表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灯火  作者: 暦海
14/36

……でも、なんでだろう。

「……その、ありがとエリス」

「……それはもう、何度も聞いたって。それより、あんたが喜んでくれたなら俺も嬉しいし」



 それから、しばらくして。

 朱色あか青色あおが織り成す綺麗な空の下を、ほのぼのとそんなやり取りを交わしゆっくりと歩いていく。そして、私の腕の中には先ほどエリスが買ってくれたあの可愛い衣服ふくの入った白い袋が。あっ、ドクロの方じゃないよ?


 あの後、再び十数分ほど店内を回り、その後は豊かな自然に彩られた大きな公園でゆったりと過ごして。以前から、エリスがよく一人で来ていたとのことだけど……うん、知らなかったな。ずっと住んでいた街のはずなのに、あんな素敵な公園ところがあったなんて。


 ……ところで、それはそれとして――


「……ん? どうしたソフィ」

「あっ、いや、なんでも……」


 そう、不思議そうに尋ねるエリス。と言うのも、隣を歩く彼を私がじっと見上げていたから。まあ、なにか用件があるわけじゃないんだけど……チラと、辺りを見渡す。すると、今もあちこちから視線が……まあ、私というよりエリスにだけど。


 ……やっぱり、目を惹くんだ。あの服屋さんでも、その前のカフェでもどこでも、周りに人がいる時は常にエリスにはそういう視線が注がれているのが当の本人でなくても十分に感じ取れて。まあ、当然と言えば当然。私だって、最初見た時思わず息を呑んだくらいの美男子で――


 ……でも、なんでだろう。こんなことに……こんな当然のことに、こんなにも嫌な気持ちになってしまうのは。



 


 


 


 

 

 


 

 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ