頃の無理がたたったのか、これ以上オレがいることがみんなの害になってしまう」
絶句してしまうセレン
スーリヤ:「そうかい。今までがんばったねえ」
ファロス:「何かと迷惑をかけました」
スーリヤ:「あんた達が駆け落ちしてきた時は、どうしようかと思ったよ。でも、それもこれも今となっちゃ楽しい思い出だねえ」
目を閉じるスーリヤ
◆回想
生まれたばかりのヒューマをだっこするフレア
狩りから戻ってくるファロス
太陽の親子と大賢者の穏やかな時間
スーリヤ:「・・・懐かしいね・・・なにもかも・・・」
ファロス:「で、最後ついでにお願いがあるのです」
スーリヤ:「なんだいファロス?」
ファロス:「ヒューマのことなんですが、時が来るまで隠して欲しいのです」
セレン:「隠す?どういうことです?」
フレア:「ヒューマはね、早く目覚めすぎてしまったのよ。太陽の子としてね。それに強すぎるのヒューマの太陽の力は」
セレン:「太陽の力が強すぎる?」
ファロス:「そうだ。ヒューマは幼い頃から太陽がある世界を心から望んでいた。
いつでも空に太陽がある、それがヒューマだけじゃなく、私たち人間の望なんだが、その思いが強すぎるんだ。みんなの思いが結実したのが今のヒューマだ」
セレン:「強すぎると、よろしくないのですか?」
頷くファロス
【最果ての村 広場】
広場の中央で向かい合っている太陽の司祭とヒューマ
ヒューマ:「太陽が強すぎると、なぜダメなんですか?」
太陽の司祭:「大地も水も干上がるのにそんなに時間はかからないだろう。風は熱風となり、火は暴走する」
ヒューマ:「それじゃあサーラや、ジェスなんかも?」
太陽の司祭:「大きな影響があるだろう。私たちは弱く脆い生き物だが、私たちが思っている以上に、この世界は壊れやすい」
ヒューマ:「そんな、オレが悪いなんて・・・」
太陽の司祭:「お前は悪くはない。私たちは太陽を欲し太陽を命の源と思っている。だが、人はより欲しがるものだ。それが招いてしまったのだ。人の性よ。悲しい性よ。お前はその悲しい性を背負ってしまっているのだヒューマ」
読了ありがとうございました。
今後もごひいきによろしくお願いします。




