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おっさんはダンジョンマスターになって青春を取り戻せるのか  作者: 烏龍お茶
2章 おっさんがダンジョンマスターを楽しむ
23/81

ボーナスタイムが終わった

 久々に心地よい目覚めだ、夢の中でも無双していたみたいだ。夢精はしてないがここ最近、朝は元気だ。


 まず日課になった外周りユニーク部隊(ナンバーズ部隊)を送り出す。


 その後はとりあえずダンシングレー( お玉さん )ドルと地下に行きトロルの首を跳ねる。


 あっ!? 力が湧いてくる。昨日に引き続きレベルが上がったようだ。これでレベルが15になった。才能か? それとも種族のおかげか? これならダンジョンの外でもオークぐらいなら1対1で圧倒できそうだ。


 コア部屋に戻り昨日の続きをする。増えた項目をチェックしていくのだ。DP(ダンジョンポイント)は2599ポイントある、もちろん過去最高だ。新たに表示されるようになった沢山の項目を順にみて行く。


 あっ! お宝の中に何種類かの魔法の石板ってのがある。前にコアさんが説明してくれたやつだ。それぞれの石板には低級の4大元素魔法の古代文字が書いてあるようで、設置された石板の前に行くと頭の中に古代文字の読み解き方が浮かんでくるそうだ。つまり見たらすぐに魔法が使えるようになるらしい。


 何なんだ、今までの私の苦労は………報われていたようだ。ポイント見て納得した。その分、すっごい高価だった。今は忘れる事にしよう。


 ひと通り確認したが強い魔物や宝物、面白い部屋、変わった罠とか色んな物があって楽しかった。



 次に、昨日の戦闘で気付いた事を整理し、計画に起こして実行に移す事にした。


 まずはダンジョンをさらに拡張する。2階にもう一つ大きな部屋を作るのと、2階から別の階段を使って外へでる抜け道をつくる。他にコア部屋から直接崖に出れる細く小さい通路もつくる。


 昨日の大部屋での戦いは良い例になったと思う。1階で戦って危なくなったら2階に退いてそこで戦う。あの後、2階の階段上の部屋にもう少し敵を引き込めたら戦力を分散できてもっと楽になったはずだ。


 抜け道を作った理由は当たり前だが、逃げる方法は一つでも多い方が良い。昨日も実はやばかったのだ。オークが弱かったから問題がないように思えるが、オークがもう少し強ければ、こちらは2階に閉じ込められていた。


 そこで2階からの抜け道を新たに作ったわけだが、抜け道の出口を滝の裏に作ったのを、ありきたりだがなんか素敵だと思う私はおかしいだろうか。


 抜け道側の通路には落とし穴以外にも石槍の罠なんかも設置する。他にも扉を設置してどんどんロックを掛けていく。入口が他にあるのでこちら側を罠で塞いでしまっても“封鎖空間”にはなら無いはずだ。


 夢中になって作ってるとDPを4割近く消費していた。時間もずいぶん経っていたようで、もうナンバーズ部隊が帰ってきた。


 いったん手を止めナンバーズ部隊を出迎える。残念ながら今日は魔石を5個しか集められなかったそうだ。ハチの説明では集落にいるゴブリンの数が随分減っていて、外をうろつく奴も少なくなっているらしい。


 あのオーク達は集落のゴブリン達を連れてきたのだろうか。だとすると、あの数のゴブリンが減ったのはやばいかも。明日からしばらくの間はゴブリンを倒す数を減らすようハチに指示した。



 昼食を食べながら、少し休憩して頭を切り替える。さあ、計画を落とし込んでいく続きだ。


 レベル上げだが今までみたいに全体のレベルを上げるんじゃなく、強い奴のレベルだけを上げる方が効率的だと気付いた。次々と引き込んで戦うなら盾や囮より主力こそが重要だ。メンバーを決めて集中して上げてしまおう。誰にするかは悩みどころだ。


 まずは自分、ダンジョンの中なら最大戦力だ。より強くなるべきだ。決して“俺Tueee”がしたい訳では………まあ、有る。死にたく無いし。それとお玉さんも決定かな。ナンバーズ部隊は外に行くから除外か。あとはリッチ先生のレベルを上げるか。


 次は単純な戦力増強。トロルを2匹とガーゴイルを6匹を召喚する。ガーゴイルはオークと同じコストで、自我がない。人形のように命令された事をするだけだ。その代りオークより若干ステータスが高いし、武器も防具も必要ないし特殊能力もある。


 普段は物静かに固まって過ごす、石像になって守る感じだ。コア部屋の前に配置するので物静かってのは重要な事でうってつけである。私は一人じゃないと寝れないタイプなのだ。可愛い娘を抱きしめながら寝るのは勿論べつだ。


 召喚でも調子にのってDPを使いすぎてしまった。残りのDPはすでに569ポイント。ここらでDPの消費をストップしないと。


 今回召喚した仲魔のうちトロル1匹を私とお玉さんとで倒し、ガーゴイル3体を私とリッチ先生で倒して経験値を稼がせてもらう。日に4回倒しても回収してくる魔石でほぼ賄える計算だ。



 さて計画していた事はだいたい出来たので、次は修行をする事にした。


 今回からは趣向を変えてバトル形式にしてみようと思う。ダンジョン効果の支援があれば、そうそうケガもしないはずだ。地下に向かい、いつものトロルに伝える。


「これからいつものようにお前を殺すが、今回から反撃してもいいぞ」


 お玉さんの音楽を背に、歪んだ笑顔を浮かべるトロルと向き合う。っ!! いきなり腕が真横から飛んで来た。


 太い、長い、早い、躱せない。ロングソード(両手剣)を盾にして咄嗟に防御する。


 体が宙に浮き壁まで吹っ飛ばされた。肺から空気が抜け、苦しさに顔が歪む。


 トロルは散々に虐められたからだろう。どうだ! と言わんばかりに喜び、残忍な表情を浮かべた。


 凄い力だ。


 だが、直撃しても即死する事は無さそうだ。気を取り直してバトルを再開する。


 油断しているトロルに向かって右手をかざした。

〈ドァイ スォウ メチェン プロゥ カァ シヴァ クラァン スカリィ〉


 石のつぶてがトロル目がけて飛んでいき腕を吹き飛ばす。


 一瞬怯んだところを狙いダッシュして距離を詰める。


 トロルは残った腕をメチャクチャに振り回し、近づけまいとするが単純な動きだ。


 軌道を見切り、身を屈めるようにして懐に入りそのまま片足を斬り離す。


 トロルは振り回していた腕の反動でバランスを崩し倒れてくる。


 押し潰され無いよう、剣を振り切った勢いのまま動きを止めず奥に抜け、身をひるがえして剣を構える。地上2メートルにあった首が倒れてきてちょうど目の前に来た。


 力まず振り下ろした剣がトロルの首に吸い込まれ、ボトリと首を落とした。


 レベルが上がったからだろうか剣筋がますます冴えてきたようだ。ピクシーにケガを直してもらってから、2階に移動する。



 次はリッチ先生と共に新しく召喚したガーゴイル3匹と戦う。ステータス的にはそれほど強くないはずだ。ガーゴイルに向かい3匹で戦えと命令する。6個ある石像のうち、3つが動き出し飛び上がった。


 ガーゴイル達と対峙する。私が前衛でリッチ先生が後衛だ。まずは私から斬りかかる。初撃はガーゴイルの爪に防がれたが、次の一撃が爪の合間を抜け胴を薙ぎ払う。


 ゴキンッ!!


 剣が跳ね返り手が痺れる。怯んだ隙に残りの2匹が爪を振りかぶり襲いかかってきた。やばいと思った瞬間、後ろから石の礫が飛んで来て1匹を吹っ飛ばす。残った1匹の攻撃を何とか避けて体勢を立て直した。


 先生に感謝しつつ、つぶやく。


「しかし、固い」


 斬りつけた所は欠けているがガーゴイルの動きは変らない。ストーンバレットで吹き飛んだ方も、奥の方で起き上がっている。


「物理攻撃なら打撃系、魔法なら精神系の攻撃が有効です。動きを、ペインスティング(激痛の付与)でダメージを与えます」

とリッチ先生が助言してくれた。


 今度は相手の攻撃を待ち構える。ガーゴイル3匹の攻撃を剣で受け、躱し、爪を殴り体制を崩す。


 不意に目の前にいたガーゴイルの1匹が墜落した。細かく震えだし、甲高い金属音の様な悲鳴を上げて崩れさる。詠唱が聞こえなかったが、今のがネクロマンシーの魔法か。


「リッチ先生、強っ!」


 数が減り防御が楽になった。敵の攻撃の合間合間に剣を叩き込んでいき、ガーゴイルの体を徐々に削りとる。また石の礫が飛んで来て1匹を吹き飛ばした。


 目の前にいるガーゴイルに攻撃を集中する。何連撃を入れただろう、ガーゴイルが地面に落ちてふっと消えた。


 残り1匹の方を見ると向こうもちょうど消えるところだった。リッチ先生が仕留めたようだ。


 ただ殺すんじゃなくバトルは得るものが多い。連携も高められたし弱点も把握できた。少し戦闘時間が掛かるけど、まあ問題ない。このまま模擬バトルを続けようとおもう。



 終わったら次は魔法の修行をする。今度はアイスニードルを習う。

〈プルァ ヴゥ ムショオ ヴリィチェク クリィプ ウゥ〉


 リッチ先生の詠唱に続いて真似をしながら詠唱していく。音の発生とリズムに注意しながら何度も唱える。


 2時間ほど練習した時、手の前に小さい氷が浮かんだ。先に他の魔法を覚えたからか前よりずいぶん早い。さらに繰り返し詠唱を続ける。



 時間が来たのでナンバーズ部隊を送り出し、レベル上げに戻る。地下に行きトロルと戦う。今度はお玉さんのレベルが上がったようだ。次に2階でガーゴイルを倒す。さらに、リッチ先生のレベルも上がった。順調に3人のレベルがあがっている。


 終わるとまた魔法の修行だ。ちょうど諳んじて魔法が発動するようになったときナンバーズ部隊が帰って来た。



 出迎えると5倍の魔石を2個とシャドウウルフ(オオカミ)の魔石を10個も出して来た。


「おっ、いつもよりDPが多いな」


 ハチに無理をしてないか確認してから頭を撫でて褒めてやった。午前中の減った分を補った感じだ、本当に働き者たちだ。


 この日の最後にトロルとガーゴイルを倒す。ひたすら模擬バトルと魔法の修行。充実している。

 


 翌日も、いつものようにナンバーズ部隊を送りだし模擬バトルをして魔法の修行。狩りを出迎えて送りだしを繰り返す。


 また、レベルが1つずつ上がった。変わったことと言えば、トロルとの戦いでストーンバレットを撃とうしたら、アイスニードルの詠唱と混ざって失敗したぐらいだ。魔法の修行は交互に詠唱するようにした。


 順調に進み、あとはナンバーズ部隊を出迎えて、最後のバトルだ。と思っていたらちょうど帰って来た。


 あれ、ナナとロクが怪我をしている。命に別状はなさそうだが、血はまだ流れている、痛々しいな。すぐに地下のピクシーを呼び入り口に向かう。


 ハチがこちらに気付き、魔石を渡して来た。5倍の魔石が1個にオオカミが20個。DPの量だけ見ればいつもより多いがちょっとおかしい。ハチに状況を説明するよう指示した。


 要約すると、崖下のゴブリンの死体は殆ど無くなってるらしい。ようやく見つけた死体には沢山のオオカミが群がっていたそうだ。それでも、問題なくオオカミを蹴散らし魔石を回収したらしい。


 いつもならそれで終わるのだが、回収した後もオオカミがずっと追いかけてきて攻撃してきたそうだ。実際はオオカミをもっと多く倒したそうだが、途中からは魔石が回収出来なくなるぐらいの猛攻だったそうだ。仕方なく回収できなかった魔石は放置してもどって来たらしい。


 魔石を放置して帰ってきたのは別にいい。ケガをするぐらいだったのだからいい判断だ。それより崖上で暮していた時の事を思い出す。最初はいなかったゴブリンがドラゴンと共にやって来たのだ。そんなゴブリンがまた居なくなっても不思議じゃない………。


 やっと来たピクシーにナナとロクの治療をさせ、ナンバーズ部隊をねぎらった。


 最後の模擬バトルを中止して、コア部屋にもどり対策を考える。ゴブリンの集落も数を減らしてる。その上に崖上からの死体が無くなるとまずい。


 とにかく情報が欲しい。




 蝙蝠をなまえ持ちの魔物(ユニークモンスター)にして外に放とう。

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