戦場の地
転送された場所は東京都渋谷である。今は荒れている。
今、見える範囲で大量の赤肌鬼と数匹の食人鬼がいる。学園の者でも倒せる範囲の奴しかいないのだ。
俺達よりも先に来てる者達が何十匹の赤肌鬼を倒している。俺達は出現している場所を破壊しなければ無限に現れる。叩くなら出現場所を叩くしかないな。
魔物がぞろぞろと歩いている。それを俺たちはバサバサと倒していく。
とある建物の屋上に魔物が出現する門がある。たぶん、先に見つけた者達がやってくれているだろうと思いながら周りの敵を倒していると司令官から伝達がやってきた。
「第五部隊と第六部隊が全滅した。」と言われた。
赤肌鬼の奴らに負けるとは可笑しい。ってことはそれ以上のものがいるということか。だが、大き過ぎれば屋上からはみ出し見えるはずなのだが…
「どうするんだよ…」と皇はいうけどどうにもすることは出来ない。ただ、俺たちは司令官に言われた通りに倒さなきゃいけない。
「どうするってあの建物の屋上にいる魔物を倒せばいいんでしょ」とサラッと影月は言うけれども…倒せるのならば第五部隊と第六部隊は全滅しないはずだ。それなりの理由というものがあるのだろう。
「倒すって言っても」
影月はそう応える。確かにそうだ、倒すって言っても相手が何か分かっていないのだから倒すことなど無理なはずだ。
「だけど行かなきゃ行けない」
魔物を倒すのが俺らの仕事であり使命なのだから。
倒すも倒せなくても絶対に行かなきゃ行けない。もしも、そこで死んでも悔いることなど出来ない。だからこそ死なずに生きて帰るのが大切なのだ。
魔物が出現している門がある建物にやってきた。周りには魔物がいないため中に入るのは余裕だった。
中には人の死骸や魔物がいない。静寂な場所になっている。休日とかなら賑わっている場所なんだろうなとか思いながら上に向かう。
「変だわ」
雨宮は突然、そう言った。確かに変だ、普通なら魔物がこの辺を歩いていても可笑しくないのに何故か居ない。俺達が来ることを望んでいるような感じだ。
「だけど、魔物がいないなら余裕じゃない?」
夜桜さんはそう言う。確かに魔物がいれば倒すのに体力を使い門を壊すことができないかもしれない。だけど体力を使わないということは門を壊してもいいという事のか。いや、そんなことがあるのか…あっていいのか。
俺らは素早く非常階段を昇って屋上に向かった。
そして着いた。向かっていると中で罠などもなく何もかもが楽に進められた。だけどそれ自体罠だと気づくのは遅かった。
俺たちはドアを開けた。
その瞬間に何かが起こった。