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境界の双子〜二つの雷鳴が響くとき〜  作者: ユーディ
第二章 黄昏の再会、砕かれた誓い
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第二章13 『泥に咲く反逆の華』

白銀の浄化雷と、紫金の反逆雷。

二つの相反する極大魔力が完全に調和し、螺旋を描いて天を衝いたその瞬間。黄昏時の荒野を支配していた二柱の神の絶対的な暴力は、音を立てて砕け散った。

1. 狂神の撤退と、残された荒野


「「――『双雷・暁闇のそうらい・ぎょうあんのしょく』!!」」

白銀の浄化雷と、紫金の反逆雷。

二つの相反する極大魔力が完全に調和し、螺旋を描いて天を衝いたその瞬間。黄昏時の荒野を支配していた二柱の神の絶対的な暴力は、音を立てて砕け散った。

「馬鹿な……! 我が『太陽神剣』の権能が、光の理が、あのような紛い物の光に押し負けるというのかッ!?」

上空で光帝ソルが驚愕に顔を歪めた。

双雷の閃光は、ソルが放った黄金の槍を原子レベルで分解し、彼の周囲に展開されていた絶対防御陣『天照の八咫鏡』にまで亀裂を走らせたのだ。パリン、と神の領域にヒビが入る音が、戦場全体に響き渡る。

「グアァァァァッ!! おのれシオン! 私の深淵を……私の最高傑作たる絶望を、このような形で裏切るか!!」

西の空では、闇御門ルナが操る無数の触手が、双雷の光に焼かれてボロボロと崩れ落ちていた。ルナの青白い端正な顔は、屈辱と激痛によって醜悪な悪鬼のように歪んでいる。

神殺しの雷鳴が天を割り、分厚い暗雲を完全に吹き飛ばした。

だが、その一撃は、二人の王を「滅ぼす」には至らなかった。

「……思い上がるなよ、愚娘ども」

光帝ソルは、黄金の血を流しながら、空中に開いた光のゲートへと後退した。

「貴様らが為したのは、神の衣の端を焦がしたに過ぎん。……だが、その罪は万死に値する。世界を統べる光の秩序に弓引いたこと、真の絶望をもって後悔させてくれる。……首を洗って待っておれ。次は、光の国の総力を以て、貴様ら反逆者を塵一つ残さず浄化してやる」

ソルの冷酷な宣告と共に、大審問官メタトロンや星導官セレスたち狂信者も、光の中に姿を消していく。

「ヒヒヒッ、ハハハハハ! そうだ、それでいい! 絶望は深く、抗いがたいほどに甘美になる!」

闇御門ルナもまた、崩壊する触手の海に沈み込みながら、狂った哄笑を残した。

「せいぜい束の間の勝利に酔いしれるがいい、シオン! 次の戦場は、この世界そのものの崩壊だ。……神の怒りを買ったこと、地獄の底で泣き叫んで後悔するがいい!!」

ドォォォォン……ッ!

地響きと共に、二柱の狂神の気配が、黄昏時の荒野から完全に消失した。

残されたのは、半分が吹き飛び、クレーターだらけになった古代闘技場の残骸と、満身創痍の両軍の生き残りたちだけであった。

「……退いた。あの、絶対無敵の光帝陛下と、闇御門が……」

昼国の近衛騎士団長ジーグが、手にした大剣を取り落とし、呆然と空を見上げた。

「俺たちの……俺たちの勝ちだ……!」

重盾兵の生き残りであるゴランが、涙と泥にまみれた顔をくしゃくしゃにして叫ぶ。

その声に呼応するように、昼国の兵士たちから、地鳴りのような歓声と嗚咽が湧き上がった。神の理不尽な暴力から解放され、自分たちの命を繋ぎ止めてくれた、白銀と紫金の少女たちへの純粋な賞賛だった。

だが、その歓喜の輪の中心で。

「……ッ、がはぁっ……!!」

紫金の魔剣『雷月』を地に突き刺し、立っていたシオンが、突如として大量の黒い血を吐き出し、糸の切れた人形のように前方に倒れ込んだ。

「シオン!!」

人化した精霊獣ハクが、目にも留まらぬ速さで飛び出し、シオンの体を抱き止める。

「おい、しっかりしろシオン! 終わったんだぞ、神様どもは逃げ帰ったんだ!」

ハクのしゃがれた声が、戦場に響く。

「お姉ちゃん!」

六枚の白銀の翼を収束させたリオナが、慌てて駆け寄る。彼女の隣では、半霊体となった聖騎士カイルが、心配そうに眉をひそめていた。

「……魔力回路の崩壊です」

カイルが、光で構成された右手をシオンの胸元にかざし、静かに告げた。

「神を穿つほどの大魔術を、極限の精神状態で放ち続けた代償。……ハク殿が獣の呪いを肩代わりしてくれたとはいえ、彼女自身の魂が、十五年間の負荷に耐えきれず、自壊を始めています」

「そんな……! 嫌よ、お姉ちゃん! やっと……やっと会えたのに!」

リオナは、シオンの泥だらけの手を両手で握りしめた。

シオンの顔色は死人のように青白く、呼吸は浅く、今にも消え入りそうだった。

「……ハク、カイル」

リオナの透き通るような白銀の瞳が、決意の光を放つ。

「お姉ちゃんの魂が砕けようとしているなら、私が繋ぎ止める。……私の白銀の光は、悲しみを癒やし、呪いを初期化する力。カイルの魂を引き留められたなら、お姉ちゃんの心だって救えるはずよ!」

「おい、無茶すんな! てめぇの魔力も空っぽだろうが!」

ハクが鋭く制止する。

「てめぇまで倒れたら、誰がこのポンコツを笑い飛ばしてやるんだ!」

「私がやらないで、誰がお姉ちゃんを救うの!」

リオナは一歩も引かなかった。

「お姉ちゃんは、ずっと一人で暗い世界にいたの。私が光の中で笑っている間、ずっと私の闇を背負ってくれていた。……今度は、私が迎えに行く番よ!」

リオナは、シオンの額に自身の額をピタリと重ね合わせた。

「――『白銀・魂魄共鳴プラチナ・シンパシー』」

その瞬間、リオナの意識は、物理的な戦場から切り離され、シオンの魂の深淵――絶対的な漆黒の精神世界へとダイブしていった。


2. 魂の深淵、黒石の塔の記憶


(……ここは……?)

リオナが目を開けると、そこは光一つない、冷たく湿った石造りの螺旋階段だった。

『黒石の塔』。

かつて、シオンが『光混じりの不浄』として、実の父であるガレオス・バルザーク公爵に幽閉されていた、絶望の揺り籠である。

「お姉ちゃん! どこにいるの!?」

リオナは、白銀の魔力をランタンのように灯しながら、暗い塔の中を駆け上がった。

塔の壁には、シオンの過去の記憶が、幻灯機のように浮かび上がっては消えていく。

『シオン。お前はバルザークの恥だ。その忌まわしい光を消せ!』

父ガレオスから、容赦のない雷の鞭を打たれ、背中から血を流して倒れる幼いシオン。

『お母様……ごめんなさい、私が弱いから……』

暗闇の中で、母エレインの冷たくなった手を握りしめ、声を出さずに泣き続ける十三歳のシオン。

『リオナ……どうして、お前だけが……』

戦場で、リオナの黄金の光を遠くから見つめ、嫉妬と孤独に魂を黒く染め上げていく『神穿鴉』としてのシオン。

「うぅっ……ああぁ……っ」

他人の記憶でありながら、その感情の濁流が直接リオナの心に流れ込み、彼女の胸をナイフで抉るような痛みが走る。

(こんな冷たい場所で……お姉ちゃんは、ずっと一人で戦っていたのね……)

リオナが最上階の重い木の扉を押し開けると、そこは、外界から完全に遮断された、狭く暗い独房だった。

部屋の隅で、膝を抱えてうずくまっている小さな影があった。

それは、今の成長したシオンではない。七歳で塔に幽閉された当時の、ボロボロの衣服を着た、**幼いシオン(インナーチャイルド)**だった。

「……お姉ちゃん」

リオナが優しく声をかけると、幼いシオンはビクッと肩を震わせ、顔を伏せたまま叫んだ。

『こっちに来ないで!』

幼いシオンの声は、涙でかすれていた。

『私は化け物よ! お父様もお母様も殺した、呪われた子! お前みたいに綺麗な光を持ってる人間が、私に触ったら……穢れちゃうわ!』

自分自身への強烈な嫌悪と、完全なる自己否定。

それが、シオンの魂を修復不可能なまでに破壊しようとしている元凶だった。

「穢れないわ。だって私は、あなたと半分こなんだもの」

リオナは、幼いシオンの拒絶を恐れず、真っ直ぐに歩み寄った。

『来ないでって言ってるでしょ! 私の心の中は、ドロドロの闇ばっかりなの! お前のことだって、本当は羨ましくて、憎くて、殺してやりたいって何度も思った! 私は、そんな汚いお姉ちゃんなのよ!』

幼いシオンの周囲から、防衛本能のように黒い棘が飛び出し、リオナの頬や腕を切り裂いた。

赤い血が流れるが、リオナは歩みを止めなかった。

「知ってるよ。……エルム村で残された『月見草』から、お姉ちゃんの痛いほどの本音が、全部伝わってきたから」

リオナは、黒い棘を素手で掻き分け、うずくまる幼いシオンの前に跪いた。

そして、泥だらけの小さな体を、力いっぱい、両腕で抱きしめたのだ。

『あ……っ』

「憎んでくれていいよ。私のこと、殺したいって思っていいよ。……全部、私が受け止めるから。お姉ちゃんが抱えたドロドロの闇、私が半分こしてあげるから」

リオナの白銀の魔力が、温かい毛布のように幼いシオンを包み込む。

「だから……もう、一人で泣かないで。十五年間、ずっと待たせてごめんね。……お姉ちゃん」

『リオ……ナ……』

幼いシオンの目から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。

張り詰めていた心の糸が、妹の無条件の愛に触れ、ついにプツリと切れたのだ。

『こわかった……こわかったよぉ、リオナ……! 痛かったよぉ……!』

「うん、うん。ごめんね。もう大丈夫だよ」

『私、本当は……リオナに、ずっと会いたかった……! 一緒に、日向を歩きたかった……っ!』

幼いシオンが、リオナの胸に顔を埋め、子供のように声を上げて泣きじゃくる。

その涙がリオナの白銀の光に触れるたび、独房の冷たい石壁がポロポロと崩れ落ち、暗い精神世界に、美しい朝焼けの光が差し込み始めた。

「……シオン。迎えに来たぜ」

光の中から、一人の青年の影が歩み寄ってきた。

人化した精霊獣、ハクである。彼は、現実世界からシオンの魂の領域へ、強引にアクセスしてきていたのだ。

「ハク……」

『てめぇのドロドロの闇は、俺が全部喰ってやっただろ。……もう、そんな狭い部屋に引きこもってんじゃねぇ。外は、てめぇが思ってるよりずっと広いぜ』

ハクは、大きな手で幼いシオンの頭をポンポンと乱暴に撫でた。

その温もりに触れた瞬間、幼いシオンの姿が光に包まれ、十五歳の、今のシオンの姿へと成長し、統合されていく。

シオンは、涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、妹と、自らの影である青年を交互に見つめた。

「……帰ろう、リオナ。ハク。……私たちの、世界へ」

三人の魂が、眩い白銀と紫金の光に包まれ、深淵の底から一気に浮上していく。

十五年に及ぶ修羅の呪縛が、ついに完全に氷解した瞬間であった。


3. 目覚めと、交わされる不器用な言葉


「……ん、っ……」

現実の荒野。

シオンが、ゆっくりと目を開けた。

視界に飛び込んできたのは、心配そうに自分を見下ろすリオナの顔と、腕を組んで鼻を鳴らすハクの顔、そして、少し離れた場所で優しく微笑む半霊体のカイルの姿だった。

「お姉ちゃん! よかった、息が戻った……!」

リオナが、泣きながらシオンの首に抱きつく。

「い、痛いわよ、リオナ。首が絞まってる……」

シオンは苦笑しながら、ゆっくりと身を起こした。

体は鉛のように重かったが、心臓を締め付けていたあの『冷たい虚無感』は、綺麗さっぱり消え去っていた。

代わりに、胸の奥には、確かな温もりと、生きて呼吸をしているという実感が満ちている。

「……サンキュ。助かったぜ、光のお姫さん」

ハクが、リオナに向かってぶっきらぼうに頭を下げた。

「いいえ。お姉ちゃんの心を守ってくれたのは、ハク、あなたよ。……お姉ちゃんを一人にしないでくれて、本当にありがとう」

リオナが満面の笑みでお礼を言うと、ハクは「チッ」と舌打ちをして、バツが悪そうにそっぽを向いた。

「ハク殿。貴方のその力、素晴らしい魔力制御ですね」

半霊体となったカイルが、ハクに歩み寄り、右手(光で構成された手)を差し出した。

「先ほどの神の魔術を防いだ影の壁。……僕の『絶対守護』の概念に近いものを感じました。お互い、守るべき主を持つ騎士として、良き連携が組めそうです」

「……あァ?」

ハクは、カイルの光の右手を怪訝そうに見下ろした。

「勘違いすんじゃねぇぞ、半分幽霊。俺は騎士じゃねぇ。シオンの飼い犬だ。……てめぇら光の連中と馴れ合う気はねぇよ」

ハクがそっぽを向くと、カイルは苦笑いしながら手を引っ込めた。

「まぁ、彼の照れ隠しです。根はとても優しい犬……いえ、狼ですから」

シオンがクスクスと笑いながらフォローを入れる。

「おいシオン! てめぇ誰が犬だ!」

「あら、自分で言ったんじゃない」

そんな四人のやり取りを、遠巻きに見つめている者たちがいた。


4. 泥ネズミたちの選択、そして光の騎士の誓い


「……殿下。リオナ殿下」

重い足音を響かせ、昼国の近衛騎士団長ジーグが、前衛隊長レオンハルトや生き残りの兵士たちを引き連れて歩み寄ってきた。彼らは皆、泥と血にまみれ、満身創痍だった。

ジーグは、シオンとハクの前に立つと、ゆっくりと大剣を地面に置き、その場に片膝をついて深々と頭を垂れた。

「ジーグ将軍……?」

リオナが驚いて声を上げる。

「……シオン殿。いや、バルザーク公爵令嬢。……我々は、貴女を『神穿鴉』という悪魔だと信じ、憎んできた。だが、貴女は我々を庇い、狂った神からこの世界を救ってくれた」

ジーグの声は、懺悔に満ちていた。

「我々が信じた光は、腐りきっていた。……これまでの非礼、そして貴女が背負った苦しみを見抜けなかったこと、昼国の武を預かる者として、心より謝罪する」

「顔を上げなさい、将軍」

シオンは、冷たさのない、凛とした声で応えた。

「あなたたちが私を憎んだのは当然よ。私は事実、多くの血を流したのだから。……でも、あなたたちがリオナを守り抜いてくれたことには、感謝しているわ。ありがとう」

シオンの言葉に、ジーグは感極まったように目頭を押さえ、レオンハルトや兵士たちも安堵の涙を流した。

その感動的な光景を、瓦礫の陰から冷ややかに見つめている三人組がいた。

夜国の残党、副長ゼッカ、影潜りカエレン、毒娘ニムである。

「……ヘッ、お涙頂戴の茶番劇だ。俺たち泥ネズミには眩しすぎて吐き気がするぜ」

カエレンが鼻で笑いながら、こっそりと戦場から立ち去ろうとした。

「待ちなさい、あなたたち」

シオンの声が、彼らの背中を鋭く引き止めた。

ビクッ! と三人の肩が跳ね上がる。

「シ、シオン様……! 違います、俺たちは逃げようとしたんじゃなくて、その……」

カエレンが必死に言い訳をしようとするが、ゼッカは彼を手で制し、ゆっくりとシオンに向き直った。

「……いかようにも処分を下すがいい、元・神穿鴉様。我々は貴女を見捨て、保身に走った。どのような残虐な拷問で殺されようと、文句は言えん」

ゼッカは、義眼を真っ直ぐにシオンに向け、死を覚悟した暗殺者の顔で言い放った。ニムも恐怖でガタガタと震えている。

だが。

シオンは彼らを睨みつけることはせず、小さく息を吐いた。

「処分? 何を言っているの。私はもう『神穿鴉』じゃないわ」

「……え?」

「恐怖で人を縛るような真似は、もう終わり。あなたたちの忠誠が偽りだったことも、最初から知っていたわ」

シオンは、驚くゼッカたちに向かって、不敵な笑みを浮かべた。

「ゼッカ。カエレン。ニム。……あなたたちは自由よ。夜国に戻るもよし、どこか遠くで傭兵でもやるもよし。好きに生きなさい」

「じ、自由……? 俺たちを、殺さないんですか?」

ニムが信じられないというように瞬きをする。

「ただし」

ハクが、凄まじい殺気を放ちながらゼッカたちの前に一歩踏み出した。

「もし、てめぇらが今後、シオンやこいつら(リオナたち)の邪魔をするようなことがあれば……その時は、俺がてめぇらの影から内臓を引きずり出して、残さず喰ってやるからな。覚えとけ」

ハクの縦に裂けた紫の瞳に射抜かれ、ゼッカたちは悲鳴を上げんばかりに首を縦に激しく振った。

「わ、わかった! 絶対に手出しはしねぇ! 行くぞニム、ゼッカ先生!」

「ひぃぃっ! ありがとうシオン様、バイバァーイ!」

カエレンとニムが、蜘蛛の子を散らすように逃げ出していく。

ゼッカは、去り際にもう一度だけシオンを振り返り、小さく、だが確かに頭を下げた。

「……御武運を。真なる修羅よ」

ゼッカが闇の中に姿を消すと、戦場にはようやく、完全な静寂が訪れた。


5. 終局と、新たなる戦いの幕開け


黄昏時の荒野に、朝日が昇り始めていた。

十五年間、厚い暗雲に遮られていたこの場所に、本物の太陽の光が差し込む。

「……終わったんですね」

カイルが、半霊体の右手を朝日にかざしながら、静かに呟いた。

「いいえ。……本当の戦いは、これからよ」

リオナが、昇る朝日を真っ直ぐに見据えて言った。

「父様も、ルナ様も、あの程度のダメージで死ぬような人たちじゃない。必ず、態勢を立て直して、もっと恐ろしい力で私たちを潰しに来るわ」

「上等だ。次は俺が、あのクソ神どもの首を物理的にへし折ってやる」

ハクが、拳をボキボキと鳴らして凶悪に笑う。

シオンは、自身の魔剣『雷月』と、リオナの聖剣『ソル・ブレイカー』を見比べた。

「私たちには、この世界を縛り付けている『光と闇の理』をぶっ壊す責任がある。……リオナ。ハク。カイル」

シオンの呼びかけに、三人が頷く。

「行くわよ。私たちの、本当の明日を取り戻すために!」

朝焼けに染まる荒野の中央。

白銀と紫金、二つの雷鳴が、新たな誓いと共に静かに共鳴していた。

狂った神々を討ち果たすための、彼らの反逆の旅は、ここから第三章『光と闇の総力戦』へと、さらに過酷な運命の歯車を回していくことになる。

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