1/4
プロローグ 魔獣を愛し愛された少年の物語
《闇》ここはその言葉でしか言い表せないほどただひたすらに黒き暗い場所だった。僕ことエレイ・レイブニルは不安に押しつぶされそうになりながらもこの闇の世界の住人と相対していた。
『君がこの世界から抜け出す方法は一つしかないわかっているね』
そのたった一つの方法、僕は知っていた。それがどれだけ難しいことで、痛くて、辛くて、でも知っていた。その先にはこんな闇も振り払ってしまう眩い希望【光】が待っていることも。
「もちろんわかってるよ。僕はここから抜け出してみせる」
大切な友達のもとへ、僕を待つみんなのもとへ。
「君といっしょに!」
『ふふふ、僕に見せてくれよ君の世界を、さあ始めよう君と僕の物語を!』
これは魔獣を愛する少年と少年を愛する魔獣達の物語決して紡がれることのない彼らだけの物語…