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灯火  作者: 暦海
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全然見えないや。

「……ここ、なの……?」

「……不満か?」

「ああいや、そうじゃなくて! その、初めてで……こんな、綺麗なところ……」

「……別に、綺麗そうでもねえよ」



 それから、およそ30分後。

 茫然と呟く私の問いに、少し躊躇う様子で尋ね返す美青年。いやいや、不満なんてあるはずなくて! お世辞でも何でもなく、こんな綺麗なところは初めてでびっくりして……まあ、びっくりしたのはそれだけが理由じゃないんだけど。



 ともあれ、私達がいるのは少し古びた木造アパートの二階奥に在する一室――もう10年以上も住んでいるらしい、一人暮らしのエリスの部屋で。





『――ああ。……だが、その前に移動しないか? つっても、別に大した場所でもねえけど……たぶん、此処よりはましだろ』



 そういうことですよね――30分ほど前、船の上にてそう問うた私に、少し顔を背け答えるエリス。そして、繰り返しになるけど到着した先が彼の部屋で。


 ところで……道中、そこそこ気まずくなるかと思ったけど――存外、そうでもなく。私も――そして、恐らく彼も、お世辞にもコミュ力に長けてるとは言えないだろうけど……それでも、不思議と会話は心地良かった。


 そして、その会話なかで最も驚いたのが――彼は、もう30手前だということ。つまりは、私より一回り以上も歳上で……うん、全然見えないや。……まあ、それはともあれ――


「……それじゃ、さっそく――」

「――その前に、腹減ってね?」

「…………へっ?」

 



 


 


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