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SPEC片  作者: ポルポン
3/3

甲の回ー参

どうも!ポルポンです!

一話だったかな、紹介した悪友がこのサイトで小説を書き始めました。

私のお気に入りユーザーから、是非読んでみてください。

『運命は我らを幸福にも不幸にもしない。ただその材料と種子とを提供するだけである。』

「これはモンテーニュの名言だ。」と鎌鞍が言っていたのはいつのことだったか。

長い付き合いとなる博識な戦友を横目に、目的地へと歩を進める。

「どこへ行く貴虎。着いたぞ。」

「そうか。」運命など信じたことはないが、さすがに緊張を隠せない。

「なんだ?随分と従順だな。珍しいこともあるものだ。」

いつもの鎌鞍の煽るような声すらも、七徳の耳に届かない。

絶対に、この連鎖を終わらせる。

自分を鼓舞しながら、俺は能令宅のドアに手をかけた。


「動くな。代行審判官だ。」

「神に代わって、裁きにきたぜ。」

「それ恥ずかしいからやめろって。」

こいつは出会ったときからどこか人と感性が違う。難しい言葉や技法を乱舞するのは、こいつの悪い癖だろう。

「なんで来たんですか、あなたたちは。」

随分と早口だな、こいつは。頭に様々な飾りをつけた胡散臭さ満載の男、能令を観察しながら、俺はそんな印象を受ける。

「世紀の大予言者様は、そんなことも予知できないのか?」

「それは視えていました。だから『なんで』来たんですかと聞いたんですよ。あなたがここに押し掛ける理由が分かりません。」

「なるほど、視えるものと視えないものがあるのか。」

部屋の装飾に興味を示していた鎌鞍がの口から言葉がこぼれた。

「俺たちの目的は一つ。『神の業火』についてだ。」

「そういうことですか。あれを信じる者がいるとは、意外でしたね。いいでしょう。」

能令は「そこに座れ。」と顎でしめす。

「おっ、世紀の大予言が見れるのか。楽しみだな。」

興味の対象がこちらに移ったらしい鎌鞍が、俺の隣に腰を落とす。

では、と能令が集中した瞬間に、部屋の空気が変わった気がした。

重々しく、肌にねっとりとまとわりつくような嫌な錯覚を覚える。

本当に予言が存在するのか。自分の内から溢れる何かを抑え込むように、拳を強く握る。

「うぇーい!うぇーい!」空気が先程と違ったベクトルで変わった。

「「ふざけるなぁ!!!」」俺と鎌鞍の声が見事に被る。

「仕方ないじゃないですか、こうしないと視えないのですから。」

「で、視えたのか?」笑いながら鎌鞍が尋ねる。緊張感のない男め。

「最初に燃えるのは、あさいけんたろうという者の家。ここから北に500mほどの場所です。」

「なるほど、予言か。」鎌鞍が珍しくまじめな顔で考え込むようなそぶりを見せる。

「未来は絶対です。だがしかし、努力によって変えることもできます。」

勝ち誇ったように言う能令の声に、俺はまだ釈然とせずいた。

「もしお前が本物の予言者なら、これから俺がどうするか分かるな?」

「当然です。」

「話が早くて助かる。」

能令の胸倉に手をかけながら言葉を続ける。

「お前を連行する。」

こいつは信じるに値しない。今は、の話だが。


俺、七徳貴虎は冷静に考える。

この先に待ち受ける運命は、幸福か否か。

運命と名づけられた種子が、芽を出そうとしていた。


ここらで人物紹介を。

鎌鞍凌雅<かまくらりょうが>

七徳貴虎<しちとくたかとら>

城井玄斗<しらいくろと>

新美翼<にいみつばさ>

能令秀保<のうれいひでやす>

では!次話で!

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