アンハッピーなジェミニ
この作品は貧困な発想:1ノリと勢い8:推敲1の成分で出来ています。
簡単な気持ちでお読みください。
期限に間に合わなかったよ! \(^ω^)/
俺こと榊原瑠衣には姉がいる。
よくできた双子の姉、瑠亜。そんな姉と比べて俺は性格も成績も平々凡々。姉さんのような才能や出来た人格や取り柄らしい取り柄は特になく、強いて言えば姉と容姿が似ているところだろうか。おかげでよくに間違われる。まあ、体型・体格もよく似てるのが悪いんだけど。
そんなせいで、今日もほら。
「榊原瑠亜だな」
早速間違われる始末だ。
一人は大柄な男、背格好はボクシング選手のそれと同じように縦も横も大きい。そしてもう一人は平均的だが、どちらかといえばやや細身の男。こちらは頭脳労働タイプなのだろうか。
ていうか瑠亜姉、こういう人たちと関わり合いがあるとかホントに勘弁して欲しいんだけど。
「いや、人違いですけど」
「嘘をつくな。貴様が榊原瑠亜であることは我々の調べで上がっているのだ」
「いやいや、嘘ついても仕方ないでしょう。だって、」
そう言いかけたところに強い電流が走る。それと同時、強い虚脱感に襲われ受身も取れずに体が崩れ落ちる。
「え……?」
一瞬の出来事で頭に空白が生まれるがすぐに事態を再確認しようとするが麻痺して体の自由が利かない。
「これ以上は付き合いきれん。貴様は我々の計画に必要な人材なのだ」
「だから、そのまま眠ってくれ。起きた時には全てのことが済んでいる」
そしてそのまま、意識を刈り取られた。
◇ ◇ ◇
「連れてきたぞ」
「存外と早かったわね。もっと手間取るかと思ったけど」
「わしらにかかれば小娘の一人、容易いものよ」
「もっと抵抗されるかと思ったが、思った以上に呆気なかったな」
そういって、台の上に乗せられた人間、榊原瑠衣を見下ろす。
「では拝むとするか」
衣服に手をかけていき、脱がしていき下着を脱がせ追え三人は呆然とした。
「……男だ」
「……男だな」
「……男ね」
女性特有の膨らみはなく、女性にはないものが付いていたりする。どこをどう見たって、目の前の男であるのだ。
三人は無言となり、それとなく下の部分をシーツで隠す。いつまでも見ていて気持ちのいいシロモノじゃないという三人の共通認識からだろう。なんとも言えないやるせなさを感じる。
そして三人の間に空気に緊張が走る。それと同時、実行部隊の男二人の冷や汗の量が尋常ではないぐらいに吹き出す。やっちまった臭がとてつもなく滲み出ている。
「………………」
「ま、待て! 私が悪いわけじゃない! 悪いのはこっちの脳筋の方なんだ!」
女幹部からの無言の圧力に耐え切れず、細身の男は狼狽しながら隣の大柄な男を指差して責任転嫁する。
「何を抜かす! わしはちゃんと警告したぞ! あれは女ではないと!」
「お前の女の基準は胸の大きさだろう! そんなもので女を見分けられるほど私は単純に出来てはおらんよ!」
「抜かせ、貴様こそ幼子のような体にしか興味を持ってはおらんだろう! そんなお前が女を語るなぞ十年早いわ!」
「やめなさい見苦しい。私は榊原瑠亜を連れて来いといった筈よ。何が悲しくて男の裸体などを拝まなくてはならないわけ?」
「それはこの男が」
「それはこいつが」
「それ以上言わないで? どうしてもというのであれば、お前たちの大事なところとサヨナラすることになるけど?」
その言葉の魔力による二人の大事なところがひゅん、となる。目の前の女ならばやりかねないということを知っていた二人は彼女に逆らう術など持ち合わせていないに等しいものだ。
「しかし、どうしたものか。今の今まで女ばかりだったから男の使い道など私にはてんで知らんぞ。素材だけはいいのだが、どうにかならんものか」
「顔だけはホントに榊原瑠亜と瓜二つなのだがな……」
顔だけは女子のそれと何の変わりはない。髪を少し伸ばして化粧をすれば女と言い張っても充分に通用するレベルだ。
何かを思いついたのか細身の男が、にやりと口角を釣り上げる。
「私にいい考えがある」
「却下」
「わしもだ」
「何故だ!? せっかくの名案が浮かんだというのに頭ごなしに否定する理由がどこにある!?」
「そのセリフがよかった試しが一度でもあれば聞くんだけどねえ」
「それに貴様がそう言った時に限ってロクな目にあわん」
「うっ! ぐっ!」
「わかったわかった。貴方の意見を聞いてやるからそんなに騒がないで」
「そら、お前の言ういい考えとやらを言ってみろ」
「くっ……。釈然としないが、まあいい。要は発想の逆転だ。女しか使えないのであれば、使えるようにしてしまえばいい」
「それはどういう」
「飲み込みが悪いな。つまり――――――」
そして細身の男は言葉を紡ぐ。その言葉を聞き、二人ともなるほどといった顔を浮かべる。
「なるほどな。
「珍しくお前が使える意見をよこすとはね。わかったわ、採用にしましょう。早速取り掛かるから連れてきなさい」
そう女が先導すると男二人もそれに続き、男を乗せた台車がガラガラと奥の方へ運ばれていった。
◇ ◇ ◇
「う……」
「あら、目が覚めて?」
思い瞼を開けると始めて会う女の人が目に入ってきた。
気遣うようで品定めをするような妖艶な表情、扇情的なドレスがよく似合う。表情こそ柔らかいが、目の前の女は危険だと警鐘を鳴らしている。
彼女のような女のことを形容するならば魔女と呼ぶのが適切だろうか。
「ここは? っつーかあれ、声なんか変だな? あー、あー、あー?」
聞きなれた感じの声。でもそれは俺の声とは全然遠い筈だ。だというのにどうしてこんなにも彼女のことを思い起こさせるのか。
「後ろに鏡があるわ。振り返って見なさい」
そう言われるがままに、振り返ると目を見開き絶句。俺の頭の中から完全に言葉は失われた。
だってそこには双子の姉である瑠亜がそこにいたのだから。
「瑠亜姉……? いや、これが俺……?」
男のようなゴツゴツとした体つきではなく、柔らかいフォルムに包まれた姿はどうみても女。
素っ裸の俺が釘付けになったのは胸があるということ。日本人の平均的なカップでつんと上を向いている理想的なものだ。
身体の作りも、声も完全に女のそれと呼ぶに相応しい。
「あ、あんた、一体俺の体に何を!!」
思わず、我に返り振り返ると女は小刻みに体を震わせている。
「……わ」
「おい、聞いてんのかよ!」
「いいわ! 凛とした表情、可愛いくせに頑張ってる感じがすごくゾクゾクするわ!」
「……え?」
「ああん! ぽかんとしてるのも最高にいいわ! もう我慢できない! ぎゅーってさせて! 答えは聞いてないわ!」
「は? あ、えええ……?」
こちらの了解も得ずに目を輝かせながら女の人は一直線に抱きついてくる。
「引き締まった肉体はいい感じにそのままに、しかし女性的な柔らかさを持たせたこの絶妙なボディ! そして、何よりも」
「ひゃん!?」
「この胸とお尻の大きすぎず、小さすぎず、主に私好みに仕上がった最高のバランス! 流石は私!」
ぎゅーっと抱きつかれる。あ、れ? 今、敵対パートじゃなかった? だってのにどうして、俺この人に凄く好かれてるわけ?
「なあ、聞くようで悪いがこれ以上は盛れなかったのか……?」
「これくらいが丁度いいのよ。それに貴様の望みのサイズじゃこの子のボディバランスが台無しよ」
「むぅ、仕方あるまいか」
「残念だったな」
「そういう貴様こそ思い通りにならなくて残念であろう」
「ふん、そもそもこの女は鼻から私の眼中にはあらんよ。大学生など枯れておる、やはりあのあどけない笑顔こそが……」
「勝手に抜かしていろ、ロリコン」
「ほざけ巨乳バカが」
で、しばらく女にいいようにされるがまま、受け入れた。散々に抱きついたり撫で回したりしてさぞかし満足したのだろう。すごく肌がツヤツヤしてる。
「ふう、堪能したわ。さて榊原瑠衣くん、でいいのかしら?」
「え、ええ」
「身体の方はどうかしら? 変なところとかあったら教えて欲しいんだけど」
変なところ? 変なところといえば、俺が女にされたこと全て……。
「ってそうだ! どうして女の体にしたんだ! 元に戻せ!」
「それは出来ない相談よ。貴様の改造に一体いくらかかったと思っているの?1000万よ、1000万よ」
「そんなこと知るか! そもそもどうして、俺を女にして何を企んでいる!」
「企み? それは至極簡単なものだ!」
「ええ、実に簡単なことよ」
「そう、単に我々は女の子とにゃんにゃんしたいだけだ!」
………………は?
「なんだ、そのお前大丈夫か? みたいな目は! これは至って崇高な野望だぞ!」
「いや、俺を女にしてまで女に飢えてるのかって思ったら、なんか、うん、大変だな」
「ぐ、やめろ! 哀れみに満ちたような目で見るな!」
「つーか、お前らもなのか?」
「ええ、それは胸を張って言えることよ」
「言えるのかよ……」
「美女と戯れたいというのは男の欲望として、至極当然の摂理であろう。それを恥じることなどどこにある?」
「あー、もういいです。理解しました」
両手を挙げて降参のポーズを取る。
今、こいつらに対する認識が俺を女にして何か悪さをしようとする犯罪組織から、掛け値なしにバカな方向へ突き抜けた残念な悪党集団に俺の中の認識が変わった。
「で、俺の今後なんだけど、どうするつもりなんだ? 返す金なんて雀の涙程度にしか足しにならないぞ」
「返す金の宛てがないのであれば、身体で払ってもらうしかあるまい」
「か、身体って……。もしかしてそんな女にしたのはそういういかがわしいことをさせるために……!?」
「そんな女子に対して酷い仕打ちをするか。わしの言ってるのはこれだ、これ」
そういうと懐から一枚のビラを渡される。そこに書かれていたのは、
「メイド、喫茶?」
「この街で一番繁盛しているところのオーナーを勤めていてな。お前の顔ならば指名で一番を取ることも出来よう! たっぷり指名を受けて借金を返すがいい!」
「はあ……」
テンションの上がっている向こう側と違い、話の流れについていけずに気の抜けるような返事を返す。
「なんだ、折角働き口が見つかったというのに不服か?」
「いや、てっきりいかがわしいことされるかと……」
「なんだ、そんなことを心配しておったのか。残念ながらお前はわしのストライクゾーンを外れておる。そういう対象としてみることは出来んよ」
「なんだ、この良かったはずなのに何とも言えない屈辱感は……」
「わしをエロイ気持ちにさせたければをもっとボンキュッボン!な姉ちゃんになるよう努力するんだな。なははははははっ!」
豪快に笑い飛ばされる。あ、なんか今エロゲの胸を気にするヒロインの気持ちが少し分かったような気がする。
「では今日から働いてもらう」
「へ? 今日から!?」
「私も後で様子を見に行くわね」
「あそこで姦しい女たちに囲まれるのは釈だが、あそこのパフェの味は評価している。久々に食いたくなったし私も、同行させてもらう」
「では善は急げだ。行くぞ、我が天国へ!」
「「「おー!!」」」
「お、おー……」
「おかえりなさいませ、ご主人様♪」
というわけで、俺はメイド喫茶で働かされることとなった。
借金、残り1000万。こんなところで働いていて本当に返せる日は来るのだろうか。
それよりも、そもそもどうしてこいつらは姉さんをさらおうとしたのか。そのへんの疑問も解けていないが、
「瑠衣ー、こっち向いてー! ほら、もっと笑顔!」
「ふむ、相変わらず美味いな。おかわりだ、早く持って来い」
とりあえずそれは置いておいて始めての指名客がこれというのはいう怒りの矛先をぶつけてくれようか。
今はそのことで頭を満たすことにしよう。
二転三転して最後は投げっぱなし。
読んでてどこかでくすりとくれば自分の勝ちだと思っている。
くすりともこなかった人は冷たい目でブラウザバック推奨。
キャラ付けに関しましては活動報告にて。




