4章終了時 この世界の一般常識の紹介
この世界の一般常識を紹介しておきます。
これは、ダンジョンマスターである主人公が知っている常識で4章終了時点の物です。
主人公が自ら気付いていた事や、町に行くために仕入れた情報がもとになっています。
作中ではその度に説明していきますが、すでに知っている物として扱います。
※情報はダンジョンの眷属やノーム爺さん、トロイ、コアさんから聞きました。
※必ずしも正しいとは限りません。
※一番下にも書いていますが、ダンジョンの眷属は召喚される種族が一般的に知りえる常識を知識として有した状態で召喚されます。
魔力とは――――――――――――――――――
この世界に遍く存在している、物質とはほとんど相互作用しない魔素を、体内に取り込み作用させる力に変換したもの。または、取り込まれたもの。
生物の体は魔素を体内に取り込み溜め込む性質があり、取り込まれた魔素はそれぞれの生物に適した形の魔力に変換される。生物ごとに溜めこめる量には違いがあり、その量の多寡により、その生物の持つ肉体への影響も変ってくる。
魔法とは――――――――――――――――――
体内の魔力を体外に放出することによって周囲の魔素に働きかけ、魔力に変換してさまざまな現象を引き起こすこと。
詠唱する事により使える魔法には四大元素(火・水・土・風)があり、それを四大元素魔法と呼ぶ。
四大元素魔法の他にも魔法があるのは知られていて、リッチが使う死霊魔法や教会関係者が使う神官魔法などがあり、一般の者には使う事が出来ない魔法も存在する。
スキルとは―――――――――――――――――
体内の魔力を使い、さまざまな現象を引き起こすこと。
つまり魔法もスキルの1つの形である。
種族的特性などから先天的に持っていたり、後天的に手に入れたりする。
人族と獣人族には神の加護が与えられており、それによって得られる後天的スキルを“神の祝福”と呼んでいる。
主人公は前の世界の知識と合わせ『魚は本能的に泳ぐ能力を持っているが、人間も泳ぐことが出来る』これと同じようにスキルとは、まったく知識が無くても持っているだけで力を発揮することができるが、ただ単に力を発揮することが出来ればスキルを所有することが出来る物と考えている。
魔物とは――――――――――――――――――
一般的には魔石をもつ、人間に害をなす生物の総称。
この世界の生物は多かれ少なかれ魔素を体内に取り込んで魔力を形成しており、その影響を受けている。
その中でも魔力量が多く人間に害をなす生物を魔物と呼んでいるだけである。
明確な線引きはなく下記のように、純粋な人族以外すべてを魔物と呼ぶようなものもいる。
人族>人族・獣人族>人族・獣人族・精霊人族>人族・獣人族・精霊人族・妖精類など>人間に害をなす魔石を持った生物
魔石とは――――――――――――――――――
体内に取り込める魔力量が多い生物は、臍の下あたりにある器官に魔力を溜めこんでいるのだが、死亡時にその場所で魔力が結晶化したものを魔石という。
魔石は魔道具などに魔力を供給するために利用されている。
魔力量が多い生物のうち、例外的に人族の死体からは魔石は出てこない。
獣人族や精霊人族たちは死後に体内の魔力が結晶化して魔石を作りだす。
その為教会内の一部には、上記のように人族以外をすべて魔物とする考え方が少数ながらに存在する。
また、獣人族は死後に結晶化された魔石を穢れを祓うためとして教会に奉納する義務があり、放棄すると”神の祝福”が受けれなくなるとされている。
ダンジョンコアのように魔石から直接魔力を吸い取り、違う魔力に変換するのは極めて稀で、通常魔石を体内に直接取り込むと拒絶反応を起こし死亡する。
魔石は処理をしないと、少しずつ昇華しながら魔素にもどる。
レベルとは―――――――――――――――――
体内に蓄えられた魔力量を数値で表したもの。
ダンジョンコアが言ってたようにレベルという言葉は、このダンジョン独特の新概念である。
一般的にはレベルという言葉が存在しない。
ただし体内に蓄えられた魔力量が一定値を超えるごとに、身体能力やスキルの能力が成長するので、感覚的には存在することが知られている。
この世界での強さは、その人物がもつ魔力量そのものを感じ取り、それが多いか少ないか? スキルを所持しているのか? 身体的な頑強さはどうか? で決められる。
通常、生まれてから成人するころまでは自然にレベルが上がり続け、大人になった時のレベルは5前後になる。
それ以降は他の生物から魔力を奪うなどの行為を行わないと、体内に蓄えられる魔力量は増えずレベルは上昇しなくなる。
経験値とは―――――――――――――――――
つまり他の生物から魔力を奪う、吸収する事。
生物が死んだ場合は魔力のほとんどが空気中に放出される。(魔素代謝分10%程は残る)
魔物が死んだ場合は魔力の半分は臍の下にある魔石に残り、残りの魔力(40%程)が空気中に放出される。(やはり魔素代謝分10%程は死体に残る)
空気中に放出された魔力はすぐに魔素にもどるのだが、その魔力の内の一部(5%程)が死後30分ほどの間、死体の周囲に留まり続ける。(残留魔力)
魔力を奪うには、この放出された残留魔力を吸収する必要があり、攻撃を加えた者が15分以内且つ半径5m以内の範囲内に10秒以上の間、死体の傍に居なければならない。
残留魔力は攻撃してきた者の魔力に反応して指向性をもつが、15分ほどで指向性は失われてしまいその後は、少量ながら誰でも吸収できる状態になる。
又、複数で攻撃して殺した場合は残留魔力はダメージを与えた割合に応じて分配される。(止めは倍)
この為に戦闘への介入は承諾が必要となり結果的に命を助けたとしても恨まれる事がある。
また、強い愛着のある者や結びつきが強い者が死んだ時にも少量ながら残留魔力が発生し、経験値として吸収される事がある。
ステータスとは―――――――――――――――
このダンジョン独特の新概念である。
上記したがこの世界では通常、強さを測る方法として魔力量を測り、スキルの種類・数を数え、肉体的な頑強さを加味したものを体感的に判断する。
ただしこれでは判りにくいので、後で記述する冒険者ギルドのランクで判断される。
これを客観的に判断できるように数値化したものがステータスである。
HP:体力である。0は死んだ状態。もちろん、心臓を突かれたり首が飛べば0になる。疲れるだけでHPの値は減る。結構曖昧だが“しぶとさ”や“持久力”みたいな感じである。
MP:魔力量である。通常は0になると気絶する。気合で0でも魔力を使えるが副作用がある。魔力量は奪わうなどしなければ増えないので、前の世界で仕入れた知識のうち、使えば使うほど増えるというのは使えない。
力・器用さ・耐久力・素早さ:ほぼ、そのままの意味でこちらは魔力の吸収に拘らず、体を鍛えたりして数値を上げる事も可能である。力や耐久力が上がればHPも増える。
賢さ:知恵、言語能力、知能を絡めた数値。勉強で知識が増える事により数値が上昇するが、知能が上がる訳では無い。なので低ければ、知能が低いと言う訳では無いが、高ければ高いほど総じて知能は高くなる。レベルアップ時に賢さが増えた場合は、魔力によって知能が強化され数値が上がっている。
獣人とは――――――――――――――――――
動物に似た特徴を持つ人族の総称。
猫人族、犬人族、馬人族、牛人族、豚人族、羊人族、兎人族、象人族、狼人族などがいる。
頭の上に耳があったり、鼻の形が少し違っていたり、体毛が長かったり、角が生えていたり、尻尾が生えていたりと通常の人族とは違う姿形を持っている。
また獣人族の者たちは犬なら持久力や嗅覚が、猫なら身軽さや夜目がきくなど、それぞれの種族の特徴にあった優れた能力を持っている。
半面、”神の祝福”の効果が少ないと言われ普通の人族に比べて、生れた際に受ける”神の祝福”ではあまり良いスキルを獲得できない。
上記したが獣人族は死後、その体から魔石が出てくる。
その為、教会の教えに反して獣人族の事を準人族や亜人として蔑んでいる者もいる。
獣人族と普通の人族の間に子をなす事はできるが、一般的に避けられている。
魔石は穢れを払う為に教会に奉納しなければならないそうで、死後に魔石を失ってしまわないように種族間、家族間の結びつきが強いと言われている。
精霊人とは―――――――――――――――――
エルフ、ダークエルフ、ドワーフ、ハーフリング、ニンフなどの総称である。
ハイエルフという種族がいるという伝説もある。
全体的な特徴として、少し背が低く透き通るような肌と頭から真横に伸びる長い耳を持っている。
種別的には、エルフは痩身で端正な顔立ち、ドワーフは頑強で髭もじゃ、ハーフリングはさらに小さく子供のような見た目という特徴をもつ。
髪の毛の色も、普通の人間にはない青色、緑色、黄色、橙色などを持つ。
総じて長命で魔力量が高く繁殖力が低い。特にエルフはその特徴が顕著で寿命は数百年に及ぶとも言われている。
種族ごとに特徴があり、エルフは森に隠れ住み、ダークエルフは闇に潜み、ドワーフは山に籠って技術を磨き、ハーフリングは世界を放浪している。
獣人と同じように死後、その体から魔石が出てくる。
尚且つ“神の祝福”によるスキルを与えられないので“神の加護”なき人々として蔑まされている。
一方で、それぞれの種族の持つ能力の高さからありがたがれてもいる。
教会も精霊人は神に救われるべき人々では無く、人間とは別の存在と定義しており亜人や精霊人として区別している。
人間と精霊人との間に子供を作る事は禁忌とされている。
魔族とは――――――――――――――――――
邪神によって力を与えられた邪悪なる存在。
人の世界に敵対する勢力。
魔力量が高く、不老性を持つ。人族を生きたまま連れ去り邪神への生贄として捧げる。
特に成人間際の子供や、成人した処女、神官が好まれているようである。
姿形は異形で、代表的な姿は両性具有で黒山羊の頭と黒い翼をもつ姿。腕は2対。ランクが上がるにつれて腕が増え、肌の色が灰色から赤、紫、最後は黒へと変化していき、羽根は蝙蝠から鷹の翼に代わっていくと言われている。
過去には何度も魔王を生み出し人の世界を苦しめた。
魔族に殺されると神の御許に行けなくなるとして、邪悪な存在が発見され次第、教会からは討伐隊が出される。
オークとは―――――――――――――――――
肌は灰色で豚鼻と下牙、尖った耳を持ち、体形は太っていて身長は大人より少し低いという特徴をもつ魔物である。
知能は高いが好戦的であり、人間に対して激しい恨みを持っている。
積極的に人間の生存圏に侵入してくる。
武器などを自ら作るという事は少ないが、良いものを求める知能はある。
成長速度は人間より少し早く、10年ほどで繁殖可能になる。
妊娠期間はおよそ半年で一度に2、3匹の子供を産み、子供がある程度の大きさに成長するまでは次の繁殖を行わない。
集落の数が減ってくると人族の女性を生きたまま攫い、それに種付けをして数を増やすと言われている。
同じような種族としてミノタウロスやオーガがいる。
ダークエルフはオークとエルフのハーフだと考えてる者もいる。
ゴブリンとは――――――――――――――――
身長が1m弱で緑の肌で魔物と特徴である尖った耳を持っている。
知能も低く自分たちで複雑な武器を作る事は出来ない。
繁殖力が高く、ゴブリンの子供は僅か半年弱で繁殖可能な大人になる。
妊娠期間は5週間ほどで10匹ほどの子供を産む。また、子供がいても体力があればさらに、子供を産む。
人間との交配は不可能である。
実はゴブリン自体は、積極的に人間の生存圏に侵入して行くわけではなく、生存圏が飽和して溢れ出て仕方なくといった感じである。
ただ、オークに支配されている場合も多く、その場合は人間の生存圏に積極的に攻撃しているので、人間からは害獣扱いにされている。
同じような種族として、コボルトやケット・シー、リザードマンなどがいる。
ダンジョンとは―――――――――――――――
この世界のダンジョンに対する認識は不浄な場所なので攻略できるなら攻略する程度の認識しかない。人類生存権の周辺には、いまだ魔物が跋扈しておりこちらに多大な戦力を向ける余裕はない。
それよりも通常は手に入らないような武具が手に入ったり、純度の高い魔石が手に入ったりと、良い金稼ぎの場、鍛錬場になると考えている。中には、絶大な力や秘宝を求めて踏破を目指す者たちもいる。
教会はダンジョンで死んでも“神の御許に導かれない”として、無謀な挑戦を断じて許さず忌避すべき行為としている。
教会とは――――――――――――――――――
暗黒世界に降り立った人々を加護する神、救世主を崇め、神の言葉を伝える救世主教を教える場所。もしくは救世主教団の事。
神が奇跡を顕現する場所でもある。
神の言葉とは“神の眷属たる人よ、加護を与える、奇跡を与える、故に繁栄せよ”と伝えられている。
そこで教会は、神への礼拝・人口増加・生存圏の拡大・魔物討伐・魔力量の増加・獣人族は人族に含まれる・敵性勢力以外との戦闘禁止・婚姻までの純潔を守る、などの教えを説いている。
教会運営内容は多岐にわたっており以下の内容がある。
人々にスキルを与える“神の祝福”を全ての人間に普遍に与える事を目的としている。
“神の祝福”は教会によってのみなされる。
教会関係者のみがつかえる神聖魔法によって人々の命を救っている。
そのほかにも魔法の研究は教会がおこなっている。
神殿騎士団を運用して常時、世界に平和をもたらしている。
その他、孤児院の運営や学校の運営なども行っていて人社会と大きな関わりをもつ。
また“徳”を使って神聖遺物である奴隷の首輪やギルドカードの管理、運用を行っている。“徳”が高い者は神に奇跡を願い治療やアイテムなどを手に入れる事ができる。
ほかには魔王が現れた時、禁忌が破られた時、人類が窮地に立った時、奇跡を起こし救世主と聖なる武具を遣わし世を救ってくれる。
国家というものとは、一線を画しており権利が侵されない限りは不干渉を貫く。
教会関係者の女性が多く純潔を守っており、特に女性のみで構成されている神殿騎士団は強くて人気がある。
ギルドとは―――――――――――――――――
様々な職業の者が集まる組合や組織である。
国の機関ではないが、ギルドはその業種がより発展するために運営される公共機関のようなものであり、税金の徴収の代行なども行う。
冒険者ギルド、商人ギルド、鍛冶ギルド、革細工ギルド、裁縫ギルド、農業ギルド、樵ギルド、宿屋ギルドなど種類は多岐に渡っているが、全てのギルドに支店がある訳ではなく、ある程度はまとまって存在している。
通常の街であれば、冒険者ギルド、商人ギルド、生産者ギルドの3種類の支店になる。
それぞれのギルドは依頼をうけると難易度を設定し、その依頼を達成出来る者に対して依頼を斡旋したり、入札させたりしながら依頼に応えさせる。
依頼の達成度合いによりランクが上がり、さらに上の依頼が受けれるようになる。
現代の公共事業などへの入札制度とよく似ている。
高ランクのギルド員はギルドカードを貰う事ができる。
ギルドカードにはさまざまな情報が記録されており、ギルドの間で情報の受け渡しが可能である。
ギルドにはほとんどの者が加入できるが、教会関係者と、支配者階級である王、貴族、兵隊、それに国に属する奴隷などは加入できない。
教会関係者はギルドカードで管理するのではなく、教会内で管理している。
国に属する貴族や兵隊、国に属する奴隷は、ギルドカードで管理するのではなく王が作り出す“支配者の指輪”にて管理される。
国が滅んだ場合、指輪の石が消えて王との契約は無効となる。
奴隷とは――――――――――――――――――
犯罪奴隷、戦争奴隷、借金奴隷などがいて、他人の所有物として扱われ、労働を強いられ、その対価に金銭を与えられる事がない者たち。譲渡・売買の対象とされた。
ただし、奴隷の所有者は、奴隷の命を無為に奪う事は禁じられている。又、奴隷の食事、寝床の用意など最低限の生活も保障しなければならない。
“神の救済”である奴隷の首輪の機能を使う事により主人への攻撃禁止・対象への攻撃禁止・自殺禁止等の行動制限、魔法封印・魔力増加封印・生殖活動封印などの各種封印を使う事ができる。
科学について――――――――――――――――
教会は科学の発展を禁忌としている。
特に火薬、内燃機関、電気製品を禁じており、さらに医療行為、医学を教会以外で研究することも禁じている。
お金について――――――――――――――――
金の設定
割銭貨5円 鉄銭貨10円 鉄貨幣100円 銅貨1千円 銀貨1万円 金貨10万円
この街では一種類の通貨しか使われておらず、お金はそのまま銀貨何枚、銅貨何枚と呼ばれる。正式な名称はエーン硬貨と呼ばれている。
(『ファンタジー世界の住人ですがUFOにアブダクションされました』作者:百均様の設定を使わせていただきました)
上記は食料や住まいの値段をもとに算出しているが、相対的に食の値段が安いため必ずしも正確な値ではない。
衣料品を基準にした場合は、その価値は2割~5割ぐらいになる可能性も含む。
移動速度について――――――――――――――
歩く速度は道路なしで一日40㎞進める。速さは最速4㎞/h 深い森の中では一日に進める距離は20㎞にまで落ちる
馬の速度は20km/h。道ありで一日160㎞、なしなら60km移動できる。
都市の規模について―――――――――――――
12500人/1㎢で計算
ダンジョンの眷属付いて―――――――――――
ダンジョンの眷属は召喚されるとレベル5の状態で現れる。
これは何も訓練を行っていない大人のレベルの平均である。
ステータスやスキル、魔力量もこの世界にすむその種族の平均となる。
また、召喚される種族が一般的に知りえる事を知識として有した状態で召喚される。
命令されると、その指示に従い、それ以外は周囲を捜索する。
ダンジョン内での最短復活時間は6時間。ただしリッチのように魔力量が大きい眷属は半日以上かかり、最長で15日となる。




