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こうなったいきさつ。凄い馬鹿みたいだわ

「ぅ…ん…ぅん?」


目を覚ますと、まず目に飛び込んできたのは、目に痛い程の白い天井。

そして、柔らかな羽布団。

上半身だけを起こした私は、硬直した後、直ぐに視線を『それ』から外す。


「ちょっ!逸らさないで!助けてくれない!?」


金髪金眼の絶世の美男が亀甲縛りのパンツ一丁でいた。うわー変態だよ。キモいね。


「ひ、ひどっ!?僕は変態じゃないよ!これには訳が…ッ!!」

「あ、話し掛けないで貰えますかね…誰か居ませんか!?ここに変態が居ます!!!」

「ち、違うんだよ!僕にこんな趣味はないよ!!!」

「うっわ!話しかけないで下さいよ!変態が移ります。お願い誰か返事をーーー!」

「あらぁ、創造神様ったら。なんて素敵な格好をなされてるのかしらぁ?」


明らかに高い、女性特有の声のする方に顔を向けると、そこには金髪碧眼の美女がいますた、まる


「あ!ウリエル!!お願いだよ!この縄を解いてくれーーー!!!!」

「こんにちは。澄城珀亞さん。ごめんなさいね。どこかの愚図なアホ神がまだまだお若い貴女を間違って殺してしまったのです…」

「は、はぁ…」


凄いよこの人。自分の上司と思われる変態男をまるまる無視したよ。


「あの、ウリエルさん?あそこの変態はどうしてあんな格好してるんでしょうか」

「うふふ。私がやったんです。毎回毎回、失敗するような駄目神にはお仕置きが必要ですので。あと、私の事はウリエルで良いですよ」

「わ、分かりました!」


すまん。駄目神。

私は美人に弱いんだ。


うふふ、と微笑んだウリエルは、ゆっくりと変態男もとい駄目神を振り向いた。


「ひっ…!」

「あらやだ、創造神様。女性に向かって悲鳴をあげるなんて…無礼ですよ?」

「す、すみませんでしたぁぁぁ!お願いだから止めて下さいお願いしますウリエル様お願いですぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

「うふふふふふっ。あぁ気持ち良いわぁ…ゾクゾクしてしまいます…さぁ、創造神様。もっと声を上げなさい」


……………………怖い…。

ウリエルはどうやら嗜虐体質らしい。

駄目神の6枚3対の綺麗な純白の翼を、引きちぎったり毟ったりどこからか出してきたレイピアの様な剣で切り付けたりしている。

その度に駄目神の無惨な悲鳴が部屋中に響き、何だか可哀想になってくる。


「あ、あのぅ。ウリエル?流石に可哀想だから止めてあげて下さい」

「珀亞さんの言うことなら仕方がありませんね…ふぅ。これに懲りたら二度と失礼のないようにして下さいね?」

「は、はいぃぃい!」

「あ、あはは」


あの駄目神が私を涙の溜まる瞳で見てきた。

そこには私への多大な感謝が溢れていた。


ど、どんだけウリエルに恐怖心を植え付けられたんだ。


「さぁ、創造神様。ここに来てもらった経緯を話すんですよね?」

「あ、はい。それでは珀亞さん。実は貴方は本当ならまだ死ぬはずでは無かったんだ」

「うん。それウリエルが言ってた」

「ぐはっ!え、ええとそれで、君がさっきいた場所あったよね?」

「あぁ…あの…森か」

「そう。君は地球で死んだあと、僕の管理する世界の1つである『レティミリクァル』に転生させたんだ」

「『レティミリクァル』?」

「そう。科学の発展が物凄く遅い代わりに魔法が発展した世界だよ。そこに君を魔力も身体能力もとんでもなくアップさせて、転生させた。もう『レティミリクァル』で君に叶う者はいないよ。本当なら魂の容量にあった能力が授けられるんだけど、君は何故か途方も無く大きくてね。必然と最強な存在になってしまった…あまりにも珍しいからこの際全て完璧にしてみようということで、容姿も頭脳も底上げしたんだけどどうかな?w」

「お前のせいかぁぁぁぁ!だったらこっちに転生させる前にここに呼べよぉぉぉおお!いきなり私人を殺しちゃったんですけど!?!?どうしてくれんの!?!?(゜Д゜)」

「あ、安心して珀亞さん!君はまだ誰も殺してないよ!君が使った魔法『千本刃』は、その魔法を使った本人に傷付ける等の敵意がなければ、一時的な効果をもつある意味幻覚系の魔法なんだ!ここに来た時に珀亞さんは魔法を解除しただろう?だから、傷は無くなったよ」

「そ、そうなんだ…よかったぁ(*´∀`)-3」

「うん。さて、これで説明は終わりかな。ウリエルは何かあるかい?」

「そうですね。強いて言えば虐め足りないということでしょうか。そして、珀亞さん」

「いいですか?貴方はこの馬鹿神の気まぐれでご容姿が大変よろしいです。その見目麗しさ故に誘拐などの大変不快な事件に巻き込まれてしまう可能性がとても大きいので、注意して下さいね」

「分かりました!ありがとうウリエル」

「いえいえ」

「それじゃあ、向こうの世界に戻すね!ここと向こうの時間の流れは違うから、ここでは何時間も経ってるかもだけど、向こうでは1分くらいだから安心して!」

「わかった。まぁ、色々ありがとね創造神w」

「ごめんよ僕の手違いで…じゃあね!珀亞さん」

「ばいばい、創造神、ウリエル!」


にこやかな二人を最後に、私はぽっかりの足元に開いた穴に落ちていった。


「こんっっの、くそ神ぃぃぃいいいいいい!!!」


私は今までで一番の大声を上げた。

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