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おっさんはダンジョンマスターになって青春を取り戻せるのか  作者: 烏龍お茶
3章 おっさんがダンジョンを強くする
30/81

数字が上がらないレベル上げ

 ダンジョンにもどって、ノームとの会話を思い出す。


 既に夕食は食べ終えており、外周りユニーク部隊(ナンバーズ部隊)も送り出している。時間があるので考えを整理する事にした。


 色々と分った事と分らなかった事がある。とりあえず南の森、いや“守りの森”か。には凶暴な魔物はいないみたいだ。こっちの森も危険なのはオークぐらいで何とかなりそうだな。


 気になるのは“中の森”の人族とその南方にいるという魔族だ。


 この洞窟にもともと住んでいたレッサーデーモンと魔族。やっぱり関係があると思っておいた方が良いのだろう。対応を考えておかないとな。もし、あんなのが大挙して押しかけて来たら、さすがにやばい。魔族の動向を探る為にも、ノームたちとは仲良くしていて損はないはず。


 人族の事については、最前線の町の場所以外の情報は無かった。ノームは人族との接触がほとんど無いそうだ。それに魔法に関する新しい情報もなかった。守りの森の勢力に、いわゆる魔法使いはいないみたいだ。ノームたちも魔法を使うそうだがピクシーの“手当て”みたいに詠唱を伴わない系なのだそうだ。ちょっと期待してたのに残念だ。


 あと、崖上の事もほとんど分からなかった。分かったことは神聖な場所という事だけで、昇らなければ問題ないみたいだ。ただそういう“掟”なのだそうで、破ったものは追放されるそうだ。……私は降りて来ただけ。うん、大丈夫なはずだ。


 野菜やサンダーボア(稲妻猪)の事は最後に許可をもらったし、ジャイアントスパイ(大蜘蛛)ダーとクロップスビー(巨大蜂)はいくら狩っても問題ないという事だ。大蜘蛛はイノシシを、巨大蜂はあの辺りの植物を荒らすので困っていたようで、狩れば逆に喜ばれる。


 分った事や分らなかった事、いろいろとあった訳だが結局のところ、現状は余り変わらないという事か。人族の町の話には興味があるけど、片道四日の距離でしかも紛争地域を横切るとかは、さすがに無理がありそうだ。



 スケルトンたちとの修行を終えて、帰って来たナンバーズ部隊を出迎える。オオカミの魔石を受け取りながら状況を聞くが、もう夜の狩りは中止してもいいだろう。みんなを労って、休む事にした。

 ・・・

 ・・

 ・

 朝起きて日課を済ませたあと、リッチ先生との修行をはじめる。ダンジョンの中だと疲れにくいので辛くない。少し休憩しながら延々と続けた。休憩は無くてもいいのだが、何となく気分で取っている。疲れないからと言って、休まず続けたら精神がいかれそうだからな。


 それより、問題はロングソード(両手剣)だ。型といえども打ち合うからボロボロになって、もう刃が無くなっている。それに寸止めを続けるより、そろそろ打ち込んでみたいってのもあるし……重さが変わるからと思って嫌ってたけど、木刀でも用意するかな。


 棍棒ならたくさんあるはずだしあれを削れば良い。思い付いてしまうと試してみたくなる。修業を中止して木刀を用意することにした。



 さて誰に作らせようか。ナンバーズ部隊は外に出てるし、ピクシーのサンとケット・シーは畑仕事をしている。今、手が空いてそうなのはダンシングレー( お玉さん )ドルか。お玉さんの姿を思い浮かべ「まぁ駄目なら仕方がない。それなら自分で作ればいいかな」となんとなく聞いてみる事にした。


「お玉さん、棍棒を削って訓練用の木の剣を作って欲しいんだけど、出来る?」

「細工をらさなくても良いなら、作るだけで良いのならば出来ます」


 おっ、出来るんだ。というか、どうやって削るんだ? そう言えば料理とかでも切ってる姿は見た事がなかった。興味が沸いたのでついでに聞いてみる。


「前にクラスチェンジのお話をしたと思うのですが、私はもともとリビングソードだったのです。食材を切る際は、お玉の部分が刃物に変わります」


 お玉の部分が刃物に変わる!? 予想外の答えに唖然としたが、なるほどそう言う事だったのか。前に巨大蜂を倒していた時も、蜂の首をお玉の部分で刈り取ってたわ。なんか納得して木刀の作成をたのんだ。


「分かりました、お作りしておきます。ところで主様あるじさま、今日の魔法の修行は中止なのでしょうか?」

「えっ!?」

主様あるじさまとお呼びしない方がよろしかったでしょうか? ハチ公さんがそう仰っていたので真似させて頂いたのですが……」


 そう言葉を続けるお玉さんの声のトーンが段々と下がっていく。


「いや、それは別にあれだ、むしろそっちの方がいいかな。それより、急な質問の方に吃驚ビックリしただけだから」

戸惑いながらも何とか答えた。


「そうでしたか、申し訳ございません。いえ、魔法の修行をするのなら、私にも魔法を教えて頂けないかと思いまして」

「ん、魔法を教える? お玉さん魔法つかえるの?」

気を取り直して答える。


得手不得手えてふえてはありますが、一定以上の賢さがあり、詠唱さえ覚える事が出来るのならば、私たちでも魔法が使えるようになります。私はもともと魔法生物ですので、相性は良い方ですし」


 言われてみれば自分も魔法を使えたんだから、他の仲魔が使えてもおかしくない。


「なるほど、そう言う事か。別に問題ない。というかストーンバレットとアイスニードルしか無いけど、是非覚えて欲しい。後方から援護してもらったら楽になるし」

「許可していただき、ありがとうございます。ただ、主様あるじさまが仰っているよな、後方射撃による戦闘への援護は難しいかと思います。通常は支援の音楽を奏でますので、同時に詠唱する事は難しいのです」

「支援が無くなるのは、さすがに不味いな」

「ですが、私のレベルも10を超えましたし、今ならそろそろ鎧の召喚も可能な気がするのです」

「えっ、召喚!? 魔法を覚えたら召喚魔法が使えるの?」

「いいえ通常は、普通の詠唱を覚えたからと言って召喚魔法使えません。ですが私は今までも料理に味を加えるために、召喚みたいな技を使っていました。その技と土魔法を混ぜたら……。物質を合わせ固める性質の土魔法の魔力の流れを体の中で再現することが出来れば、今のお玉の体を作り上げたように、魔法で鎧をつくりあげ召喚できそうな気がするのです」


 なるほど、もともとはリビングソードだからリビングアーマーみたいに鎧を召喚できそうと言う事か。それに味付け変えるのに召喚魔法を使ってたとか……いちばん身近にいて信頼してるけど、お玉さんの事自体はほとんど知らなかったようだ。最悪、鎧が召喚できなくても魔法が使える様になるだけでも良いし問題ない。


「なら、一緒に魔法の修業をしようか」


 木刀づくりは後回しにして、リッチ先生と一緒にお玉さんの魔法の修行を始める。今度は教える番だ。ゆっくり丁寧に詠唱していく。1時間ほど教えてたらMPが無くなったので終了する事にした。結局この日お玉さんの魔法は発動しなかったが修行できて嬉しそうだった。


 お玉さんはこの後、木刀を作ってくれるらしい。私は昼までの残った時間、リッチ先生と修行して過ごした。



 ナンバーズ部隊が帰って来たので出迎える。オオカミの魔石はさらに増え20個になっていた。オオカミの数が増えてるのだろうか。少し心配になったので冥府の番犬( ハチ )に聞いてみる。


「ハチ、オオカミの数が増えて危険になってないか?」

「増えてない。危険 特にない」と答えが返ってくる。そこに、スーが口をはさんで来た。


「スーね、今日はね、活躍したんだよ。それに、ナナを治したの」


 別にコボルトのナナとロクが傷ついてる訳では無い。それでも詳しく聞いてみると、ハチが持っていた槍をロクに渡してから、戦闘が随分と楽になったらしい。最近ではまったく傷を負うこともなく、スーの“手当て”も使ってなかったそうだ。


 10個ほど集めた時、ハチのレベルがあがったそうでハチ1匹とナナ、ロク、スーの二手に分かれてみたそうだ。で、久々にナナがちょっと怪我しただけらしい。ナナとロクに聞いても、全く問題ないという事だ。


 というか、ハチは1匹であばれまわってるのか……ステータスを見るとレベルが3になっていた。



 昼からみんなで“守りの森”に移動する。食べる分の野菜をあつめて、大蜘蛛を退治してイノシシを1匹だけいただく。うん、結構暇だ。クロップスビー(巨大蜂)にも手を出してみるか。


 が、蜂さんもお玉さんの支援でさらに強力になったハチが、暴れまわると直ぐに援軍が来なくなる。手持ち無沙汰だ。もう一度、蜂さんを探し出す。


 今度は少しずつ戦力を増やしていく事にした。お玉さんの音楽を聴きながら、まず私が戦い出す。支援効果のおかげか結構余裕で戦える。しかしさすがに殲滅まではいかないか。そのまま十五匹ほど倒していたら、我慢できなくなったのか「スーも、戦うの」と参戦してきた。


 一気に均衡が崩れる。その後さらに十五匹ほど倒したら、蜂さんは居なくなっていた。最初の印象で相当警戒してたが、お玉さんの支援効果ありだとこんなものか。それに少しは強くなってるのかもしれないし。


 ナナとロクがひたすら魔石を集めてくれている。サンとスーとお玉さんも手伝ってあつめている。ただ、ハチは姿が変わってから細かい作業に手こずるようになったので、警戒任務に当たってもらった。


 その後も、大蜘蛛と巨大蜂を探して点々と移動しながら戦っていった。



 夕方近くになり、ノームの爺さんが姿を現して大蜘蛛と巨大蜂の退治を喜んでくれた。そしてお礼にと壺一つ、小瓶を三つ取り出しそれらをくれると言ってきた。


 壺にはハチミツが入っていた。小瓶にはいろんな種類の粉末が入っているのだが、粉末が何かは分からない。


 ノーム爺さんに尋ねてみると、小瓶の粉は調味料だと言う。それを聞いたお玉さんが凄い喜んでいる。


 巨大蜂の数が大分減ったから、もうすぐ取れると持ってきてくれたそうだ。詳しく聞くと、クロップスビーは植物を噛み砕くと巣に持ち帰り、それを肥料にきのこを栽培するのだそうだ。それでノーム爺さんたちはキノコ蜂と呼んでこの地に連れて来たらしいのだが、最近は数が増えすぎて収穫もできなかったし、さらに森林を食い荒らすってことで相当に困ってたらしい。


 それならばと、有り難く頂いてお礼を言ってから洞窟に帰った。



 ダンジョンに戻った後はみんなで夕食を取った。食事の味がさらに深くなっている。お玉さんに聞いてみると、今回もらった調味料と昨日から作り出したバターを使い始めたと、説明してくれた。もうすでに前の世界での独り身の食生活を越えていると思う。


 食事を終えると修行の時間だ。まずはお玉さんに魔法を教える。夜の狩りは中止したので、ついでにサンとスーも加えてみた。ハチは賢さは高いが詠唱が出来ないようだ。横で頭を2つ地面にくっつけ、暇そうにこちらを眺めている。


 2時間ほど教えたあとは、リッチ先生との剣の修行だ。スケルトンたちと向き合い、ゆっくりゆっくり動きを確認して打ち合い始める。狩人×狩人って漫画に書いてた、こういう修行が重要なのだ。


 剣を振り、うけられ、相手の攻撃を躱し、また剣を振る。今度はハチも真剣に三つの頭で攻防を追いかけている。ゆっくり動いてたつもりなのに、ギャラリーに良い所を見せようと熱中しすぎて、またもやスケルトンを壊してしまった。まあ、ここ数日の成果でDPはすこし余裕がある。




 食事のレベルも剣の腕のレベルもあがり、ますます充実していく。

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